シェア
ナスカーチャ
2020年10月11日 14:11
永劫の責苦。うらぶれた蔵屋敷。デュッセルドルフの解雇番、落葉樹。それら諸々の街道と、人々の物語、情景とが、俺の光明な慰安であった。俺の沈下した地盤であった。それは、遥かなる異国の他人事のような美しい横顔の、あの奇特な階調においては、ひとつの勇気であったのだ。そう、俺の尻と尻尾とは、勇者の雷ーーじゃなくて、蕾(つぼみ)なのである。ここで、時が変わる。思い出よ。歴史よ。放埓な無知の宴ーー、まだお前
2020年10月1日 21:27
また詩を書いてみようかな。詩を捨てる場所があるから、だから安心する。安心して言葉を動かせる。駒みたいに。(マトモな)文章を書かないでいることと詩を書くことは似ていて。なにも書かないように書くことができたら上出来だ。それを詩と呼んでいいだろう。なにかを書こうとする人って、きっと詩人にはなれないんだよ。なにかをしようとする人って、阿呆にはなれないんだ。生き方を知らない人だけが自分になれる。自由。自
2020年4月20日 16:36
俺達は真実の一歩手前まで近づくことに成功した。しかしここからが遠い。というのも、ここが崖っぷちに見えるからだ。「その一歩、踏み出してはならぬ」やっぱそう思う? 真実とはいつもこんな感じなんだよな。これじゃまるで身投げだ。ーー真実とは何か?ーー俺達はその答えを、この20年、世界中を探して回った。世界と言っても、地球のことではなく、近所の公園とか、海辺とか、居間とか、ウサギ小屋とか、そ