【EXな1on1シリーズ ♯3】「個人」に関する質問例
こんにちは!<Well-being>トレンド情報局の山越です!
今回も前回に引き続き、EXな1on1シリーズをご紹介したいと思います。
バックナンバーはコチラ↓
①「【EXな1on1シリーズ ♯1】実施の共通認識が最重要!」
②「【EXな1on1シリーズ ♯2】「業務」に関する質問例」
0.EXな1on1とは?
EXとは、「従業員体験価値」のことを指します。
UX(ユーザー体験)の従業員版、ですね。
UXが高いとユーザー満足度が上がるように、従業員満足度を高めたいのであれば、このEX(従業員体験価値)を高める努力が必要です。
EXな1on1とは、まさにこの「従業員体験価値」を上げるような1on1という意味。
そもそも1on1を実施すること自体がEX向上に効果的ではあるのですが、正しく実践できなければ、1on1の効果も薄れ、かつ継続性も見込めません。
本記事では、効果的な1on1を実施していただくためにも、「EXな1on1」=「従業員体験価値を上げるための1on1」について、詳しく掘り下げていきたいと思います。
1.あなたの会社では、EXな1on1を継続できていますか?
会社でせっかく1on1を導入したのであれば、効果的に継続するためにメンター(マネージャー)へのトレーニングはもちろん、概念や心構えのみならず、具体的な質問例やノウハウをシェアすることが重要であるとお伝えしました。
前回は業務に関する質問例についてご紹介したので、今回はメンティー(メンバー)個人のことをお話する際のノウハウについて、ご紹介します。
【~EX(従業員体験)をあげる組織開発 ~1on1シリーズ】
♯1:実施の目的認識が最重要!
♯2:「業務」に関する質問例
♯3:「個人」に関する質問例 ※今回はコチラ!
♯4:「組織」に関する質問例
2.「個人」に関する質問例
2-1.質問例①パーソナリティ(性質)について
パーソナリティを相互理解していると、メンバーの成長促進につながります。
メンバーのパーソナリティに関する認識がお互い合っていると、メンバーは自分の変化に対してオープンでいられますし、新たな能力獲得へつながります。
・強みや弱みについて
✔「他の人よりも労力少なくできることはなんだろう?」
✔「すごく注意しないとうまくできないことはあるかな?」
・モチベーションが上がるきっかけについて
✔「どんなことがあるとモチベーションが湧くかな?」
✔「自分の中からエネルギーが湧くのはどんな時かな?」
・コンピテンシー(成果を積極的にあげられる行動特性)について
✔「うまく進めるために発揮できるようになってきた力はなんだろう?」
2-2.質問例②ライフスタイルについて
ライフスタイルのすり合わせは、新たな価値観をもたらします。
また、マネージャーにとっても、質問しやすく、自然に聴き手に回れるテーマでもあります。
・健康について
話す主導権をメンバーに渡して、優しく聞いてみましょう。
✔「健康上のことで何か知っておいたほうが良いことあるかな?」
・家族や交友関係について
センシティブなこともあるので、まずは大雑把に聞き、非言語の反応に注目してみましょう。また、質問の前に置くクッション言葉も有効です。
✔「差し支えなければ~」
✔「もし話したほうが良さそうなら~」
✔「私が知っておいたほうがよいことがあれば~」
・ライフワークや副業について
基本的には、全てに肯定的な理解を示すようにしましょう。
メンバーの価値観や考えを深く理解することで、マネージャーや組織との接点を作ることができます。
また、能力開発や強みの発掘などのパーソナリティ向上にも寄与するので、将来のキャリアを考える重要な材料になりますし、ライフワークでの考えや能力を今の業務につなげ、成果を出すことにも繋がります。
メンバーは自分の人生において大切にしているものを受け入れ、自分の生き方を尊重してくれる会社やマネージャーには、強い愛着をもつでしょう。
・悩みについて
悩みや葛藤は、人間を大きくする種となります。
マネージャーは、メンバーの成長にフォーカスしながら、寄り添う姿勢で話を聴いてみましょう。
✔「仕事以外のことで何か悩みはある?」
・興味、関心について
メンバーが話している内容よりも「動機」に目を向けてみましょう。
例えば、「何がメンバーにこのような興味をもたせているのだろう」と、関心の視点を変えて話を聴くと、行動変容につなげるきっかけにもなります。
2-3.質問例③将来のキャリアについて
仕事が順調そうに見えていたメンバーが、突然、退職の申し出をしてきたことはないでしょうか。
その原因の多くに、勘違い退職(ポジティブ退職)があります。
マネージャーとメンバーとの間で深いすり合わせができていないことにより、本当はまだ自社で頑張れる余地はあるのに、メンバーが「やりたいことはここではできない」と勝手に勘違いすることがあります。
メンバーの将来のキャリアに関して話を聴くことが、勘違い退職を防ぐことにつながります。
・将来のキャリアを社内に限定しない
個人の考えを尊重しつつも、会社のスタンスや将来性を示し、すり合わせましょう。
対話による掘り下げにより、将来の土台となる今を明確にすることで、将来への漠然とした不安を解消するのです。
・マネージャーのスタンス
マネージャーは、キャリアを上手に指南するアドバイザーではなく、カウンセラーのように相談に乗るスタンスを意識しましょう。
メンバーが望むことは、揺れている状態を肯定してもらい、安心したい、ということです。また、それ以上に大切なのは、将来の可能性を一緒に考える、信頼関係を築くことです。
・定期的に確認する
人間、やりたいことはコロコロ変わるものです。
メンバーの将来のキャリアに関しては、定期的(1~3ヶ月おき)に確認しておくとよいでしょう。
将来のキャリアに関する対話の目的は、今の業務や組織に意味を見出すとともに、抱えている不安を解消し、今に充実感を得ることにあります。
3.まとめ
冒頭でもお伝えしましたが、社内でEXな1on1を継続するためにはメンターに「1on1やってね!」と丸投げするのではなく、メンターへのトレーニングや、すぐ実践できる質問例、ノウハウをシェアすることが大切です。
今回ご紹介したコミュニケーションポイントなどをぜひ、社内でご活用いただけると私たちも嬉しいです!
次回記事👉【♯4:「組織」に関する質問例】
今回は「個人」をテーマにした質問例、ノウハウをご紹介しました。
次回はいよいよ最終回!
「組織」に関する質問例やポイントを確認し、1on1に関するノウハウ集を完成させましょう!