2024テゲバジャーロ宮崎にフォーカス⑨(J焦点⑬24限定連載)『 18人+αの重要性を感じた勝利~適材適所~ 』J3 第34節(H)vs FC大阪
1、不安を打ち消した堂々たる勝利~本物~
11番 橋本 啓吾 選手、58番 武 颯 選手の強力2トップに加えて、不動のCBの35番 江川 慶城 選手が、出場できないという厳しい条件の中での試合で、プレーオフ圏内に位置していたFC大阪を迎えての1戦で、正直に言ってしまうと敗戦も覚悟していましたが、率直に驚いた勝利でしたし、テゲバの勢いや強さは本物であると改めて感じました。
また、メンバーを固定しがちであったことで、どういったメンバーになるか予想が難しい試合でこそありましたが、35番 江川 慶城 選手のCBの所に34番 遠藤 光 選手が入り、2トップには、18番 吉澤 柊 選手と19番 高瀬 生聖 選手で、横ではなく縦の関係になることもありましたが、いつもの4-4-2でしたが、19番 高瀬 生聖 選手が、気持ち下がり気味だったでしょうか。18番 吉澤 柊 選手が少し高めの位置を取っていたように映りました。
このメンバーで、どうFC大阪を迎え撃ったのかについて、2章から語っていきたいと思います。
2、風の影響を受けない高さに代わる武器~集球力(収球力)~
この試合でのテゲバは、ロングパスを選択することもありましたが、基本的にパスを繋ぐことを軸にしていたように映りました。追い風で、前半の主導権を握ったというよりは、繋いで、相手陣地に迫ることで、攻める時間が長くできていたと感じていたので、試合を観ながら次のようにポストしました。
FC大阪は、前節の讃岐と違い、前からプレスに来る意識も高く、それなりにテゲバのポゼッションにプレスで対抗しようとしますが、中盤での受け方と剥がし方が良かった試合に感じました。
テゲバの左SHの44番 井上 怜 選手と20番 阿野 真拓 選手のゴールテゲコンビを警戒すれば、中が手薄になりますから、8番 力安 祥伍 選手と、50番 安田 虎士朗 選手が、上手く間で受けることで、中盤より前に進める形を作ることができていましたし、ポゼッションを落ち着かせることができたことで、腰を据えた攻撃ができるようになりました。
その結果、前後半を通じて、FC大阪の中盤の寄せは、強力でしたが、意外性のある速いパス回しと、ドリブル突破での左右からの仕掛けが、より効果的になっていました。
ここで、奪われてFC大阪が攻めるターンになっていれば、ゲームは展開になったかもしれませんが、この試合は、ここを打開できていました。それこそ、思わず声が出るようなファインプレーもありました。
また、ゴールに近づいた時には、パスで崩すパターンと、速いクロスを入れていく攻撃の2パターンを軸に得点を狙った。速いクロスに関しては、いつも違うコースへのクロス(高さではなくスペースを意識したクロス)をDFラインとGKの間に入れていく意識が高かった。
そのため、FC大阪のGKと1番 永井 建成 選手と18番 吉澤 柊 選手が競り合うシーンも多く、18番 高瀬 生聖 選手が、パスを受けるのではなく、こぼれ球に備えたポジショニングやDFラインの手前に位置することで、FC大阪のDF陣に、ポジショニングで、警戒されることで、クロスをより効果的なものとしていました。
ただ、横風ということで、DF側が対応し難いクロスにもなっていたことも大きかったかもしれないですが、競り合う際に接触プレーが多かったのは気になっていました。
そのため、少し危ないシーンが多くなっていたものの、体をぶつけるのではなく、あくまで落下点に入るプレーであったので、なんとか警告対象にならずに済んだというか怪我に繋がらなくて良かった。そう考えると、ここの精度を上げていくことで、接触をなくしていくことで、ファールもリスクも減らし、得点に繋げていきたいところ。
3、ポジティブチャレンジサッカー~未来へのアシスト~
風下となった後半に入ってもテゲバペースで試合は、推移した。浮き球のパスは、クロスやクリアが多く、繋ぐ時とリスクを避けて蹴りだす判断の徹底で来ていて、その判断も比較的安定していた。
そのため、FC大阪は、なかなか攻めることができず、得意のセットプレーの回数を伸ばすことをテゲバは許さなかった。そういったFC大阪とは対称的にテゲバのゴールテゲコンビの左サイドを任されている44番 井上 怜 選手の何気ないプレーで、後ろ向きのベクトルからビックチャンスとなる前向きのプレーへと変わった。
https://youtu.be/NneDuQ9PXew?si=eYchKJxRJ708buxg&t=164
前を向くため、急展開のターンをしたため、バランスを崩すが、逆にFC岐阜の選手が、取れると足を伸ばしたところを、少し前に蹴りだして、今度は急加速して一気にサイドを駆け上がった。
DFラインの選手を、ボールを持っている44番 井上 怜 選手に対応に回ってきた背後のスペースへ44番 井上 怜 選手が、左足でスルーパス。絶妙なコースとバックスピンで、ライン際で止まるようなボールから、18番 吉澤 柊 選手が、中を観るとグラウンダーのマイナスの高速クロスを入れる。
その先で、待っていた18番 高瀬 生聖 選手が、J初ゴールを決めて、これが決勝点となった。その後も終了間際にクリエイティブカウンターで、決定機を何度も作ったが、FC大阪のGKの1番 永井 建成 選手の意地のビッグセーブ連発で、追加点は阻まれる。
最後は、ゴール前のシーンで、フリーになったように見えたが、15番 辻岡 佑真 選手が、魂のスライディングブロックで、シュートをブロックした所で試合終了。
https://youtu.be/NneDuQ9PXew?si=sYhgz0diDdVq3BLe&t=297
最後のピンチのように、しっかり守り切るという意識だけではなく、追加点を狙う積極的な姿勢。これこそ、テゲバの強さではないでしょうか。そして、この姿勢は、未来への勝利や栄光へと繋がっていることは間違いない。
ポジティブチャレンジサッカー~未来へのアシスト~
4、新たな選択肢と可能性~目標~
この試合では、42番 永長 鷹虎 選手が、投入したタイミングで、20番 阿野 真拓 選手をトップ下とする4-2-3-1をテストした時間帯がありましたが、あまり機能していなかったというか、前からのプレスをかけていくという観点で、パワー不足であったので、改良の余地がありそうな形に感じました。
・FC大阪戦のMOMアンケート
今回は活躍した選手ではなく、主軸選手に代わって出場した選手中心に語りたい。
・18番 吉澤 柊 選手
18番 吉澤 柊 選手ですが、私は今季最も長い時間プレーする姿をみることができました。58番 武 颯 選手と11番 橋本 啓吾 選手のような力強さこそないですが、本文でも触れた通りDFラインの裏に飛び出すスピードであったり、その意識の高さが印象的でした。
アシストのシーンはまさに、そういった持ち味が出た抜け出しであったと思います。いつもの2トップであれば、高さや強さで収めるという懐の深さで、押し込む形を作りますが、18番 吉澤 柊 選手であれば、スピードや運動量で、プレスとフリーランで、攻守でいい形を作っていく。そういった特徴が出せたことで、先制点からの勝利に繋がったと思います。
今後の有力な選択肢になりえる活躍であったと思いますので、次節以降の活躍が楽しみですね。
・27番 渡邊 星来 選手
スムーズな流れからの力強いシュートはとても印象的でした。良く若い選手に、粗削りという表現を使いますが、そういった印象は抱かなかったですし、リードでプレーし易かったとはいえ、出場を重ねていけば、大化けしそうな雰囲気が漂っていました。
流石に、スタートから出て同じプレーは難しいかもしれませんが、11番 橋本 啓吾 選手も1年目から活躍していましたし、そういった活躍も十分あるかもしれません。
ただ、高さという面で、そこをチームでどうカバーしていくかという観点もありますが、出場機会があれば、27番 渡邊 星来 選手も、また観てみたいですね。
・34番 遠藤 光 選手
今節は、CBでの出場となりました。高さという面では不安はありましたが、自由を奪う、前を向かせない守備というのは、上手く機能していたように映りました。
この守り方は、ボランチでのプレーで多いと思いますので、押し込まれた中で、この守り方で、どこまでできるかは気になりますが、全般的には、それを許さない守りへの貢献度は高かったと思います。
試合としては、守る時間帯というのは、短かったと思いますので、もっと見てみたいと思う反面、やはりボランチでみたいという気持ちが強いですね。
・19番 高瀬 生聖 選手
この試合の決勝点を決めた19番 高瀬 生聖 選手。18番 吉澤 柊 選手との関係性が良かったように映りました。明確に1トップに見える時間帯と2トップにも見える時間帯。
状況によってポジショニングを変えていましたし、普段の練習通り上手く連動して動けていたと思います。ゴールにしても、あそこに来ると予測して、動いていたことで生まれた得点でした。
メンバーをある程度、固定していた中でも、誰が出ても良い状態でプレーできるという準備ができていたことが分かった試合となりました。
14番 五月田 星矢 選手や5番 坂井 駿也 選手も、得点に迫るプレーもありましたし、チームとしての底力というか、総合力の高さを示せた試合であったと思います。
・公式コメント考察
テゲバジャーロ宮崎公式HP
試合結果 明治安田J3リーグ 第34節【vsFC大阪】
より一部引用
URL:https://www.tegevajaro.com/news/results/89031.html
・最後に
残留が、現実的に見えてきましたし、確定させた上で、最後の試合で、あの可能性が残っていたらと密かに期待しています。口には、出せないですが、可能性がある限り、信じて応援したいですね。
最後まで、読んで下さりありがとうございました。
18人+αの重要性を感じた勝利~適材適所~ 〆
文章・図=杉野 雅昭
text・figure=Masaaki Sugino
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