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2023ファジアーノ岡山にフォーカス35『 中位相応の隙~復~ 』J2 第25節(A)vs徳島ヴォルティス
各地で雨が激しく降っている中で、岡山の地から天候を気にしながら徳島へと向かう。早めにでて目標としていた「活魚料理 びんびん家」は、長蛇の列であったため断念して、その近くの「北灘漁協直送 とれたて食堂」にて鮮度の良い美味しい刺し身を腹ごしらえして、決戦の地であるスタジアムに向かった。
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雨は上がっていて、やや湿度の高い状態であったが、比較的過ごし易い気候であったが、やはり暑いので、その色彩と2種の味の魅力に惹かれてヴォルティスカラーのカキ氷を食べて、クールダウンした。ファジフーズにないかき氷、色彩を含めて、やはり夏には欲しいフーズだ。岡山も夏場限定で良いので、ブースを追加して欲しい。
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試合が始まって、涼しくなってきたが、試合の方は熱い試合であった。ホームの徳島が、明確な攻撃の形から岡山の攻略を図って行く中で、岡山は、その組織的攻撃の隙を突いてのカウンターで、効果的にゴールに迫るという試合展開であった。
前半は、両チーム攻めていたように映ったが、決定機程のシュート機会はなかった。両チーム、攻守で「ボール保持」を巡る中で、様々な意図を持って攻め合ったが、得点は生まれなかった。
後半の終了間際に、両チームが1点ずつ決めて引き分けという結果に終わった。この引き分けを終えて、両チームが中位に留まっていることもやむなしと感じた点について、簡単ではあるが、振り返っていきたい。
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1、明確な形と明確な隙~天秤~
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鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム
両チームの戦いを観ていて感じたのは、徳島は、岡山の守備の隙を研究して、そこを明確についていくという意識が高かったことだ。試合開始してしばらくは、岡山のDFラインとMFの間で受けるという事をチームとして共有していたことだ。
この攻撃の形は、時間経過と共に少なくなった。代わりに16河野 諒祐と23ヨルディ・バイスの背後を突かれるシーンが目についた。恐らく23ヨルディ・バイスが前目にポジションを取り、DFラインと中盤の間いのスペースをケアをするという判断であったのではないかと推測できる。
徳島の攻撃の違う手段として24西谷 和希のキープ力を活かして、岡山のマークを引き付けて、第三者のダイアゴナルラン(斜めへの走りだし)により、岡山のサイドの背後のスペース(23ヨルディ・バイスや16河野 諒祐の背後のスペース)を突く攻撃を軸に徳島の複数の選手が、意図した形で、明確に岡山のDF陣のサイドからの攻略の意識を90分通して高く持っていた。
ここは、岡山としては5柳 育崇が出て対応する事やその裏をケアした43鈴木 喜丈が対応することで、DFラインを中心に、全員守備で堪えていたが、試合終盤についに失点してしまった。
一方で、岡山はというと、その組織的に崩そうとする徳島の隙を突いていた。第三者が岡山のスペースに走り込むという事は、それなりに人数が攻撃に参加しているという事であり、その代償として後方の人数が足りなくなるという状況が、生じやすくなっていた。
「負けても我々はそのスタイルを選択する」ということを、ベニャート・ラバイン監督が、前回の対戦で語っていたが、まさにその一面の隙を突いて、この試合では何度も岡山のカウンターで見る事ができた。
後方での組み立てに対して、岡山の前からのチェイシングを駆けていく事で、トラップミスやパスが乱れたところをボール奪取。前掛かりになっていたことで、岡山の選手が前につけた選手にはシュートコースがあった。そのため、良い形で奪えた時に、岡山の決定機を何度も作る事ができた。
こういったシーンで、岡山が決めきることができれば、岡山も勝利することができる可能性もあった試合であったが、決めきれなかった事で、カウンターに専念するという戦いができず、後半の先制点を許した。
このまま、試合終了でも不思議ではなかったが、この試合が復帰試合となった19木村 太哉が、本調子でない中で、19木村 太哉の岡山らしい泥臭い守備で奪ったCKで、16河野 諒祐のボールに19木村 太哉が、頭から飛び込んで、気持ちで押し込んだという同点ゴールが生まれたこで、敗戦は免れた。
2、中位に留っている理由~岡山サイド~
岡山と徳島がなぜ中位に、現地点で留まっているのか。岡山は、シンプルに数々の決定機で、決めきれなかった通り、攻撃の回数が足りない。もしくは、攻撃のクオリティが足りない。前回のホーム徳島戦の後のSNSでサポーターの呟きを見ていると、一部の徳島サポーターから「こんなサッカー」という表現を目にしたが、その背景を考えた時に、岡山サポーターが口にする「形」を持たない事にあるだろう。
岡山の攻撃というのは、良くも悪くも再現性の低い「個の力」に頼った攻撃である。しかし、この試合のように時に「個の力」が「組織力」を上回る。その逆も「組織力」が「個の力」を上回ることもある。
「個の力」と「組織力」の2ワードからサッカーを語れない事は重々理解しているが、双方からすれば、「こんなサッカー」=「価値観の違うサッカー」と言い換える事ができるので、「岡山はこういうサッカーです。」と言っても理解して貰えない。という事もまた理解できる。
「何故、同点に追いつかれた?」と「こんなチームに追いつかれた。」という表現が、出ている事が予想されるが、岡山サイドからすれば、これは、「組織力」や「戦術」だけでは語れない「気持ち」という部分で同点ゴールを19木村 太哉が得点を決めることができたと感じられる同点ゴールである。
「えぇ?気持ち?そんなサッカーに?」と聞こえてきそうだが、それこそお金を払って、サッカーや野球で、試合を観ながらチャントで応援する行為そのものが「気持ち」であり、「戦術」と「組織力」と同じぐらい大事な要素であることもまた事実であり、「気持ち」を否定してしまうのは、「応援する気持ち」を否定してしまう事となる。
だからこそ、色々な想いが一つとなるからこそ、熱くなれる。色々な想いがぶつかるからこそ熱くなれる。それがサッカーだ。だからこそ、それでも自信を持って言いたい。弱くても強くてもこれが「岡山のサッカー」であると。それは、徳島にとっても同じであり、徳島サポーターもこれが「徳島のサッカー」であると自信を持っている筈だ。
ただ、この試合で、岡山が徳島に勝利するには、やはり試合を決める事ができる力が足りなかった。そこは何なのか。チームとして冷静に分析する中で、中位を脱出できたらと強く感じた。
3、中位に留まっている理由~徳島サイド~
私の中で、今季の徳島は昇格候補のチームの1つであった。2回対戦してみて、1勝1分に終わったが、正直なところ2敗も覚悟していた。それだけ、22シーズンの徳島のサッカーには、隙がなかった。
選手的には、22シーズンを越えるものがあるかもしれないという中で、何故中位に留まっているのかという事を、この25節で考えた時に、やはり一番に浮かぶのが「攻守のバランスの悪さ」である。
この試合の岡山の決定機の数々は、徳島の後でのパスを回して、前に運んで行く過程で生じていることが多かった。22シーズンであれば、そこで岡山が奪うことができるほどの隙は、徳島のパスワークにはなかった。
しかし、今季の徳島のパスワークは、岡山の前からのプレスの質や回数が、22シーズン程でもない中でも、人数を少しかけた所で、奪えてしまっているシーンが何度もあった。これが、何を意味するかというと、「後方の人数が足りていない」という点と「選手の個の力不足」の2点が考えられる。
パスを回す人数が少なくても「個の力」が「岡山のプレス」より優れていれば、「戦術理解度の深さ」からの「組織的パスワーク」により、岡山のプレス網を十分打破できたはずだ。そこで、引っ掛かっているのであれば、やはりチームとして、アンバランスな部分が、どうしてもあるという認識で間違いない。
そして、岡山視点から気になったのは、3-1-4-2という並びある中で、2トップのプレスが弱い事も気になった。岡山が、今季3-1-4-2を采配しない一番の理由は、前からプレスをかける選手が、少ない事にある。
しかし、徳島は、前からプレスを弱くても採用している。3-1-4-2の「4」の部分を見ても攻撃的な選手ばかりで、5バックで守ったり、守備に対して、「強度」と「運動量」で貢献できるタイプの選手ではない。
となると、やはり、この試合でみせたような奪われた後の隙がどうしても生じてしまう。アンカーの7白井 永地も攻守で総合力の高い選手であるが、ややオーバーワーク気味で、チームとして安定感を欠いてしまう理由に感じられた。
かと言って、攻撃的な4-2の所で、圧倒的な「個の力」や「得点力」を発揮できているかと言えば、徳島が「理想」とするレベルにまだ到達できていないのではないかと感じられた。
例えば、この試合で、岡山の23ヨルディ・バイスと16河野 諒祐の岡山からみて、右サイドのスペースを何度も無力化していたが、その崩した後に多数の選手がゴール前に走り込む迫力や「間」へのポジション取りからのピンポイントで合わせる形、もしくは、そこから1対1で突破して、GKとの1対1になる。そういったシーンを「組織的」に作りだせていなかったのか、「個の力」に届いていなかったのか。
岡山と同様に、最後の所のクオリティ、その前のクオリティに対して、徳島サポーターもサッカーの方向性や可能性を信じているが、実際の内容や結果に対して、不満に感じていたとしても不思議ではない。
正直なところ開幕前に、徳島に対しては、岡山が決定機0で敗れるのではないかというぐらいの苦手意識が生まれた完敗を22シーズンにしてしまっているので、今季の2度の対戦の結果と内容には、驚いている。
ただ、そうした状況でも、ここから岡山も徳島も足りない部分を、夏場の補強で上積みして、プレーオフから自動昇格(こっちはかなり厳しいが…)へと持って行く力。それを双方のチームが持っていると信じたい。
お互いに多くのサポーターが、アウェイに駆けつけるカードであり、岡山のサッカーに対して、「こんなサッカー」と言われるぐらい「熱い闘争心」が生まれるこのカードを、いつかJ1でも観たい。
厳しい道だと思うが、同じ中四国のライバルとして、これからも「頂」を目指すライバルとして、戦って行きたい。やはり、近場のアウェイは、現地で観れる可能性が高くなる貴重なカードであり、これからも個人的に観たいカードである。
4、試合雑感~曇~
改めて、7チアゴ・アウベスが、負傷していたか大事をとって欠場したことは確かだが、サイドの所で起用したい19木村 太哉やここまでJ2でのリーグ戦での得点のない32福元 友哉を起用せざる得ないというのは、かなり厳しいチーム状況であることが分かる。
とはいえ、19木村 太哉の気持ちの部分での爆発力というのは、想像以上で、離脱前も19木村 太哉が投入される事で、流れが変わる事も不思議ではなかった。本当に頼もしい男が帰って来た。
2023 J2 第25節 徳島戦
— 杉野 雅昭 (@sugi8823) July 9, 2023
【岡山のMIPは?】
①5番 #柳育崇 選手
右サイドの背後のスペースを上手くケアして、守備で貢献。
②19番 #木村太哉 選手
帰ってきた岡山の元気印、値千金の同点ゴール。
③48番 #坂本一彩 選手
「受ける・仕掛ける・振り切る」で、ゴールに迫る活躍。#ファジアーノ岡山
ただ、チームの置かれている状況はやはり苦しいことに違いない。岡山の武器であった観客動員も伸び悩んでいる通り、藤枝戦の追い上げや徳島戦での同点ゴールという終盤の粘りや強さが戻りつつあるが、サポーターと共にもう一度、奮起できるような空気作り、プレーオフ圏内に入る事も難しくなって来た中で、その勢いを持って、終盤滑り込めるか。
チームが、どう動くかという視点で、チームがどういったメッセージを発信していくのか。それだけ夏場の補強は大事だ。22シーズンのように6輪笠 祐士を引っ張ってくるような勢いが、岡山にない事から結構、交渉が難航しているのではないかと予想されるが、補強は絶対必要である。
それにしても徳島のビックフラッグや旗の数。クールなチームカラーとは裏腹に熱い物を感じた。アウェイで、岡山のゴール裏にお邪魔させていただいた事もあるが、毎回行かれている方もいるので、熱く応援されている方もいる。そういった熱に両チームが応えるために戦う。
公式サイトで、色々なクラブがメッセージを発信することが、勝つために必要である。足りないものをどう補って行くのか。一つになれるか、ここから問われていくこととなる。
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8柿谷 曜一朗 選手(徳島)
「サポーターは僕たちを信じてついてきてくれて、僕たちはスタッフを信じて、1つになって乗り越えていきたいです。」
J2 第25節 徳島 vs 岡山(23/07/09)試合後コメント(選手)
より一部引用。
URL:https://www.jleague.jp/match/j2/2023/070910/player/
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19木村 太哉 選手(岡山)
「ゴールはどの試合でも意識はしているが、自分が求められていることはチームに推進力・勢いを出すこと。それが結果に表れて良かった。」
J2第25節 徳島ヴォルティス戦 監督・選手コメント
より一部引用。
URL:https://www.fagiano-okayama.com/news/202307092230/
文章・画像=杉野 雅昭
text・photo=Masaaki Sugino
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