フリーランス人事キャリアアップ方法~新入社員研修の提案・実行・振り返り編~
こんにちは!「フリーランス人事研究所」広報のゆいです。
採用領域から他人事領域にチャレンジしたい方向けに、採用から人材開発へ幅を広げるための記事をいくつか書いてきました。
人材開発領域に挑戦するためのスキルセットと戦略・学び方
大まかな提案の流れと具体例
今回は「新入社員研修」に絞って、提案から実行~振り返り~次回提案までのやり方の一例をお伝えします。新入社員研修は会社のコアスキルというより社会人基礎力をテーマにした研修が多いので挑戦しやすいから選びました。
ただし、研修全体プロジェクトの推進を受注することは、最初はハードルが高いので、今回は単発で受ける場合にします。
効果的な提案のポイント
課題ヒアリングを通じて、クライアントが抱える具体的な課題や期待する成果を把握しましょう。特に、クライアントが期待している結果を具体的にしてすり合わせることが重要です。
下記は、クライアントとの会話例です。
例は、フルリモートの会社での新入社員についての課題でした。報連相については研修会社の行っている内容とほとんど同じですが、コミュニケーションの取り方はクライアントの社風・働く環境に合わせた内容にアレンジしています。
新入社員研修では、「社会人基礎力」と「会社オリジナルで伸ばしたいスキル」を適切に区別し、それぞれに焦点を当てることも大事です。もし、マーケティングの知識やプログラミングの知識など、職種に寄った内容を求められた場合は、営業やエンジニアの経験が無い私では教えることができないので、研修会社から適切なプログラムを探したり、知り合いで適任者がいれば講師を打診してみたりします。
だいたいの場合、新入社員には社会人基礎力の強化が不可欠です。コミュニケーション能力、問題解決力、リーダーシップなど、これらの要素は自分で講師が出来るように準備しておくと依頼を受けやすくなります。
また、課題ヒアリングと同時に予算を確認し、予算の範囲内での提案を行います。
私は、新入社員研修の場合は1講座につき単価を設定し、何講座受けるかで計算しています。予算内であれば複数講座を提案することもありますが、最初は1講座でお試しをしてもらって、反応が良ければ追加提案をすることが多いです。
もし新入社員研修の全体設計を依頼された場合は、自分の講座分以外にも外部講座を受けるのか、社内リソースを使うのか等も含めて、予算内で何が出来るのかも検討します。
新入社員研修の実行
新入社員研修の提案が通れば、研修の準備と実行に入ります。研修の成功は準備が8割だと思いますので、しっかり準備していきましょう。
初めて受託する内容は0から資料を作るので工数がかかりますが、何回か受託する内に似た内容の研修をすることがあるので、その場合は内容を流用しながら作成ができて時間を短縮できるようになります。最初だけは時間がかかりますが頑張って資料作成しましょう!以下は研修の準備・実行で私が心がけているポイントです。
①社内の作法の確認
一般的なビジネスマナーと、クライアントの会社が独自に採用しているコミュニケーションの取り方が異なることがあります。研修前に社内の作法やコミュニケーションのルールを確認し、新入社員が円滑に馴染むようサポートしましょう。先述の例ですと、オフィス出社の場合の相談は、先輩社員の様子を見ながら口頭で相談に行く説明をしますが、フルリモートの場合はまずチャットツールで先輩の予定を確認してから相談するように伝えました。
②研修環境の確認
コロナ禍以降はオンラインでの研修実施が増えました。コロナが落ち着いてきた現在はオフライン研修に戻すところもありますが、どちらにするかは事前にクライアントに確認しましょう。私が体感するところで次のような違いがあります。
受講生に対する効果が変わってくるので、緊張しない空気作り(アイスブレイク)であったり、質問方法の検討(質問時間、テキストでコメントしやすくする等)をしたりしましょう。
オフラインの場合は、実施場所の確認や新入社員が受講するための設備の整備が必要です。受講方法についても、パソコンを持ち込むのか、ノートでメモを取るのかなどを確認しておきましょう。
③資料作成
研修では、講義形式やワークショップ形式の検討、時間配分の工夫が求められます。参加者が理解しやすいように工夫し、効果的な学びの場を提供することが重要です。例えば、講義形式は次のようなものがあります。
講義形式を組み合わせて効果的な研修が実施できるように工夫しましょう。また私がつい忘れてしまうことが「トイレ休憩」です。1時間以上の講義であれば最低1回はトイレ休憩を挟みましょう。
④話慣れることの重要性
講師としての自身の話し方や伝えるスキルを向上させるために、事前の練習は不可欠です。自身のプレゼンテーションや説明力を高め、参加者が理解しやすい形に整えることで、研修の効果が向上します。
作った資料が時間内に収まるか、または時間が足りないかを、時間を計って練習することで確認します。録画をすると、身振り手振りや表情、声のトーンや速度の確認もできるので、スキル向上に役立ちます。可能であれば、他の人にプレゼンテーションを見てもらい、フィードバックを受けることも有益です。
研修を設計していくために役に立つ書籍を紹介します。
ファシリテーターの道具箱
議論の進め方やアイスブレイクのやり方が複数載っているので、状況に合わせて参考にしています。
研修デザインハンドブック
具体的な対応策や例題があり、研修をするために必要なことがイメージしやすいです。
新入社員研修の振り返りと次回に繋げる提案
研修が完了したら終わりではなく、クライアントの満足度を高めるために研修後フォローも行いましょう。
定番ですが、受講者に対してアンケートを行うと良いでしょう。アンケートを通じて、受講者の感想や研修内容への評価、改善すべき点を収集します。これにより、受講者のフィードバックを基に今後の研修の質を向上させることができます。
「ためになったか」だけを確認しても行動が伴っていなければあまり意味がないので、受講者の具体的なアクションを聞くと、受講者にとっても研修を受けただけで終わらなくなるのでおすすめです。
ネクストアクションを決めた後、行動変容があったかを確認できるようにフォローアップを追加で提案できると良いです。例えば、新入社員研修は入社直後に実施し、入社半年が経過した段階でフォローアップ研修を提案します。受講者が習得したスキルや知識の実践状況を確認し、課題や改善点を把握します。
担当者との協力体制を築きながら、入社後の実績や課題を共有し、研修の効果を最大限に引き出します。自分でフォローアップ研修が実施できなさそうであっても、担当者が何をしたら良いのかをアドバイスすると信頼関係構築になり次に繋がりやすくなると思います。
おわり:研修スキルを上げるためには自分の知識を増やすことが大事
新入社員研修は自分が新入社員の時に受けた時のことを思い出しながら検討するかもしれませんが、自分が新入社員の時と今とでは環境もやり方も選択肢が増えています。現在の新入社員(若者)がどういう価値観で、どう伝えると効果的に伝わるのかについて、採用担当として接してきた経験を活かして検討していきましょう。
また、研修について知識を増やすために自分でも研修を受けてみることは大事だと思います。オフラインの講座はフリーランスで受講するには単価が高いですが、オンライン講座やYouTube動画等も活用して知識を増やしましょう。
繰り返しますが、クライアントが「研修の効果が出た!」と感じるためには、最初のゴール設定がかなり大事です。雰囲気ではなく、何ができるようになったのか評価ができるようなゴールにしましょう。
もしあなたに面談スキルがあれば、社員と定期面談をする提案もできます(私はキャリアコンサルタント資格を活かして定期面談も実施しています)。定期面談が受け入れられれば、新入社員以外のレイヤーの課題が見えてきて、他レイヤーに対する研修提案がしやすくなります。また、月額で提案できるので安定した収入になります。
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