2023ファジアーノ岡山にフォーカス3「選手名鑑23~Next challenge~(DF編ー前編)」
22~23シーズンにファジに関わった選手(監督)に贈るエール(期待したいこと)を言葉に籠めて文章としたい。23シーズンに向けて、サッカーの魅力をファジの魅力を全てのファジアーノ岡山ファミリー、サッカーファミリーに届けたい。サッカーで、ファジで、喜怒哀楽を共有したい。サッカーは、最高だ。ファジアーノ岡山は最高だ。感謝の気持ちから皆さんに捧げる「選手名鑑23」。今回は、DF編です。よろしくお願いいたします。
DF編ー後編は、こちら(別記事)。
URL:https://note.com/suginote/n/n79f5fb21291e
①『 いてほしいところへ~涼風のよう~ 』
岡山のSBと言えば、加地 亮や田所 諒、澤口 雅彦といったハードワークの象徴と言える選手が多かった。廣木 雄磨もそのタイプの選手の一人だ。
運動量が武器のSBの中でも廣木 雄磨は、気が利くタイプのSBで、献身性が高い。左右のどちらでもできて、SHの選手の近くで上手くポジションを取る事ができる。
攻撃の時には、パスでの崩しのフォローできる位置にしっかりポジションをとり、守備ではしっかりスペースをケアできる選手であった。
しかし、木山ファジになって、チームの重心が前になる中で、運動量+α(特に攻撃)がより高いレベルで求められるようになった。怪我の影響もあったかもしれないが、サッカーの転換と共に出場機会は少なくなっていた。
そういった背景もあり、22シーズン限りでの契約満了が発表された。J2~J3での新天地が予想されたが、新天地は、オーストラリアのクラブに決まり、多くの岡山サポーターが、驚かされた。
廣木選手は、noteの記事も投稿されているので、今後は、オーストラリアでの挑戦の様子が伝わってくるかもしれない。
運動量が武器ということもあり、サッカー人生もハードワーク。限られたプロ選手としてプレーできる期間の中で、海外を経験することで、人としてもより成長できるはずだ。
22シーズンは、外国籍選手が多く、その影響を受けたのかもしれないが、やはり異文化に触れる事で、刺激を受ける事は間違いない。その際には、山口や岡山で培った経験を新天地で活かしての活躍を期待したい。
②『 勝負の前傾姿勢~下から上へ~ 』
練習見学で、彼のプレーを見たが、前傾姿勢のような姿勢で、ドリブルを仕掛ける。癖なのかもしれないが、そうすることで、彼のプレーの質が良くなるのかもしれない。
新体制発表会の印象は、優しそうで落ち着いたような雰囲気の印象を持ったが、その中に、しっかり自分を持っているようにも映った。
心強く、嬉しく感じた言葉が高木 友也の口から発せられた。「嬉しかった」という言葉に抵抗を感じる色々な想いが残ったプレーオフで岡山が敗退。岡山への加入の声をかけられていた高木 友也。まだ、正式に23シーズンに何処でプレーするのか決めていなかった段階にも関わらず、高木 友也には「悔しい」という感情が生じた。その気持ちが生まれた事で、ファジアーノ岡山の高木 友也は誕生した。
新体制発表会で、左サイドからの攻撃の数値が悪かった中で、高木 友也に白羽の矢が立った訳だが、当然、彼に求められるものはかなり大きい。
間違いなく、左サイドからのクロスの回数や成功回数、アシスト数の少なさが課題であった岡山に新たな選択肢を生み出す事ができる選手で、左サイドの河野 諒祐の様な活躍を個人的には期待している。
守備が課題とのことであるが、岡山は「守備」と「バランス」に重点を置いたサッカーではなく、「攻撃」を軸に闘うチームだ。岡山にとって最も大事な要素は攻撃で、高木 友也が存在感を示してくれるだろう。
自陣からのオーバーラップで相手陣地に向かって行き、勝利を呼び込むプレー。それが彼に求められるプレーであり、一番見てみたいプレーである。
彼の姿勢が、代名詞となるような活躍に期待したい。
③『 奪う権利への回顧~自由へ~ 』
ルーキー一年目の阿部 海人。彼は開幕スタメンを勝ち取った。これは実力で勝ち取ったもので、実際にキャンプや練習試合で、エース格の選手の自由を奪い相手を抑え込むプレーが非常に巧い選手であった。阿部 海人のプレーを初めて観た時には、将来の岡山を背負う選手に成り得る選手ではないか?そういった期待を抱いた。
初得点もその後に決めた阿部 海人であったが、次第に出場機会を失って行く。結局1年目は、リーグ戦で7試合1得点に終わった。2年目以降は、怪我で離脱する期間やCBではなくSBなどでの出場が増えて、レギュラーを勝ち取ることはできなかった。
22シーズンは3番を背負い勝負のシーズンと位置付けて、1年間出場を目指して戦ったが、最後まで厚い壁を破る事ができなかった。
決して長いとはいえないであろうサッカー選手としての選手生命。期限付き移籍ではあるが、秋田での挑戦を決めた。デビューしてからここまで、悔しい気持ちが強かったシーズンが多かったであろう阿部 海人。実戦から長く遠ざかることで、彼の持ち味や自信も失われていた。1年目に見せたような力強い守備や粘り強い守備が影を潜めていた。
それでも彼は武器を磨き続けていた。限られた出場した試合では、積極的にフィードを狙う阿部 海人。しかし、一番の武器の守備の内容が良くなかった。阿部 海人が出場した試合では、複数失点も多く、CBとして、SBとして、「守備」での信頼を最後まで掴めなかった。
しかし、私は見てみたい。各クラブのエース級の選手を抑えて、ボール奪取後に彼が磨いてきた右足での正確なフィードで、守備から攻撃に素早く切り替えて、勝利に貢献する阿部 海人を。彼ならできる。そう信じている。
本当は、岡山で見たかった活躍であるが、やはり良い選手が、良いプレーをする姿を見たい。とにかく見たい。それが、岡山に在籍した選手であれば、よりそういった気持ちは強くなる。
「いつか岡山に戻って来て欲しい。」という気持ちも強いが、それ以上に、活躍する姿が見たい。彼ならできる。そう信じて、岡山サポーターの1人として応援したい。
道を切り開く阿部 海人の活躍がみたい。
④『 表情に隠された鋭き眼光~輝く魂~ 』
岡山を代表するCBの1人と言っても過言ではない。それが濱田 水輝である。主軸もしくは準主軸として活躍してきた。木山ファジになっても精神的支柱の1人である副キャプテンとして、昇格を目指すチームを支える。
現在、32歳とチームの中でもベテラン選手という位置付けである。それでも濱田 水輝が、岡山の戦力として必要とされる理由は、止まらない成長にある。濱田 水輝の武器は、体格を活かした空中戦や強い守備にあったが、そこに高い集中力を活かした丁寧な攻守のプレーにより磨きがかかっている。
確かにフィジカル面、特にアジリティやスピードという部分でのキレは、若い時ほどはないかもしれないが、依然として、力強い守備は健在である。J2もレベルも上がり、完封することは流石に難しくなっている中で、的確なポジショニングと的確な判断で、攻撃の芽を潰すことができる守備は、秀逸である。
また、セットプレーでの少ない出場機会の中でもしっかり合わせるだけではなく、枠内に飛ばす技術にも磨きがかかっている。これは、多くの出場機会で培ったメンタル面による部分が大きいのではないかと筆者は、感じている。
恐らく、味方選手と相手選手の状況を自然と頭の中で整理し、絶妙なタイミングで、マークを掻い潜り、ヘッディングシュートを放てている。22シーズンもセットプレーの存在感は、際立っていて、1得点のみであったが、あと少しというシーンも多かった。
ビルトアップでも足下の巧い若い選手には、技術で負けていても、経験で補い的確なビルドアップができるようになってきている。
新加入の選手が加わり、全体のレベルが上がる中でも長いシーズンの中で、濱田 水輝の存在は大きな意味を持つ。流暢な英会話も外国籍とのコミュニケーションもできることで、他の選手との橋渡し役も期待できる。
チームとして、23シーズンも重要な役割を担う選手であり、冷静なプレー、冷静な言葉とは裏腹に、彼の気持ちは熱く、プレーに魂を乗せる事で、より輝きを増している。今季も彼のプレー、彼の言葉は、チームを助ける。
濱田 水輝のプレーの安定感は年々高まり、輝きを増している。
⑤『 夢のために大きく高く~刻まれた覚悟~ 』
今季からキャプテンを任された柳 育崇。契約更新前に岡山の公式YouTubeチャンネルで公開された特集から普段みることができない柳 育崇を知る事ができる。
柳 育崇の選手としての一番の魅力は、空中戦の強さである。対人守備や得点力のあるCBが多く居た中で、間違いなく攻守での空中戦に一番強い。今季は、ソロモンが加わった中で、練習の中で対戦する中で、より武器として攻守で磨きがかかる。
そして、得点した選手を強く手で叩いて喜びを爆発させるのが柳 育崇 式の喜びの伝え方である。誤解しそうにはなるが、彼にとって、喜びを抑えられない。つまり、喜びをストレートに伝えたい。そこに彼の行動の全てがそこにあるように筆者は感じた。
また、同時に気持ちを全身を使って表現して、気持ちを「消化」させることで、気持ちを切り替える意味もあるのではないかと感じる。切り替えが苦手と語っていた柳 育崇。悪いプレーだけではなく、良いプレーにもしっかり気持ちを「消化」させないと冷静なプレーはできない。
全力を出すときに、メンタルの状態というのは、プレーに関与する。失敗すると萎縮して、パフォーマンスが落ちる事は良くあるが、褒められても逆に緊張して、パフォーマンスが落ちる事もある。
良い状態を90分間維持するためには、感情を巧くコントロールする必要がある。平常心をいかにして保つのか。彼の一挙手一投足から、その難しさを感じる。
逆を言えば、柳 育崇には、裏がないのかもしれない。感情が表にでるというよりは、隠せない選手である。外国籍選手のように冷静さを失うというよりは、隠す事ができないという意味合いの方が強い。
だからこそ、相手に柳 育崇の気持ちは伝わる。彼がキャプテンを任された理由。それは、ファジカラーである「真面目さ」ではないだろうか?
ファジアーノ岡山というチームの感情は、柳 育崇を観ていると伝わって来る。嬉しい時には全力で喜び。悔しい時には不甲斐なさを隠せず落胆する。失敗した時には動揺を隠せない。自然な事だが、柳 育崇を観ていると、何をすべきか、チームがどういった状況かが見えてくる。
柳 育崇というキャプテンは、プレーや言葉で引っ張るタイプではなく、チームとして1つになる原動力となるキャプテンになるのではないだろうか?
柳 育崇を見て、「このまま行ける」、「このままでは駄目だ」、「ココロヒトツニにしないと」などの感情が、自然と起きる。彼が、サッカーに対して、選手や監督、サポーターに対して、1人の人に対して、誠実に真面目に向き合ってるからこそ、こういった感情が観ていて起きる選手である。
私はそれが柳 育崇がキャプテンである理由のように感じた。
今季も柳 育崇の喜ぶ姿が見たい。体こそ大きいが、サッカーボールを追いかける純真無垢のサッカー少年のような柳 育崇がそこにいる。今季も柳 育崇 とサッカーを楽しみたい。
柳 育崇がサッカーと向き合うことで、チームは自然と正しい方向にベクトルを向ける事ができる。
自然体のキャプテン。それが柳 育崇だ。
⑥『 やるべきことをやる~虎視眈々~ 』
河野 諒祐は、まさに職人である。奇麗な軌道のクロスとプレースキック。一時期は、アシスト1位の時期もあった。岡山の右サイドの攻撃を引っ張る攻撃のスペシャリスト。
彼は、長い距離を走った後でもクロス精度が落ちない。長い距離を走った後なので、当然きついはずであるが、奇麗な軌道のクロスをあげることができる。
守備は、得意な選手でないかもしれないが、チームとして巧くカバーして、彼を攻撃に集中させること。それは、ファジアーノ岡山で共有されている。
彼がフリーで、ボールを受けた時の期待感。監督、選手、サポーターの信頼は、絶大であった。岡山のパスの選択先の優先度は極めて高かった。
象徴的なのがスペースへのパスの成功率だ。河野 諒祐であれば、そこへ走って受けてくれる。河野 諒祐からすれば、そこにパスが出てくる。出し手と受け手の関係性を22シーズン最も感じた選手である。
23シーズンも受け手として、受けるスペースやポイントを探し、出し手としては、空いているスペースへとクロスを入れて行き、空いているポイントに合わせる。
そういったシーンが、1つでも多くできれば、今季も多くの得点に絡む事は可能な筈である。
今季も彼の芸術的なクロスからのゴールに期待したい。
文章=杉野 雅昭
text=Masaaki Sugino
選手名鑑23
監督編は、こちら(別記事)。
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GK編は、こちら(別記事)。
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DF編ー後編は、こちら(別記事)。
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ファジ造語2023
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