2022ファジアーノ岡山にフォーカス30 2022 J2 第34節 岡山 vs 町田(H)『雉プレス』
2022 J2 第34節 (Home)
ファジアーノ岡山 vs FC町田ゼルビア
『雉プレス』
意識と視点を変えるだけでも見えてくるものがある。私は、タイトル画像の垂れ幕があることを知らなかった(正確には、以前からあったかどうかも分からない)。今の状況を加味しても、その垂れ幕をみて、胸の奥から込み上げてくるものがあった。
その私が応援する岡山は、ここ3試合、コロナで、試合に欠場していた一部の選手たち。選手は、試合にでれないことで、もどかしい気持ちであったはずだ。サポーターもあの選手がいればと強く感じていたはずである。しかし、悔しい横浜FC戦の敗戦から、監督、選手、サポーターの一丸になって挑んだ総力戦。その苦しい時に、“秋田一体”の魂を持ち込んだ34輪笠 祐士。攻守で獅子奮迅の活躍を見せて、“岡山一体”で、逆境を跳ね返して、2連勝。試合において、肩書は関係ない。必要なことは、現状の戦える選手の中で、岡山の勝利のためにどれだけ戦えるかどうかだけである。勝利への最善の道を、監督が導き出すことで、成し遂げた2連勝であった。
そして、迎えた町田戦。ついに多くの選手が、コロナから戻ってきた。岡山のやりたいサッカーが、ついに体現できるときがやってきたのだ。“岡山一体”の総力戦であっても厳しい相手。それがFC町田ゼルビアである。プレビューの“天空の城”というタイトルは、視野の広さと技術を備えた町田の選手達のパスワークからボール奪取は難しく、難攻不落の空中要塞という意図で、そういったタイトルにしていた。天空の城は、町田GIONスタジアムの愛称であるが、町田のサッカーがアウェイで展開されることで、天空の城は、そこにも姿を現す。通常のプレスの届かない天空の城に、プレスを届かせることができるのか、それとも空中(ポゼッション)から一方的に、攻められるのか。運命の90分間は、幕を開けた。
2022ファジにデータでフォーカス9
『天空の城の攻城戦@岡山の陣』
2022 J2第34節 岡山 - 町田 プレビュー
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1、羽を纒うプレス
岡山が、町田のポゼッションをどう止めて、どう守るのかという不安と、町田のポゼッションサッカーの凄さを目にしたいという相反する気持ちを抱いて迎えたキックオフ。そういった想いとは、裏腹に予想外の光景が繰り広げられた。岡山のハイプレスが、開始早々から町田の”天空の城"に届いたのである。
町田のビルドアップは後3枚(17高橋 祥平、13菅沼 駿哉、5深津 宏太)で、DHとWBに預けて前に運ぶことから始まる。そこに対して、岡山の2トップの7チアゴ・アウベスと15ミッチェルデュークが、奪いに行く守備とコースを切る守備を使い分けたプレスをかけていくことが岡山の守備の第一段階である。
ここに2列目の4選手が、状況に応じて、このプレスに加わる事で、第二段階へと入る。主に14田中 雄大と、22佐野 航大がFWの一角に見えるほど、町田の最終ラインへのプレスに加わる事が多い。また、27河井 陽介は、周りの選手の動きを見て、攻守のバランスをとる動きを見せる。そして、16河野 諒祐は、後方からインターセプトを常に狙っている。26本山 遥に代わり、AN(アンカー)に入っているのが、34輪笠 祐士で、MF5枚の中で、後方支援に徹する黒子役である。
第三段階では、2列目の選手とANの34輪笠 祐士や最終ラインから前に飛び出して囲い込む守備や挟む守備で、ボールホルダーに襲い掛かっていく。本来であれば、前から厳しくプレスをかけていくと、その背後にスペースができて、そこから速い攻撃を受ける事もあるが、岡山の場合は、前にプレスに行った選手が、再び守備に参加することで、逆に、プレスバックして、プレス(寄せ)に再び参加する選手が増えて、守備強度が高まるのである。
そして、最終ラインには、23ヨルディ・バイスと5柳 育崇が待ち受けることで、対人守備で抑え込むのである。こうして、町田は、なかなか前に運べないだけではなく、GKまで戻すところまで追い込まれて、GKにもプレスがかかることで、GKは、ロングパスを蹴るしかなくなる。この時に、前線に収まれば良いのだが、岡山の屈強なCBが待ち受けており、跳ね返されてしまう事が多くあった。いくら9鄭 大世が、フィジカルの強いCFとはいえ、23ヨルディ・バイスと5柳 育崇の2人相手であると、1人で収めてポストプレーも容易ではない。この試合に欠場した7ドゥドゥの不在の影響は極めて大きかった。
また、シュートを打てたとしても35堀田 大暉(セーブ率1位)が待ち構えている。町田のシュートの多くは、セットプレーのこぼれ球やミドルシュートがどうしても多くなってしまっていたが、それだと、岡山の壁を破るのは、かなり難しくなってしまう。
もちろん、人数が揃わない時は、無理にプレスはかけずに、パスコースやスペースを消す守備で守りを固める時もあることも補足しておきたい。
町田が、その岡山のプレスに面食らって落ち着く前に、岡山が早い時間帯に先制する。ロングスローのクリアボールを回収した27河井 陽介のミドルシュートは、42福井 光輝のファインセーブでバーの角に当たる。このこぼれ球に一人だけ反応していた14田中 雄大。DFの選手が気が付いた時には、時既に遅し、GK42福井 光輝もシュートコースに立ち塞がるが、至近距離から放たれたシュートは、GKの反応を許さず、そのままゴールネットに突き刺さった.。
このゴールに関して、14田中 雄大は、以下のように語っている。
こぼれ球に反応することからシュートまで意識したプレーで、咄嗟のプレーではなく、狙っていた得点であることが、伝わってくる。
その後も岡山が、攻守で主導権を握り、15ミッチェル・デュークのヘッディングシュートや7チアゴ・アウベスのミドルシュートは、何れもバーを叩き、追加点を奪うにいたらなかった。
町田は、10平戸 大貴の右足から繰り出される高精度のクロスから攻撃の形を作るも岡山の高い壁やオフサイドなどもあり、同点や逆転という展開に持ち込むことができなかった。28太田 修介の仕掛けも何度も見られたが、結果に繋がらなかった。
2、雉プレス
今までの岡山のハイプレスは、90分間持続することが難しく、どうしても受け身となる時間帯があった。このハイプレスを軸に7チアゴ・アウベスの決定力や15ミッチェル・デュークの強さというのを武器を前面に出し、攻勢に出た時間で得点を決めて勝利するというのが、この試合前の岡山の勝ち方(筆者はチアゴタイムと表現)であった。
しかし、この試合では、90分間通して、プレス強度がほぼ落ちることなくかけ続けることができた。歴代の岡山を振り返っても、前からこれだけ行けるシーズンはなかった。岡山の代名詞であったハードワークをより高い位置で、実施することで、試合終盤になっても攻撃時には、ゴールに近い所でプレーでき、守備時には、対戦チームに遠くでプレーさせることができる。
やはり、良いパスを出す大きな条件として、パスコースが多くある事と、前を向いてプレーできる事にある。視野が広いとは言っても背負ってのパスを前に出すのは難しく、パスコースがなければ、成功率の低いロングパスや前進できないバックパスと横パスを選択することとなってしまう。
この試合の岡山のハイプレスは、「良いパスを出す事を許さない連動性」と、「90分間ハードワークし続ける運動量」の双方を兼ね備えたファジアーノ岡山しかできない唯一無二のプレスで、「雉プレス(ファジアーノプレス)」と言っても過言ではない。ボールを奪った後のゴールに迫る推進力も併せ持っており、攻守一体のプレスで、攻撃のための守備、守備のための攻撃なのである。
この雉プレスの勢いで、7チアゴ・アウベス→15ミッチェルデュークと繋いで、最後に22佐野 航大がPAでシュートを放ち、これが決まりリードを広げた岡山。
そして、22佐野 航大のホーム初ゴール後に関して、以下のように語っている。
意思疎通が上手くできている事が感じられた。そして、やはり岡山出身という事もあり、特別なゴールであったという事も感じられた。U-19日本代表での活躍にも期待したい。
雉プレスを90分間続けることでの消耗は大きく、後半出場の2トップの9ハン・イグォンと38永井 龍も、試合の終盤にはカウンタ―の時に全速力で走る事ができなくなっていた。また、リードしていたこともあるが、18斎藤 和樹ではなく、9ハン・イグォンと38永井 龍と2トップを組めたことも大きかった。18斎藤 和樹は、キープするプレーは得意であるが、追加点が欲しい時には、逆にブレーキをかけてしまう事があったが、この試合の2トップであれば、シュートまで行く意識と推進力があるので、シュートまで行けるシーンを作り易い。そう考えると、やはり18斎藤 和樹は、ストライカーではなく、ウイングよりの選手であるのだと感じた。
また何故、90分間もハイプレスが可能であったのか?それは、5人交代できるようになったことで、運動量の維持が、過去のシーズンに比べて容易となったことも大きいのではないだろうか?やや涼しくなってきたピッチコンディションも大きいかもしれない。もちろん、木山 隆之監督のチーム作りが巧いこともあるだろう。
では、その5人の交代についても言及していきたい。
岡山の交代履歴
リードが2点に広がった事で、2ボランチにして、奪取力と運動量を高めて、スペースを更に埋める事で、町田の進入を許さない姿勢をより鮮明とする。前節に足を攣った27河井 陽介の負担も考慮しての交代でもある。ただ、26本山 遥は、その後イエローカードを貰ってしまい次節出場停止となってしまった。この出場停止は痛い。
2トップの運動量を維持することで、町田のDFラインの組み立てとラインの押し上げを牽制し、追加点も狙おうという意図が感じられる交代(7チアゴ・アウベスの交代アピールもあった)。ゴールに迫るも追加点を決めれなかったが、可能性を感じた2選手。今後の試合での得点への期待大。
これほどまでに疲れている22佐野 航大は、初めて見た。いつもフル出場の14田中 雄大もこの日は流石に下がった。24成瀬 竣平も44仙波 大志もハードワークを受け継ぐ。この時間に、26本山 遥、24成瀬 竣平、44仙波 大志、9ハン・イグォン、38永井 龍の交代した選手達が走り回る。
こうして、前選手のほぼ全員となる5人を入れ替える事で、ハイプレスとカウンタ―と後方から守備のフォローもあって、90分間走り切った雉プレス。
町田は、雉プレスのパスコースを見つけて、打開を試みていたが、セットプレーやミドルシュート、クロスの攻撃パターンが多く、町田の中に入って、パスで崩していくという攻撃は、最後までなかなかできなかった。
岡山としては、1つの完成形であり、理想系という勝利であった。それは、試合後の町田のランコ・ポポヴィッチ監督の言葉からも感じ取ることができる。
ランコ・ポポヴィッチ監督から自分達(町田)の完敗で、なかなか自分達のサッカー、自分達の良い所を出せなかったという試合であったことが伝わって来る。岡山サポーターとして、これ以上ない嬉しい言葉だが、町田側として、かなり悔しい敗戦であったはずだ。
次項では、町田について言及していきたい。
3、崩さない姿勢
自分達のサッカーができないことと、戦う姿勢を崩さないことは、全くの別問題である。90分間通して、町田は、岡山からどう流れを引き寄せるのか、また流れの悪い中で、どう耐えてチャンスを探すのか、そういった姿勢を崩さず、町田は、戦いきった。
まず、指揮官であるランコ・ポポヴィッチ監督だが、監督として準備し辛い試合で、岡山のメンバーの予想し辛いだけではなく、どういった形(システム)かも予想が難しい試合であった。。開始早々の失点も町田にとっては痛かった。岡山の指揮官である木山 隆之監督もその得点時間帯に関して、以下のように表現している。
再試合の山形戦もそうであったが、早い時間帯での先制点は、リスクを冒さない試合運びが岡山にできる。それが、より町田からすると、隙を探すことが難しくなり、本当に大きな意味を持つ先制点であった。
実は、その先制点の前の流れで、岡山の15ミッチェル・デュークに必要のないボディコンタクトがあった。しっかりカメラに撮られていたが、プレーに関係のないところであったために、審判に見逃されてしまった。その直後のセットプレーの流れで、得点が決まった事で、私は心から得点を喜べないでいた。ただ、多くのサポーターの方にとっては、気が付いていないプレーであり、歓喜に包まれた先制ゴールであったのは、間違いない。
ただ、その後にも揉めるシーンがあったように、岡山のラフプレーと言えるプレーは、J1に昇格後にVARがあることを考えても、減らしていくべきプレーであることは間違いない。こうした激しさもあり、他クラブのサポーターからは、批判の的となっている現実もあるので、この辺り冷静さが求められているところである。
こうした岡山の非紳士的な行為に対して、怒りながらも冷静に抗議の意志表示をした選手もいた。13菅沼 駿哉である。この試合の町田のDFリーダーであり、町田のDFラインの組み立ての核となる選手である。岡山の非紳士的な行為に対して、抗議の意味があったのか、プレーの流れで、地面に倒れていた時に、手を伸ばす7チアゴ・アウベスを手を振りほどいた13菅沼 駿哉。何気ないシーンで,、本来褒められる行為ではないが、私は岡山の非紳士的なプレーに対しての怒りの意思表示の抗議の意味と共に、「負けない」という強い気持ちを感じられた。
その後の表情を見ても、熱くなっているようには見えないし、むしろ冷静さが際立っていて、味方に細かくコーチングしている姿は、印象的であった。岡山は、流れが悪い時に、外国籍選手の安易なラフプレーが散見されることは、岡山サポーターの1人として、選手の気持ちに一定の理解を示しつつも、正当なプレーで、その気持ちを表現して欲しいと感じているサポーターの1人ではある。
この試合に限らず、岡山の外国籍選手が、流れが悪い時に、故意にラフプレーすることが今季は多い。対してこの試合の13菅沼 駿哉のラフプレーに対して怒りの意思表示の行為を出された事は珍しいものの、岡山の選手の行為は、確かに危険なプレーであったので、同じ非紳士的な行為でも、意味は変わって来る。ただ、それだけサッカーとは激しいスポーツであり、接触プレーがどうしても出てくるので、怪我のリスク、下手をすると命の危険もある中で、戦っている。その中で、熱い気持ちがないと戦えないというのもあるのもまた事実であるだろう。
今回は、内容と立場の違う非紳士的なプレーや行為の一幕であったが、これもまたサッカーである。理想は、正当なチャレンジと思いやる気持ちが感じられるフェアプレーで90分両チームが戦いきることであるが、勝敗がかかっている以上、こうした問題はでてきてしまう。ただ、フェアプレー宣言のあった試合でもあり、この辺りを良く考えたい一幕でもあった。
また、ランコ・ポポヴィッチ監督が、1つ1つのプレーに抗議するのを見て、有馬 賢二前監督を思い出した。選手のために熱く声を出し、戦う。この姿勢があれば、選手の気持ちを代弁することで、選手の怒りを抑える事ができ、13菅沼 駿哉のように、気持ちは怒っていても熱くなっていても冷静にプレーできることに繋がっていると感じた。
サッカーの本質の部分で考えた場合には、町田のサッカースタイルのここが良かったというのは、ランコ・ポポヴィッチの試合後コメントのように、あまり表現できなかったので、逆に失礼になるかもしれないが、その中でも前述の精神的に冷静に戦えていた部分だけではなく良かったことはもちろんある。
いつもの町田よりは、恐らく回数は少なかったはずが、縦パスの奇麗に何度も通していた。岡山のプレスを「雉プレス」と、表現したが、その隙を通すパス。しっかり足下につけている。このパスが入った時の攻撃のアクションも早い。岡山は、3バックであるので、人数が揃っている上に、後方からの縦パスなので、人数をかけれないことで、流石にいつものように、パスで崩しきるとまではいかなくても、そこからのクロスのチャンスメークや前線に人数でのパスワーク、ミドルシュート。こういった判断は正確で、岡山もシュートを多く打たれることとなった。
その縦パスを引き出そうと努力していたことが伝わる町田の10平戸 大貴の言葉。
内容的に2-0での完封勝利ではあったが、岡山がシュート15本。町田も10本である。ランコ・ポポヴィッチが、本来のわれわれの姿ではないと表現したサッカーでもこれだけ攻める事ができるのである。たとえそのシュートが、ゴールの可能性の低いシュートであっても、冷静に我慢強く戦いながらシュートを打っていく事で、勝利に繋がるかもしれない。
よく考えて見ると、ポゼッションサッカー自体が、我慢のサッカーである。繋がずにロングパスを蹴りたい。パスで繋げそうだが、シュートを打っていきたい。遠目からだが、背の高い選手がいるのでクロスを入れて行きたい。こういった選択肢がある中で、パスコースを作って、選手が動いて、少しずつ前進していく。冷静さや巧く繋げない中でもしっかり繋いで行くのが、ポゼッションサッカーである。
岡山のサッカーは、組み立てが苦しくなれば、もうロングパスを蹴って15ミッチェルデュークや7チアゴ・アウベスなどの強力2トップでなんとかしてしまおうというサッカーで、23ヨルディ・バイスに関しては、精度も高い。そうした大味なサッカーが、岡山のサッカーである。木山 隆之監督が言われていた"良い"時間帯で、もし、得点が決まらず試合が推移して、町田が粘り強く守っている中で、ミドルシュートやセットプレーで、町田が決めて、町田が勝利した可能性もある。
岡山も苦しみながらも粘り強く守って勝利できた試合もあった事を考えても、紹介した町田の13菅沼 駿哉の怒りたい気持ちを抑えて、抗議はしてもプレーは冷静でフェアに戦い勝利を信じて、戦う姿勢を崩さず、大きな声を出し一緒に戦うランコ・ポポヴィッチ監督と共に、最後まで戦い抜いた。こういった部分に町田の強さを感じた。
岡山サポーターではあるが、自チームの悪い点に関して、指摘しないのは、サッカーを愛するものとして、譲れない点であると同時に、この試合の位置づけや状況で、熱くなる気持ちもまた理解できる。私のできる事は、こうした細かいプレーにもフォーカスを当てて、13菅沼 駿哉が、何故そうした抗議をしたのか、理解できる範囲で、言及することで、もし、お互いにリスペクトし、サッカー楽しむ事ができる両クラブの関係を構築していくことに、レビュアーとしても貢献できていたら嬉しい。
もう一点。町田の岡山対策や細かい守備戦術についても言及しておきたい。
まず、1つ目は、前半のセットプレーで、ランコ・ポポヴィッチ監督が、口笛て吹いて行ったサインプレーのセットプレー。ゴール前の密集地帯の中ではなく、離れた選手をターゲットにしたことで、シュートまで行く事に成功していたデザインされたセットプレーであった。
二つ目は、セットプレーの守備や試合途中から数字を掲示して、マンマークの指示を出していた。町田としては、危険な選手を抑える事と、チームとして隙を作らせない。そういった工夫が感じられた。
セットプレーとクロスからの失点が少ないのは、抑えるべき選手をしっかり抑えてきた細かい対策の賜物であると、強く感じる事ができた。
4、岡山の試合雑感
町田が、ボール保持していた時にDFラインが4バックになっていた時間帯もあった。22佐野 航大と16河野 諒祐が、WBであるが、その役割は似て非なるもの(22佐野 航大は→WB~WG、16河野SB~WBも近いイメージ)であった。両選手の良さを引き出す形と、今まで取り組んで来たことを総動員して、今の形を体現しているということを強く感じられた。この辺りが、41徳元 悠平を左CBの1つの理由でもあることは間違いない。
次節は、22佐野 航大が、代表で一時離脱するため不在となる。3バック継続か、それとも4バックに採用するのか、WB(左SH)に、誰がなるのか。ここは、週末に向けて、ポイントとなる。10宮崎 幾笑や9ハン・イグォン、それとも第3の選択肢の可能性もある。今季の岡山には、“絶対”はなく、誰を起用していくのか注目点の1つである。
U-19日本代表で一時離脱することに関して、22佐野 航大は、以下のように語っている。
22佐野 航大のプレーが化けた代表での経験。今回も一回り大きくなって戻って来て欲しい。もはや、岡山の中心選手の1人と言える選手の離脱となり痛いが、今の岡山であれば、やってくれるのではないかという期待は大きい。
その時に、私は以下のように表現していた。
既に覚醒済みだが、まだまだ伸びる。そう感じる成長を続ける驚異のルーキー。
26本山 遥の出場停止も痛い。2ボランチの形を後半に採用する形も残したいので、27河井 陽介のリザーブスタートの選択肢や14田中 雄大をスライドさせる選択肢も出てくる。34輪笠 祐士がスタメンフル出場に期待する中で、ここもどういったゲームプランを用意していくのか、注目したい。
町田に関しては、今後の結果次第では、再度対戦する可能性もある。この試合に関しては、岡山が攻守の内容で圧倒した試合であったが、残り8試合の戦い方は、様々なことを見据えて、一戦一戦の内容と結果が求められていく事になる。どのチームにも負けない準備をしていくこととはなるが、それは、どのチームも同じである。
最後に、この部分に関する14田中 雄大の言葉と、ホームの印象に触れた34輪笠 祐士の言葉を紹介して、今回のフォーカスを終えたい。最後まで読んで下さり、有難うございました。
5、写真紹介
本文で紹介できなかった写真
終盤戦に向けて、サポーターの拍手や声は、選手の力となる。
もしかすると、視線の先にインタビューを受ける22佐野 航大がいるのかもしれない。
残り8試合の結果次第では、再度対戦する可能性もある。だらこそ気持ちを新たにする町田の選手達。悔しさは、強さの原動力。そして、アウェイの地では、サポーターの力も大きい。
外国籍選手同士が近くにいることが多く、仲の良さを感じる。
手前の選手がエクササイズ・・・?
38永井 龍は、心なしかまだ雰囲気に馴染んでない感じ。得点を決める事で、選手とサポーターとの距離感が、ぐっと縮まって欲しい。
何度もみたい。次も勝ちたい記念撮影。山形との三戦目。ベストメンバーとはいかないもののお互いに水曜の試合よりは、良い選手が揃っている。どういった展開が待っているのか。決まり文句だが、怖いけど楽しみな週末が待っている。ユニフォームTシャツが奇麗。
文章・図・写真=杉野 雅昭
text・figure・Photo=Masaaki Sugino
2022ファジにデータでフォーカス10
『雉プレスの核と力』
2022 J2第34節 岡山 2-0 町田 レビュー
は、こちら(別サイト:SPORTERIA)。
URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6973694932972212225
ファジ造語に、
「雉プレス(ファジアーノプレス)」と、
「木山ファジBEST Ver1」を追加。
アディショナルタイム(おまけ)
ファジ造語
参考
2022ファジにデータでフォーカス2
「中盤の真田丸(本山丸)」
2022 J2第2節 岡山 1-1 徳島 レビュー
は、こちら(別サイト:SPORTERIA)。
URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6905499896963403777
代表作
2021ファジアーノ岡山にフォーカス46
J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉
「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」
は、こちら(別記事)。
URL:https://note.com/suginote/n/n511a1b501907
筆者紹介
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自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。