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「人ごと」じゃなくなった時、どうする?「息子のボーイフレンド」イラスト感想文
こんばんは。イラストレーターのササダテ スイです。
#読書の秋2021 の課題図書の中で「え?」と気になるタイトル。
少し内容を予想しつつ、読みました。
あらすじ
専業主婦の莉緒は、高2の息子・聖将に、自分が男性しか好きになれないとカミングアウトされて、衝撃を受ける。
受け入れがたい気持ちに揺れながらも、なんとか理解したいとそのボーイフレンドを家に招くのだが、雄哉は本当に好青年。
だけど、夫にはなかなか切り出せないのだった。
夫は果たして受け入れられるのか・・・?
感想
今、LGBTQ運動など、多様な性のあり方を認めよう!という運動が盛んですよね。
きっと表立って反対する人は少なくなってきたと思う。
・・でも、自分の子供が同性愛者だったら?
この小説では、イケメンで一人っ子の息子が、男性しか愛せないとカミングアウトする場面から始まる。
衝撃を受ける母(莉緒)。
うちにも高校生の娘二人と小学生の息子がいるので、ちょっと想像してみた。
(そういえば、以前書いた「ののはな通信」は、女性同士の愛の物語だった。)
やっぱり、えー!!となるだろうなぁ。
もちろん異性愛者だったとしても、「年頃になったら結婚して子供が生まれて・・・」とはいかないかもしれないのだけど。
子育てしていく時に、「普通の」とか、「世間一般」を基準にするところあるから、我が子がこの先、マイノリティの道を歩んでいくということを認め、受け入れるまでは、やっぱり時間かかるよね。
とはいってもこの小説の莉緒(母)のように、「バチが当たったんだ」って思っちゃうのは悲しすぎる。
その理由としては、莉緒が学生時代にBL(ボーイスラブ)にはまって、漫画を描いたりして盛り上がっていたからなんですが…
そういう理由じゃなくても「私のせいであなたがこんな風に・・」的な感じで言われたら、カミングアウトした方も辛いよね。
だって、罪を犯したわけじゃないんだもの。
相手がロクでもなかったら別だけど・・・
とはいえ、本当にその子供の人生を心配するからこそ、すぐに受けいられられなかったり心を痛めるんだと思う。
それは同性愛者ということでなくても、親が信じる「幸せ」の道から、違う道を子供が歩んでいく時・・・
表面上の理解だけでなくて、寄り添って一緒に考えて応援するって、ほんと難しい。
この小説の中でも書いてあったけど、正直に生きるのは、当事者だけの問題でなく、周囲も傷つけてしまうこともある。
でも我が子がどういう道を歩むとしても、最終的にはその子供の味方でありたいな。
ところで、この小説に出てくる人物は人情家で理解ある人ばかり。
こんな人達だらけだったら、もっと世の中オープンで明るいんだろうな。
恋愛小説の一面もあり、聖将と雄哉が恋に落ちる場面もお互いからの視点で描かれているんだけど、ほんと胸がキュンとする。
「これは・・・惚れてまうやろ〜!」
と、思わず心で叫んだ。
そんな二人のイメージ、聖将を雄哉がお姫様抱っこしているところを描きました。