2022ファジアーノ岡山にフォーカス25 岩手 vs 岡山「一歩一秒の攻防」

2022 J2 30節
いわてグルージャ盛岡 vs ファジアーノ岡山
『 一歩一秒の攻防 』

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 一巡目の対戦では、1点目を巡る激しいデュエルの応酬となったが、この試合では、PKを皮きりに両チーム合わせて4得点のスコアが動く試合となった。内容を見ても両チーム多くの決定機があり、スコア以上に厳しかった試合を振り返っていく。

※注釈:見易さの観点で、いわてグルージャ盛岡に関しては、「いわて・盛岡」ではなく「岩手」という表記で統一しています。※

1、エンジン(円陣)


 この試合は、DAZNで観戦。メンバー発表が迫るキックオフの2時間前になると落ち着かなくなる。ホームであれば、スタジアムグルメや駐車場などでバタバタすることもあるが、DAZNの時は、落ち着いて待てる。そして、スタメンのメンバーを見て驚いた。前節に引き分けたことで、そろそろ弄って来るかもしれないとは思っていたが、しっかり前進するこれまでの私のサッカー観での直感のはるか上を行く木山采配。予測不可の挑戦志向。スタメン予想や試合での交代予想が外れた直後は少し恥ずかしいが、その意図やその起用の効果が出た時には、喜びに変わる。木山監督のこの采配が活きる戦力をJ2で、整えることを可能としたファジアーノ岡山ファミリー(選手からサポーターまでの関係者を含めた全ての方)には、感謝の気持ちしかない。

 岩手の地「いわぎんスタジアム」での公式戦は、岡山にとって初めてである。J1に昇格できれば、そういった多くの初めての経験が岡山にも待っているが、岩手もまたその夢を楽しんでいるに違いない。試合が終わった時の順位こそ19位と、苦しい立ち位置であるが、メンバーを見てみると、やりたいサッカーと選手がマッチしており、十分来季もJ2で戦える可能性を秘めている。J1とJ2の差は、分配金とメディア露出の面では大きいが、サッカーに関する環境は、VARという差ぐらいである。一方で、J3は、現段階ではあらゆる面で、厳しいものがある。だからこそそこを勝ち抜いたチームも強く、J2残留に向けて各チームが、限界を越えて力を伸ばし残留を目指す。その結果、今のJ2の魔境が生まれた。少し前の二桁まで至る大型連勝は、簡単ではないリーグとなり、大混戦に拍車がかかり、まさに魔境となってきている。

 岩手のメンバーであるが、岡山サポーターにとって、気になるのは岡山県出身の選手である22奥山 洋平と36小野田 将人であり、中継でも岡山との対戦を楽しみにしていたという紹介がされていた。岡山出身の選手はまだまだ少ないが、元岡山の選手に決められるという試合も増えてきた。この試合では、その22奥山 洋平が、ゴールを決めた。岐阜にいた難波 宏明にも良く決められた記憶が残っている。22佐野 航大と同じ番号の22番を奥山 洋平が背負っていることを考えると、岡山出身の選手にとって、22番は、特別な番号になることもあるかもしれない。

 また、岩手には、27オタボー、10クリスティアーノ、11ブレンネルという強力な外国籍選手を擁している。J2を見渡しても主軸を担える強力な外国籍選手が、J2にも増えてきている。岡山にも、23ヨルディ・バイス、15ミッチェル・デューク、7チアゴ・アウベス、9ハン・イグォン、8ステファン・ムークという強力な助っ人外国籍選手がいる。

 岩手には、所謂スター選手と言われるような実績豊富な選手こそ少ないが、秋田スタイルのように、セットプレーを武器にしているような屈強な選手が揃っている。こういったチームカラーが編成でも滲み出てくる。

 一方で、岡山のメンバーは、最初からロケットスタートができるメンバーで、この試合に臨んだ。昇格組の岩手に対して、ホームとアウェイでの連敗を避けたいという気持ちと、J1昇格へ向けての強い覚悟を感じる。

 7チアゴ・アウベスと15ミッチェル・デュークの共存は、度々トライして来た形だが、久々のスタメンでの同時起用。ハーフタイムでの交代が続いていた9ハン・イグォンが、スタメンから外れた。3バックでのスタートも考えられたが、22佐野 航大を左SHに回しての4-4-2であった。後の選手は、不動となりつつあるいつものメンバー。

 リザーブメンバーには、38永井 龍が、加入後初のメンバー入り。どういった活躍をするかに注目が集まっていた。6喜山 康平に続いて、11宮崎 智彦もメンバーからついに外れた。チームの出場機会を巡る競争は、熾烈を極めている。開幕直後は、スーパーサブとして出場機会を掴んでいた39白井 陽斗なども今ではメンバー外となっている。

 両チーム選ばれた11人が、円陣となり、勝利に向けて気持ちのエンジンを点火した始まった試合を振り返っていく。

2、サッカーの本質


 今までの岡山は、90分間ハードワークして、全員守備全員攻撃で、1つでも多くのチャンスを作って、ピンチの芽を摘む。選手の技術の質の部分より、この真面目さが評価されてきた。その中で、エースと呼ばれる選手が1人いて、昨季であれば、上門 知樹が決める形が基本スタイルであった。最終的に、石毛 秀樹や李 勇載や、15ミッチェル・デュークといったタレントが、揃ったことで、得点力が上がったが、点の取り合いではなく、1点も守り切る試合が多く、その1点を決めるのが、難しい試合も続き、引き分けが多かった。その苦しさが示す42試合で40得点であった有馬ファジを、木山ファジは、30節終了時点で、41点に到達して越えたことで、チームの成長を強く感じた。この変化は、岩手との勝負を分ける事となった。

 岡山は、4-4-2のオーソドックスな形であったが、前から嵌めて行く守備強度の高さが売りであるが、岩手は、その守備を受けるのではなく、避ける選択。つまり、ロングパスを多めにした前線(縦)に入れて行く事で、セカンドボールの回収からのフィジカルを活かしてのミドルシュートでの得点や、そのミドルシュートでのセットプレーからの得点を狙っているのは、明らかであった。

 そのためキックオフから20分ぐらいまでは、岩手のやりたいサッカーができていた。ただ、岡山もCBに5柳 育崇や23ヨルディ・バイスといった高くて強い選手が揃っていて、簡単に主導権を渡さず、ゴール前に壁を形成した。セカンドボールの回収も26本山 遥を中心に粘り強く対応した。

 あわやというシーンを何度か作られそうになったが、対応することができた。ただ、その形は、岡山も採用していた形で、今季は、7チアゴ・アウベスの高い決定力の選手と、プレー強度の高い15ミッチェル・デュークの軸となるストライカーが揃っていて、この試合に関しては、同時起用なので、より強力である。

 試合もまさにそのスペシャルな助っ人外国籍選手である7チアゴ・アウベスが、6甲斐 健太郎のクリアが中途半端になったのを見逃さず、裏へ抜け出しかけた所を36小野田 将人が懸命に足を伸ばして、クリアを試みた。結果的に、7チアゴ・アウベスが先に触ってから足が当たった事で、7チアゴ・アウベスがペナルティエリア内で倒れて、ファールを貰いPK獲得。このPKを7チアゴ・アウベスは、バーに当てながらもしっかり決めきったが、バーに当たったので苦笑いの7チアゴ・アウベス。しかし、実はファールを犯した位置が、PKであるのかFKなのかは、微妙な所ではあって、FKでも不思議ではなく、岡山としてはラッキーなPKの獲得であり、岩手とすれば、不運PKであった。

 この先制点により、岩手が、前半でペース配分するのではなく、攻めのペースを継続する必要がある中で、岡山が、その隙をついて追加点を奪うことができた。27河井 陽介のサイドのスペースへのロングパスからであった。6甲斐 健太郎が先に触って、クリアしかけたように映ったが、7チアゴ・アウベスが遮りそのままマイボールにして、ライン際まで高速ドリブルで運ぶと、そこからニアサイドに利き足とは逆の右足で、グラウンダーの高速クロスを入れ、15ミッチェル・デュークは抑えるを意識したというシュートを足で押し込んで、GKの股下か脇を通ったかの判断が、スローでも目視が難しいシュートがネットを揺らして、追加点に成功。

 ありそうで無かった7チアゴ・アウベスから15ミッチェル・デュークのゴールのアシスト。ここ数試合では、15ミッチェル・デュークが空中戦に競り勝って、7チアゴ・アウベスが裏へ抜けかけるシーンを含めて、良い関係を構築できている。

 その後も岡山が強力2トップを軸に主導権を握りかけたが、前半の41分にロングスローのセカンドボールに対して、競り合った16河野 諒祐が空振りすると、49中野 雅臣がドリブル突破を始める。22佐野 航大が後に足を伸ばしてそれを一度は阻むも毀れ球に勢いがあったことで、26本山 遥が収めきれず、再び49中野 雅臣とのデュエルとなった。デュエルの位置と体格で勝る49中野 雅臣が、26本山 遥を吹き飛ばすと前を向く。49中野 雅臣の正面には、3選手が立ち塞がる。この時一番前にいた39中野 雅臣の突破と後方の近くの選手を警戒するあまり、逆サイドの後方から来る選手へのケアが疎かになってしまった。そこに走り込んだ22奥山 洋平に100点満点のスルーパスが、49中野 雅臣から出ると一気に加速して、ペナルティエリア内に侵入。焦らずボールを止めて、GKの反応がどうしてもし辛い動きが止まったタイミングを狙って、22奥山 洋平が股下を抜く技有りシュートを放ち、これが股下を抜けて、ゴールに吸い込まれていき、1点返されてしまった。

 これで、新潟戦の島田 譲と伊藤 涼太郎に続いて、元岡山の選手や、岡山に縁のある選手に得点を決められて、難しいスコアとなった所で、前半終了した。

 前半から続く両チームの攻防は、後半も一進一退で、記録には残らないビックチャンスやバーに当たるシーンなどが何度もあった。その中で、同点に追いつきたい岩手の重心が前にある中で、23ヨルディ・バイスの左足での一本のロングフィードで、その岩手の背後のスペースを突く事に成功し、フリーでゴール前まで侵入できた7チアゴ・アウベスが強烈な左足でのシュートを放ち、岩手のGK19松山 健太の手の先を通過して決まった。

 その後も両チームチャンスがあったが、決めきれずそのまま1-3で岡山が逃げ切った。ただ、岩手側からすると、内容で負けるどころか勝てた部分もあり、岡山に対して戦えたという一定の手応えもあったと思うが、最後のゴール前の質の部分で、こういったスコアになってしまった。岩手に多かったシュートシーンで、バーに当たった精度が少し内側であれば、決まっていても不思議ではない。その1センチでも内側に蹴るための攻防と、外側に蹴らせる攻防の90分間はとても激しかったが、最後の質の部分で、岡山が僅かに上回った。

 勝負を分けたのは、この試合に関してだけ言えば、選手の質であったが、逆になることももちろんある。それ故に、サッカーで勝つためには、何が必要であるか、考えさせられる試合ともなった。

3、2巡目の怖さ


 岡山が、先制した。これによって、ややオープンな展開や内容になった側面こそ否定できないが、継続性と夏場の補強により、チームとして総合力が上がったことで、両チームが攻め合う展開となり、この試合では、例え岡山が、一巡目の戦いで先制したとしても、一巡目の時の岡山は、ロングパスでのカウンタ―が多く、連動性のある攻撃というのは、攻め合うということは、少なくとも岡山にはできなかった可能性が高い。

 実際に、前半戦での引き分けが多く、スコアの動きも少ない試合が多かった。ただ、後半戦(2巡目)になってきた段階で、前へ運ぶ術や連携面で見違えるように良くなった。守備固めの3バックではなく、攻撃型の3バックにも着手。勝ち点1でも価値が大きくなる終盤戦に向けて、結果を重視しつつもトライすべきことはトライし、シーズンを仕上げに入っていることが感じられる木山ファジ。

 一方で、岩手も一時期降格圏に沈んでいたが、脱出に成功した。依然として厳しい状況に変わりないが、前節横浜FCに快勝した通り、自分達の武器を結果に繋げる力もある。もはやJ2には、勝敗に関係する1つの要素が、勝敗を左右する非常にデリケートな魔境と言われる混戦のリーグであり、弱点を減らしつつ武器を伸ばす作業を、様々な方法で各クラブが、競うリーグとなっている。

 武器は多い方が良い。岡山が、序盤から中盤にかけて、上位を維持したことはなく、中位を彷徨うことが多かった岡山のサポだからこそ、その事は強く感じる。本気でJ1を目指す。結果はまだ手にしていないが、内容は日に日に良くなっており、目標の達成に向けて、成長と結果の二面を一面にできた1番目と2番目のクラブ、そして、ある意味で、1番目と2番目の上の0番目(J1の16位に勝利する必要があるため)になったクラブのみ、プレーオフを勝ち抜ける。

 そういった意味で、岩手には、セットプレーという確かな武器と、ロングパスとミドルシュートを織り交ぜた波状攻撃で、セットプレーの機会を作り、そこで得点を決めて、押しきるというサッカーができることをこの試合で感じ、同時に今後の伸び代も感じた。対戦した岡山にとっては、2度目の2点差がついたことで、ある程度、受けを意識した戦い方ができたので、岩手に1点返されたカウンタ―の隙を作る戦い方を避ける事ができたので助かった試合であった。

 繰り返しになるが、バーに当たったシュートが決まっていたらという試合で、2点差でも僅差の試合であったように私は思う。時期が時期だけに、どのクラブに対しても応援していますと、軽々しく口にすることはできないが、選手や監督の現場の人ではない、サポーターというサッカー観戦というコンテンツの1人のユーザー(消費者)に過ぎないが、岩手の強さは、本物であったと感じたと言える。だからこそ自分達のサッカーができていない。迷いがあるから厳しい順位に位置するのではなく、J2のレベルが高いので、今の位置に留まっているのであって、降格圏を脱出するに相応しい実力もクラブである。強くても残留争いに巻き込まれるのが今のJ2。J2の恐ろしさを改めて強く感じる岩手との試合となったが、同時に自分達のサッカーを信じることができなくなったクラブから脱落していく厳しいリーグでもあると感じた。

 この時期になったら、お互いの現状況の目標に向けて、ベストを尽くしましょう。それが唯一岡山サポーターとして言えることである。岡山もJ1昇格に向けての本気の補強を行ったシーズンであり、目標はまだまだ遠く、結果が必要。奇麗ごとを口にすることも躊躇する状況であるが、両クラブの選手と監督への最大限リスペクトと感謝の気持ちを大事にしつつ、残り13試合(再試合を含む)リーグ戦を全力で応援したい。

4、岡山への試合雑感


 38永井 龍への期待が大きかった分、決定機で決めきれなかった事ももちろん残念であったが、スピードやパワーという部分で、他の選手を圧倒するの力を持っているのではないかと思っていたが、岩手の選手が屈強であったとはいえ、そこを出し切れていなかったことで、コンディションやゲーム感が戻ってくれば良くなるのかどうかは、気になった。

 川本 梨誉に代わるストライカーとしての加入であるが、総合力だけ考えると、甲乙つけがたいというのが、正直な所。ただ、ポジショニングやシュートへの運び方は歴戦錬磨で、フィジカル的な強さを前面に出す武器の中で、磨いたストライカーの嗅覚の片鱗は見えた。その点川本 梨誉は、どちらかと言えば、体を張るというよりは、ポストプレーヤーの傍でプレーするトップ下的な適性の高い選手であるという認識であったので、8ステファン・ムークすらメンバー外に追いやってしまう22佐野 航大の台頭の影響を大きく受けた側面は否定できない。

 去年の岡山でのゴールと今年の岡山のゴールを見比べても成長を感じた一方で、川本 梨誉に対する私が感じた潜在能力を引き出し切れなかったのは、木山監督も悔しいとは思うが、群馬で、経験を積んで行く中で、J1に羽ばたいた上門 知樹のように、清水の主軸を担えるストライカーに、岡山のために戦ってくれた川本 梨誉が成長する事に繋がれば、岡山サポーターとして嬉しい。

 本日戦った岩手のライバルである川本 梨誉にエール送る事は、許して欲しい。ただ、岡山サポーターであり、岡山県民である私は、岩手の22奥山 洋平と、36小野田 将人の成功を、岡山の地から心から応援したい。

 そして、岡山でのデビュー戦となった38永井 龍にも私のように他クラブや他県から応援に来られるサポーターの方いらっしゃると思うので、その人たちの期待に応える活躍を、38永井 龍に期待したい。既に15ミッチェル・デュークと7チアゴ・アウベスがスタメンに回れたという効果が出ていて、それだけの大きな期待が38永井 龍にはあるという事であり、応えてくれると、今は信じたい。

文章・図=杉野 雅昭
text・photo=Masaaki Sugino

おまけ

ファジ造語

チアゴ・タイム
7チアゴ・アウベスのプレーの一つ一つにサッカーを楽しむという遊び心があり、そこに技術が伴った左足の凄さを称えて「悪魔の左足」と、呼ばれている。その左足を活かして、何処からでも何時でも狙っていて、7チアゴ・アウベスが出場している時間帯は、岡山の大きな得点源と言える。

本山丸(イメージは真田丸)
 大阪の陣で、大阪城に迫る徳川の軍勢に対して、真田丸は、大阪城の弱点を補う出城として築かれた。23ヨルディ・バイスと5柳 育崇の弱点は、釣り出されたときや、スピードであるが、26本山 遥かが主に、そういった守備対応をすることで、3選手の良さをお互い引き出すことで、守備が安定して、堅守を構築に繋がっている。

参考
2022ファジにデータでフォーカス2
「中盤の真田丸(本山丸)」
2022 J2第2節 岡山 1-1 徳島

レビューは、こちら(別サイト:SPORTERIA)。
URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6905499896963403777

ヤバス要塞
 語呂を意識して、5柳 育崇の「ヤ」と、23ヨルディ・バイスの「バとス」の二文字を抽出して、「ヤバス要塞」と、表現した。防衛において重要な地点の砦。砲台もある砦のことも指す。高い対人守備だけではなく、ロングパスの精度やセットプレーの得点力があり、まさしく要塞と言える。攻守で強みを発揮できる「ヤバス要塞」として、難攻不落を目指す。

梅田アウォール
 ファジの最後の壁。ファイアウォールに比喩した表現。戦術や個の力、連動性といった攻撃で、ゴールを狙ってくる様々な攻撃をシャットアウトする。そして、バックパスの受け手として、フィードや組み立てる一人として、パス交換(情報通信)。後方からの冷静なコーチング(情報の発信)。多くの情報を整理し、最的確な決断ができるGKである1梅田 透吾の良さを表現したファジ造語。

0バックシステム
 攻撃的で積極的なオーバーラップや得点力のあるCBである5柳 育崇や23ヨルディ・バイスのCBの2選手と、SBが本職である26本山 遥といった流動性のあるDFラインを形成することで、攻守において、自由に動くことで、攻守での手厚い状態を作り、数的不利になりがちな局面で、数的有利の攻撃シーンを演出し、守備でも積極的なアクションで、事前にピンチの芽を摘み、流動性から生じる集中力と緊張感から、カバー&フォローで、リズムを作り出す戦術システムのファジ造語。

木山ファジVer1
 2022シーズンの開幕からトライした新システムの4-3-3。超攻撃的なサッカーで、7チアゴ・アウベスを軸とした、自由と個の力を前面に展開していく。選手のコンバートやルーキーの積極起用で、勢いと爆発力があった。攻撃だけではなく、前からの守備でも効果的で、嵌める・奪うから得点に繋げることのできた試合もあった。ただ、対戦チームの対策が進む中で、勝ち点3が遠く、順位を下げて行く中で、4-3-3の戦術的アップデートの一時中断からの路線変更を余儀なくされた。

木山ファジVer2
 10節という節目で採用された4-4-2。4-2-2-1-1とも言える形で、4-2-3-1とも言えるが、ダブルボランチを採用することで、攻守での安定感が高まった。有馬ファジの4-4-2とは違い攻撃的な選手と、ロングパスの得意な選手が多く、速攻を主体として、速さ・強さ・高さを前面に出して、ゴールに出したことで、今季のメンバーに寄せた4-4-2。効果的なサイド攻撃やカウンター攻撃は切れ味鋭く、中央ラインの強固さで、J2屈指の堅守となった。

ヤバスギタ山城
 柳の「ヤ」、バイスの「バ」と「ス」、喜山の「キ(’’)」、堀田と梅田の「タ」、そして本山と喜山の「山」。まさしく攻略の難しい山城。そしてセットプレー=飛び道具が効果的な組み合わせとして、岩政 大樹時代を彷彿させる高さと強さを感じる。今後も色々な選手や形を試して行く中で、より強固にして欲しい。

木山ファジVer2.5α
 現状の個の力に赴きをおいたサッカーに組織力を強化することで、攻守でのより高みを目指す。特に重視するのが、「主導権を握るサッカー」。ただ、現状は、後で回すだけに留まり、プレスを受けてしまうことやパスコースが限定される中で、前線の選手の自由が制限されてしまうことで、パスがカットされたり、ゴールに向かってシュートに行く前に奪われたりと、逆にカウンターを受ける事が多くなってしまっている。もしかすると、別の形を模索することとなるかもしれないが、現状は明確な方向性のサッカーを体現できていない。

木山ファジver3
 前半は、15ミッチェル・デュークを軸としたサッカーを展開し、7チアゴ・アウベスの投入を皮切りに、パスに赴きを置くサッカーに展開して行く中で、22佐野 航大のプレーの変化や15デュークと7チアゴの連携、SBの関与、セットプレーの回数を増やす事で、ゴールに迫るスパークをかけることで、90分間での得点機会増に繋がっている。ただ、自分達が主導権を握るサッカーという点では、依然として課題が残っている。そこを残り約10試合で、カバーできるかどうか。

Wアタックシステム
 3-3-2-2(3-1-4-2)の超攻撃的な布陣。前での1+1≦る人数をかけた攻撃と、終盤での前からの守備の両者を人数をかけることで距離感を近く保ち、連動性のある攻撃と絡みつくような守備で、ゲームの主導権を握る事ができる。課題は、ゲームの〆方。攻撃を得点に繋げ、如何に守備の安定へのカードを切れる展開にできるかが、今後の課題。

筆者紹介

筆者紹介
 某ゲームから野球派からサッカー派へと移籍。当時チーム名が、ジェフユナイテッド市原であった現ジェフユナイテッド千葉に興味を持つ。オシム(監督)と阿部 勇樹(選手)を中心にJリーグと代表をチェックしてきた。2008年より地元クラブであるファジアーノ岡山のサポーターデビュー。そこから、多くのファジの試合を見てきた。忘れることのできないエピソードが年々増え、シーズンを重ねる毎に想いは強く深くなり、2021シーズンは、初めて号泣。心からサッカー好きで、戦術の奥深さや、プレーの凄さなど、サッカーの本質での攻防にフォーカスを当てて、客観性と冷静さを意識した文章を投稿している。そのレビューへと突き動かす原動力は、サッカーへの情熱。熱さと冷静さを兼ね備えたフォーカスを今後も目指して、投稿を目指していくことで、サッカーの魅力の発信と、サッカーを通じた交流による、感動の共有と縁の繋がりが、楽しみ。ただ、たまに調子に乗り過ぎて失敗する悪癖もあるので、治したいとは思っている。そんな私ですが、noteやSNS、スタジアム等で、交流できたら嬉しく思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

代表作

2021ファジアーノ岡山にフォーカス46
J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉
「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」

は、こちら(別記事)。
URL:https://note.com/suginote/n/n511a1b501907

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