2022ファジアーノ岡山にフォーカス38 J2 第42節 vs東京ヴェルディ『 先を見据えて 』
2022 J2 第42節 味の素スタジアム
東京ヴェルディ vs ファジアーノ岡山
J2リーグの最終戦は、2-0の完敗に終わった。終盤戦の敗戦をどう捉えるかで、この試合の評価も変わってくる。まず断っておくが、岡山は決して“手を抜いていた”訳では無い。モチベーションの部分での違いこそあるが、“戦い方を変更した”上で、全力で戦っている。
その結果の2-0という結果であって、チーム状況によっては、岡山が勝利できた可能性も充分考えられる。
試合のテーマは、昇格争いをしているチームであれば、勝ち点3。消化試合(テーマ設定の難しい試合)のチームであれば、一つでも上の順位で来季に繋げるといった感じに、状況や立場によって変わってくる。
全てのチームが、負けない戦い方をするわけではなく、勝ち点3しか狙わないチームもある。そういったゲームテーマの延長の先に試合結果がある。
今回のレビューでは、岡山の狙いや収穫(課題)を読み解いていく。
1、組み合わせ
まず試合を見ていく中で、多くの方がメンバーから入り、フォーメーションを予想していくことから試合に入っていく。分かり難いかと思うが、実は、3-1-4-2でもなく3-4-2-1でもない形を、この試合では、岡山は採用している。
9ハン・イグォンと7チアゴ・アウベスの2トップの下に8ステファン・ムークの外国籍トリオを並べる形を今季初めて採用している。23ヨルディ・バイスが、ほぼ出場していたことで、ゲームプラン(90分間)で考えると、こういった選択肢の優先度は低くなりがちであったため、今までは採用してこなかった。
その3トップに近い前線に対して、4バックと3バックの可変式である3-1-4-2の形の意識を残しつつも、4-3-1-2(中盤がダイヤモンド)の形を採用しているように見えた。3-1-4-2は、岡山の矢(三本の矢)であるサイドの選手の起用の工夫、木山マジックの一つが強力であったことで、両サイドを2人の選手を軸に崩していくというより、選手の武器を最大限活かしていく戦い方を中盤から終盤戦にかけて採用してきた。
勝ち点3が求められる中で、試し難く、常に100%や120%の実力を引きだそうとすることで、結果を出すことに注力せざる得なかった。早く言えば、岡山が終盤戦に向けて、無理をしていた部分は、否定できない。
試合であれば、90分間。J2のリーグ戦であれば、42試合でペース配分していくこととなる。長ければ長いほど、そのコントロールは、難しくなる。人間であるので、機械のように正確にできるわけがなく、調子が上下してしまうことやペースを落とすこともある。調子が悪い時やペース配分をしていくことを手を抜いているとは言わない。
サポーター目線だとそう感じてしまうのは、否定できないが、マラソンをイメージして頂けると、より分かりやすいかもしれない。ゴールしたときのタイムで、最終的な優劣がつけられるように、この試合の敗戦での課題や収穫をサッカーに落とし込み、プレーオフを戦った結果が、どうであったのかという部分で、この結果と内容が、非常に大きな成果に繋がる可能性もある。
また、この試合に、東京Vが鮮明に勝ちに来行く姿勢を前面に出していたことで、岡山とメンバー的には80%と言われても仕方ないが、テストの意味が強くても、このメンバーは、100%で戦っていて、東京Vの勝利は、当然ながら東京Vが強かったからである。岡山としてまだまだ改善すべき点が、多く出た試合の一つなった。消化試合にありがちな引退する選手や満了になった選手を起用することなく、岡山をリスペクトして戦って下さったことには、感謝の気持ちしかない。
文面上は、岡山が負けて感謝こそしているが、心情的には、非常に悔しく。勝ちたかった。それは、選手や監督、サポーターのファジアーノ岡山のすべての方も一緒であると思う。ただ、そういった戦い方を選択してでも、岡山としては、この戦い方をする必要があったことを、理解をしていきたいところ。
2、収穫と課題
まず気になったのは、いつも以上に、連携不足が目立った試合となってしまったこと。意図がずれることや技術的なミスで、ボールロストしてしまうことは、どうしても出やすい競技ではあるが、この試合では、選手が決定機で重なってしまう回数があまりに多く、26本山 遥の失点に繋がるパスミスもあった。
慣れ親しんだ選手同士であれば、ポジショニングだけでもお互いにやりやすい意思疎通ができるが、まるで開幕当初のようなチグハグさがあった。岡山サポーターであれば、より感じる部分ではあるが、このメンバーを見て、負けそうと言う気持ちが、少なくとも50%を超えることはなく、むしろ、どういった内容や結果になるのかという高揚感を覚えた方が多かったのではないだろうか。
次に、26本山 遥のサイドでの起用。今までありそうで少なく、1試合か2試合ぐらいかと思うが、プレーオフ前に試せたことで、データと映像で、アナリストの力を借りつつ、プレーオフで採用できるレベルであるかどうか、どうすればより効果的か、修正すべきかなど、行われていくこととなる。
そして、言うまでもなく大きかったのは、23ヨルディ・バイス、16河野 諒祐、14田中 雄大といった終盤戦で、負担の大きかった選手を休ませることができたことは、心身ともに大きな意味を持つ。また、付け加えると、41徳元 悠平の腕を休ませることができたのも大きい。
特に41徳元 悠平のロングスローに頼らないことで、チームとしての崩しの幅を少しでも広げることに繋がり、41徳元 悠平が不在でも戦えるという所の有効度を、少しでも高めることができたことも大きい。
更に、雉プレスをリスクを気にせず思い切ってかけていくことで、雉プレスの感覚の再確認と細部の修整をすることができた試合にもなった。勝ち点3を意識するあまり、プレスが中途半端になった試合や雉プレスと噛み合いの悪いシステムとの対戦が続いてきたことで、影を潜めていたこともあり、2失点こそしてしまったが、多くのシュートを放ち、決定機を作れた通り、手応えの感じた雉プレスとなった。
中途半端といえば、攻撃だけでなく、後方の守備の部分で、競る競らない、行く行かないの判断が曖昧なシーンも多くみられ、このメンバーで戦えたことで、交代などで選手が変わったときのサッカーの隙を減らせることにも繋がるだろう。
この試合でも課題であった「決定機でしっかり決める」という部分を休養と修整のできた試合にできるかどうかで、今季の岡山の運命は決まる。
リーグ戦での10敗と12引き分けの収穫を結果に繋げる戦い(プレーオフ)は、10月30日14時から始まる。準備という部分では既に始まっている。サポーターとして、最後まで応援していきたい。
3、東京Vの強さ
東京Vが、なぜ終盤に6連勝して一桁順位である9位で追えることができたのか、岡山目線かつ選手という単位ではなく、チーム単位ではあるが、42節の岡山との試合を中心に語っていきたい。
私の東京Vのイメージは、「伝統の育成王国・中島 翔哉・喜山 康平」の3つのワードがすぐに思い浮かぶ。
まずは、伝統の育成王国だが、技術を大事にしていた下部組織から育成方針は、多くのスター選手を生み出してきた。東京V出身のJリーガーも多く、中でもJリーグ観戦歴が浅く、10番タイプの選手が好きな私にとって、中島 翔哉は、特別な選手である。世代別代表やA代表での活躍は目覚ましく、1対1の局面からドリブルで、マークを剥がしてからのミドルシュートは彼にしかない魅力であった。現在でこそ、色々あって不遇のシーズンが続いているが、再び活躍する姿が見たい選手である。
岡山の6喜山 康平も東京Vユース出身である。私が知っているのは、JFLからであるが、6喜山 康平自身が、ホーム最終戦で謝っていたPKを正念場で外したという話。あれは、パネンカ(チップキックで真ん中に蹴るトリックプレーのPK)で、止められたものである。あの場面で、それをやれるのが、東京Vの育成の秘訣であるように感じる。
中島 翔哉もユース時代に、トップチームの選手にドリブル勝負を仕掛けたことがあったという話を読んだことがある。東京Vのユースは、サッカーにおける自由とサッカーを楽しむという本質の部分を追い求めた一つの成功の形と言える。
6喜山 康平も加入当初は、FWに強い拘りがあり、ボランチを任されることが多くなったことで、FWをやりたくて、岡山を離れる決断に繋がったという話も聞いたことがある。今でこそ、J1昇格のために、チームのためにというキャプテンシー溢れる選手ではあるが、若いときは、非常にギラギラした部分の強かった選手である。
そういった東京Vのこの試合でも止める蹴るからの推進力は、非常にスムーズであり、一つ一つのプレーに淀みはない。クロスも高さやスピードに頼らない点と点で合わせるピンポイントクロス。そして、岡山の26本山 遥のミスパスを見逃さず、ボール奪取後にスピードに頼らない技術でのテクニカルショートカウンターで、岡山から2得点を奪った。
そして、岡山の前からのプレスに対しても怯まず繋ぐ意識。攻められてもパスミスをしても失敗やリスクを恐れない自由なサッカースタイル。それが、東京Vの強さの秘密だと、私は感じた。
金沢や秋田もそうであったが、自分達のスタイルを信じてやり遂げる。東京Vからもそういった信念のような部分を感じた。
金沢と秋田と違い東京Vの方が圧倒的に伝統と歴史があるチームである。しかし、勝負の世界では、勝者と敗者の構図の中では、実力のみが問われる。
岡山も東京Vのように、1秒1ミリの精度を高める心の拠り所に繋がる歴史を作っていく先にあるOkayama Styleの確立と深化。そこに大きく近づくための戦いであるプレーオフを勝ち抜いて、J1昇格を成し遂げてほしい。
近そうでかなり険しく遠いプレーオフの先のJ1を目指す戦いを、岡山は少なくとも、J2の中で最も良い条件で戦えるJ2クラブである。
そこを意識する戦い方と意識しすぎない戦い方とのバランスの難しさを、それに近い状況に苦しんだ最終盤の試合を経験できた岡山。
そういったときに、ブレてしまいそうになるかもしれないが、プレーオフでピッチに立てない選手を含めた全ての選手の総力で準備し、試合ではサポーターとともに戦い抜いて欲しい。
余談ながらピッチに立つ回数が限られた11宮崎 智彦パフォーマンスは、非常に良く、攻撃関与の仕方も良く、41徳元 悠平の壁の厚さや、チームのレベルの高さを感じるところであった。より高いレベル選手が、岡山に集まってくる未来への前進のためにもJ1昇格をして欲しいと強く思う。
繰り返しになるが、自分達の力と勝利を信じて、最後まで前を向いて戦ってほしい。岡山ならやれる。全ての方が信じて、願い、一緒に戦う試合が目の前に迫ってきている。
4、写真紹介
ワサビと醤油を小皿で、混ぜて丼にIN。醤油の味かそれとも、魚に味付けされていたのか。通常の海鮮丼とは違い、味が活性化されいる活鮮丼なのか。醤油と魚+αの味、胡椒の効いたモヤシも味変を起こせる。味噌汁は、貝系の出汁がきいている。最後は、声をかけて出し汁を活鮮丼にINして、もう一度味変。なかなか美味しい一品でした。
はとバスで訪れた浅草。
一緒に回った方に撮影して貰った。
ベビースターラーメンに近い。
ニンニクのパンチが凄かった!
ゆずの風味が効いていたけど、ゆず自体は苦かった。魚介ではあるけど、豚骨ということもあり、こってり。魚介特有の引っ掛かる食感が、滑らかな繋がった食感になっていた。味の方は、魚介独特の味の中に、強い濃さが味を下支えしている。チャーシューというよりは、肉の塊はやら沸く、メンマも大きい。煮卵をしっかり味が染みている。調和性こそ改善の余地があるもののラーメン全体のパワーは強い。極太麺ということもあり、濃厚なスープの味に負けていない。全体的に完成度というよりは、勢いを感じた拉麺であった。ただ、気になるのは、立地。あまり良い所ではなく、引き返そうかと思った。
朝食は、バイキング。特筆すべきものは、なかった。どこでもありそうな内容であった。
刺身が脂が乗っていて、歯ごたえもあって美味しかった。近代史の食文化の輸送方法の進化で、こういった美味しい物を遠方で食べられるのは、本当に感謝。現地でしか食べられない食べ物もあるので、いつか何処でも食べられるものが増えて欲しい。
東京Vのホームではあるが、FC東京のカラー。慣れた光景なのかもしれないが、複雑な心境であることは確かである。しかし、東京でスタジアムを作る大変さは計り知れない。
長くて甘くて美味しかった!
今日は、バックスタンドだったので、太陽の日差しが凄かった・・・そして、暑かった。上の影の所で立って観戦されている若い方も多かったみたいです。
正直、暑さと日差しで、いつもより集中して観戦することはできなかった。バックスタンドの過酷さを改めて感じた。寒い時はまだ良いかもしれないけど、暑い時は、より過酷な所で、水分補給や帽子などで、太陽光対策は、必須であると感じた。
試合の結果は、残念であったが、次に繋がる試合であった事は、確か。勝利の期待しての遠征であったが、見事に敗れる事となった。バーに当たったシュートなどを含めて、悪くなかった試合。1週間で、心身共にリフレッシュして、次こそは、ゴールから勝利に繋げて欲しい。
5、POへ向けて
最後に選手と監督のコメントを紹介して終えたい。
引用元
ファジアーノ岡山J公式HP(J2第42節 東京V戦 監督・選手コメント)
URL:https://www.fagiano-okayama.com/news/p1473057963.html
文章・図・写真=杉野 雅昭
text・figure・Photo=Masaaki Sugino
アディショナルタイム(おまけ)
ファジ造語
参考
2022ファジにデータでフォーカス2
「中盤の真田丸(本山丸)」
2022 J2第2節 岡山 1-1 徳島 レビュー
は、こちら(別サイト:SPORTERIA)。
URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6905499896963403777
代表作
2021ファジアーノ岡山にフォーカス46
J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉
「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」
は、こちら(別記事)。
URL:https://note.com/suginote/n/n511a1b501907
筆者紹介
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自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。