2024ファジアーノ岡山にフォーカス23『 ホームで勝つから~危機と鬼気~ 』J2 第11節(H)vsロアッソ熊本
1、田上選手は漢になれるのか~重圧を力に~
前節の秋田戦でも無得点に終わった岡山に厳しい声が現地でもSNSでも多く見られた。サッカーは、エンターテイメントである以上、楽しい試合。勝てる試合が観たくて、チケットを買ったり、ダゾーンに契約するなどして試合を観戦する。
だからこそ、願いが叶わなければ、不満はどうしても溜まってしまう。特に近年は、昇格への意識も強くなり、フロントも「頂」というワードが前面に出している通り、そこへのサポートを求めている。
クラブとしてもサポーターに昇格を意識する流れを作っている以上、ファジアーノ岡山ファミリーからの厳しい要求が、チームにのし掛かる。しかしそれに潰れているようでは、昇格は夢のまた夢である。
SNSで、拝聴した動画であったサポーターの悔しさをストレートに伝えた言葉に、18番 田上 大地 選手の秘めていた気持ちが、言葉として出てきたのではないだろうか。
連戦でのアウェイでの多さがチームにとってはきつかった。そういった率直な言葉の後に18番 田上 大地 選手は、あの言葉を口にした「ホームで勝つから」。
この一言で、空気が変わった。その言葉を聞いたサポーターも気持ちは最高潮に高揚し、叫んでいるようにも聞こえるぐらい熱い言霊が選手へとサポーターから発せられた。
アウェイでの地での一部のサポーターと選手しかいなかったはずの一幕は、瞬く間にファジアーノ岡山ファミリーに伝播した。
昇格を3度経験した18番 田上 大地 選手から出た言葉が、ファジアーノ岡山ファミリーを再び1つとした。
彼を漢にするために、それぞれの立場で、キックオフの時に向けて気持ちを引き締める。
いざ、勝負の90分間へ!
2、岡山一帯~結束の攻守連結~
立ち上がりに9番 グレイソン 選手と19番 岩渕 弘人 選手の素晴らしいパス交換で、9番 グレイソン 選手が、裏へ抜け出してのシュートは、ポストバーに嫌われて先制点こそ阻まれたが、多くの人が感じたはずだ。「今日はやれる!強い時の岡山の雰囲気があるぞ!」と、先制点こそならなかったが、良い入りができた。
岡山のCスタに乗り込んできた熊本は、後方から「繋ぐ→前進→崩す」というサッカーをやった時に一番上手くできるチームという印象であったが、自陣深くから前線に到達するまでに細かいポジショニングを何度も繰り返すことで良い距離感を維持し、パスの「受け手」と「出し手」の関係性を明確にして、安定的にパスが繋がり、早く前進することができるのが、熊本の攻撃スタイル。
その熊本の攻撃に対して、岡山が、チームとして個人としてどう守ることで、どれだけ抑え込むことができるのかが、筆者にとっての最大の注目ポイントであったが、熊本がリスクを負って攻めて来ていた時間帯や熊本に形を作られて、PA内に上手く侵入された時と、プレーを最後までやり切られた(シュートまで行けた)時には、岡山が失点しても不思議ではない怖いシーン(決定機)を作られたものの基本的には、90分間通して上手く進入路に「蓋」をして侵入を阻むことで守れていたので、岡山の失点する可能性をかなり下げることができていた印象を抱いた。
筆者のプレビューでは「行く&埋める」というワードで「プレスで奪いに行く・制限しに行く」といった狙いと、後方の守備ブロックや守備ラインに綻び作らない「スペースを埋める・間合いを埋める」といったプレーなどの必要性をポイントに挙げていたが、チームとしてしっかり共有できていて、そこで間違えない高い集中力を岡山の守備からは感じることができたことはとても安心感を感じたし、チームとしても手応えを感じることができたのではないかと思います。
熊本vs甲府の試合では、熊本の右WBの9番 大本 祐槻 選手から高精度のクロスが右サイドから何度も配給されていたが、持ち味のスピード活かしてフリーで受けようとする9番 大本 祐槻 選手に対して、同じくスピードが武器である17番 末吉 塁 選手が、前に立ち塞がったことで、なかなか良いクロスを9番 大本 祐槻 選手が、上げることができないように、岡山としては上手く制限できるように対応できていた。ここで、岡山として、1対1での「付く・寄せる」を徹底できたことで、熊本のストロングポイントである右サイドの攻撃の質と回数を上手く制限できた。17番 末吉 塁 選手の守備のプレーは、かなり効いていた。
私がチェックした甲府と比べて岡山は、全体的にプレスに行く回数と強度、人数を効果的に展開できたことで、中盤の攻防の所で、それ以上の侵入を簡単に許さない柔軟性の伴った守備ブロックができていた。試合の序盤は、熊本の形でペナルティエリアやサイドの深い所はおろかバイタルエリア(DFとMFの間のエリア)への侵入もかなり制限できたほどだ。
左〜中央〜右に至るまで、岡山は組織的に連動したと言える「行く・埋める」の徹底で、上手く守ることができていた。熊本のサッカーをさせなかった一方で、岡山の攻撃は好調であった。
19番 岩渕 弘人 選手のスタメン復帰と共に9番 グレイソン 選手も躍動。8番 ガブリエル・シャビエル 選手を含めた3トップだけで崩せるという攻撃ができていた。中央で仕事できるグレイzoneと、ハーフウェイラインより先の何処からでも決定的なチャンスメークができる∞GX FIELD∞を遺憾なく発揮した。
この二人のチャンスメークがより輝いたのは、19番 岩渕 弘人 選手。受けのランと抜けるランが光った。気が利いた高質なフリーランと好機を見極めて大胆に走り出す走力が伴った「渕Running」こそ、19番 岩渕 弘人 選手の武器と言えるのではないでしょうか。
「グレイzone・∞GX FIELD∞・渕Running」と、筆者が初めて3トップの各選手の凄さを表現するファジ造語が完成した。三位一体の攻守のバランスの良さでは現状でのベストの3トップと言えるのではないでしょうか。
岡山として、9番 グレイソン 選手の高い空中戦勝率からのポストプレーを中心としたグレイzoneでのチャンスメーク。前にスペースと時間があった時に繰り出される創造性溢れるアイデアと高精度の左足から生み出されるパスでチャンスメークできる広い∞GX FIELD∞。そして、そのパスに応えて走って、バランスを図り形を作る19番 岩渕 弘人 選手の渕Runningが、揃った時には何かを起こせるという期待が大きくなる。
こういった良さを前面に出して攻撃できたことで、熊本から奪った時に、効果的にゴールに迫ることができた。試合後の支配率では、岡山は34%で熊本が66%だが、敵陣で持ち、ゴール近くまで攻めることができた岡山と、自陣でのプレーが多くなって運ぶのに苦労した熊本という構図となっていた。
熊本にサイドの深い位置まで前進されて、フリーで高精度のクロスを挙げられて、頭でコースを変えたシュートが、49番 スベンド・ブローダーセン 選手が、触れるか触れないかの怖いコースへ飛ばされた時は、失点したかと思ったが、外れて助かったというシーンがあったが、先制したのは、岡山であった。
ボールを奪った岡山が、24番 藤田 息吹 選手の縦パスから始まる。前がかりになっていた熊本は、直感的に「危ない」と感じたのか、パスを受けた8番 ガブリエル・シャビエル 選手と88番 柳 貴博 選手が倒されるも9番 グレイソン 選手に良い形で繋がったのでファールとはならず流される。9番 グレイソン 選手は、対峙した24番 江崎 巧朗 選手を突破することできなかったが、ライン際から上手く中に折り返すことができた。そこに1人だけ走り込んでいた19番 岩渕 弘人 選手が、厳しく寄せられてラストパスを辛うじて出す。この時に足と足がぶつかっていたのか直後に倒れる19番 岩渕 弘人 選手からのパスは、熊本の2選手の間を上手くすり抜けて、ポジションを離れて上がってきていた6番 輪笠 祐士 選手の下へ通る。この時の6番 輪笠 祐士 選手は、信じられないほど落ち着いていた。熊本の選手の寄せが間に合わないという状況が見えていたのか、誰もいない誰も触れない左側のコースを狙ったシュートは、左のクロスバーに当たって、内側へ跳ねて、6番 輪笠 祐士 選手の記念すべき岡山移籍後初ゴールが決まった。もしかすると、少し冷っとしたかもしれないが、怪我で出遅れた悔しさを忘れることができるぐらい大きなゴールになったかもしれない。良い流れで戦えていた岡山に待望の先制点が生まれた。
このまま岡山が押し込んで追加点を奪えることができれば、勝利を手繰り寄せることができるが、熊本もそういった士気が上がった岡山の攻撃の流れを逆手にとって強くでる。バランスを重視していた熊本が、5トップのようになった。守備のために左右のWBがDFラインに吸収されることとなり、中盤でのブロックを上手く構築できなくなるので、シャドーの2人も守備に加わることで我慢の時間となる。
ここで、熊本に攻撃の流れができるようになる。DFラインに対して勝負できる行動ができる可能性が増えたことで得たCKの二次攻撃で裏抜けからの13番 岩下 航 選手のシュート。そして、後ろが重くなったところで、バイタルエリア付近からのミドルシュートという選択肢も増えた。その中でクロスバーに当たる21番 豊田 歩 選手の強烈なシュートもあった。ただ、時間軸が前後するが、岡山もいつまでも受けてはいられないので、守備でも攻撃でも前にという意識を持っていたが、その背後を突かれてしまうシーンもあったが、高い守備意識からの帰陣でパスコースを消すと、シュートへ判断を切り替えた9番 大本 祐槻 選手に対しての寄せとシュートコースの限定で、49番 スベンド・ブローダーセン 選手のキャッチに繋げた。
こうして、先制点を奪って勢いに乗れずに逆に攻勢に出た熊本の猛攻に晒された岡山であったが、前半終了間際に自陣での守備での6番 輪笠 祐士 選手の2連続タックルで直接は奪えなかったもののクリア。9番 グレイソン 選手が競りにいったことでクリアに選択肢を追い込むと、その熊本のクリアボールに、当然のようにそこまで上がってきていた24番 藤田 息吹 選手のファインプレーのポジショニングからクリアが、前方残っていた9番 グレイソン 選手へ通った。一瞬の出来事であったので、画面を大きくして、0.25倍速で確認したが、恐らくオンサイドという完璧なタイミングの9番 グレイソン 選手のスルーパスに19番 岩渕 弘人 選手が、渕Runningで抜け出すと、圧倒いう間にゴール前へ、流石にいわき戦のように、追いつかれることもなく、熊本のGKの1番 田代 琉我 選手が、じりじりと距離を詰めたが、冷静に触れないコースへとループ気味の浮き球のシュートを突きさすと、大きな大きな追加点を良い時間帯に決めて、前半は終えることができた。
ここ数試合では、前半の戦い方が良くない試合が多かった中で、久々に前半だけで2得点。危ないシーンこそ熊本に作られたが、熊本の形を上手く制限できたことで、無失点に抑えて、後半に良い流れで折り返すことができた。
前半の岡山は、岡山というチームが「一帯」という一つの「チーム」という枠内のエリアの単位で、攻守で連動できたことで、良い攻撃と良い守備ができた。ファジアーノ岡山ファミリーの「結束の攻守連結」で作った前半の2-0のスコアと言えるだろう。
3、繋ぎ繋げた試合運び~言葉の力~
Xの通知をみるために開いた時に偶然目にしたが、後半頭に、8番 ガブリエル・シャビエル 選手が、前半だけで下がったことで、怪我の声が心配されていた。私も心配して検索したり、ダゾーンで少しチェックしたが、試合後に自然と歩いていたので、恐らく大丈夫ではないかという声もあったようで、少し安心したが、真実はいかに…。ちなみに私は、前半で2-0でなっていたのと連戦であることから温存したのかなと楽観的に捉えていたので、そういった声が多かった事にかなり驚いて慌てたが、続報を待ちたいところである。
前半に熊本は、2-0になったことで、次の1点目は、致命的な失点になってしまうということで、5トップになる時間帯は少なくなった。岡山も8番 ガブリエル・シャビエル 選手が下がったことで、シンプルにチャンスメーク力が落ちたことで、結果的に両チームの決定的なシーンは少なくなった。
後半頭から入った27番 木村 太哉 選手が、今季決めていた得点のような仕掛けから、今後はグラウンダーで足下を抜くのではなく、上抜くシュートPA内で選択したが、惜しくもクロスバーに当たって、跳ね返りもGKに当たったことで、2次攻撃もできずという惜しすぎるシュートが岡山にはあったぐらいで、その後は決定機を作れなかった。
99番 ルカオ 選手や10番 田中 雄大 選手といった選手を投入するもなかなか形を作れず、後半のメンバーの変わった時間帯の戦い方に関しては、課題が依然として残った試合になった。一方で、守備は集中して守れたいたことで、危険なシーンも少なく抑えることができた。
後半の最大のピンチもサイド深い所から中に入れられて、密集地の中で恐らく13番 岩下 航 選手のシュートを49番 スベンド・ブローダーセン 選手 選手がセーブ。こぼれ球に反応した29番 道脇 豊 選手が、難しいシュートは、直ぐに起き上がって反応した49番 スベンド・ブローダーセン 選手のリバウンドセーブ(セーブ後に起き上がって2度のシュートをセーブしたという比喩的表現)で防いで、ピンチを凌いだ。
後半のビックシーンは、この2シーンぐらいで、両チーム交代カードを切りながら勝利を目指して戦ったが、チームとして最後まで集中して戦いきった岡山が逃げ切った。最後は、熊本のGK 1番 田代 琉我 選手が、セットプレーの時に上がってくるというシーンがあったが、岡山も冷静に対処できた。
15番 本山 遥 選手が、恐らく足を攣った時に、コーチがボードで指揮していたが、それに気づいた木山 隆之 監督が、観客席まで聞こえるぐらい大きな声で、「早く!!!!!」みたいな感じで、怒る一幕もあった。冷静に言葉を選ぶ印象が多かった木山 隆之 監督の勝負への執念が言葉として出た瞬間であった。
5番 柳 育崇 選手も慌てて交代するところまで移動するも、まだ治療とかがあり、時間があったので、コーチも伝えきれなかった指示を改めて伝えて、5番 柳 育崇 選手が送り込まれた。
「ホームで勝つから」という18番 田上 大地 選手の言葉から勝負は始まっていたと言える熊本戦。その言葉を発してしまうほど、「頂」を目指す上では、それだけ「危機」的な状況であったと言えたかもしれないが、その悪い流れをチームとして、「鬼気」迫るプレーの数々で、最後まで岡山は戦いきって掴んだ勝利。
「言葉の力」の大きさを感じた試合ではあったが、言葉を形にする難しさも感じた試合であった。だからこそ、日々の1つ1つの言葉・行動の1つ1つをどう次に繋げていくのか。そこが、今後も問われていくことになる。怪我の選手が多く、危機的な状況かもしれないが、チーム一丸となって上位勢との対戦が続くここからの戦いを乗り切り、1巡目を終えることができるか。繋ぎ繋いで1試合1試合戦っていくしかない。
繋ぎ繋いで行く先に、「頂」があると信じて…!
4、大木マジック~言葉を超えた強さ~
熊本のサッカーの強さを一言で表現することは難しい。それが、大木ロアッソのサッカーである。選手が、毎年これだけ入れ替わる中で、何故これだけパスを繋ぐ、超攻撃的なサッカーができるのか。言葉だけでは、表現できない強さが熊本にはある。
正直に言えば、気弱な筆者は、あの強い口調での大木 武 監督のインタビューに畏怖のような感情というか印象を抱いている。言葉が、心に突き刺さるというか、きつく感じるというか。秋田の吉田 謙 監督の吉田語録と違った言葉の重みが、大木 武 監督の言葉にはある。
しかし私達は、試合後などで受け答えする大木 武 監督の言葉しか知らない。練習では、どういった言葉が、大木 武 監督の頭脳から言葉が発せられているのか。吉田 謙 監督の言動を考えても特殊なサッカーをするためには、シンプルな言葉が鍵を握っているのかもしれない。
サッカーにおいても言葉の1つ1つが重要であると改めて感じるところではあるが、大木ロアッソをホームに迎えて、私はどう感じて、私の心にどう響いたのか。
近年のJリーグでこれだけ、岡山のハイプレスや守備強度、セカンドボールへの予測の高さ、対人守備の強さなど、守備の基本に徹底の徹底をする岡山に対しても「繋ぐ」を貫くチームは、恐らく熊本だけではないだろうか。
左右のCBにMF登録の選手を起用し、止める蹴るがしっかりした選手を集めている。ドリブル数が、リーグナンバー1みたいな言葉が、ハイライト動画の実況から聞こえた気がするが、一般的なドリブルの「抜く・仕掛ける」といったドリブルではなく、クロスやパスの形を作るための「進む」ドリブルこそが、熊本のサッカーの肝だ。
全体をコンパクトにして、「パス」を「繋ぎ」ながら進む。この試合では、回数こそ岡山が制限できていたが、やはりそのパスの狙いの形である。フリーでクロスを入れていく形を作られてしまったが、やはりそこへの守備対応は岡山として難しかった。
クロス数も多い熊本のサッカー。「崩す」のではなく「作る」。シュートパターンの再現性の高いチャンスメークこそが、熊本のサッカーの鍵であるように感じる。
だからこそ、この試合の岡山のように、「待つ」守備だけではなく「寄せる」守備ができるかがどうかが守り切れるかのポイントとなる。
それでもやはり熊本サッカーへの完封は難しい。何度かあった決定機を決められていても不思議ではなく、2-2や2-3になっていても驚かないゲームでもあったが、熊本としては、これでも抑えられたと感じたゲームかもしれない。
それだけ大木ロアッソの目指すパスを中心としたサッカーで目指している「志」は高い所を意識しているはずである。
岡山のサポーターとして、こういったチームと戦えたことは嬉しく、こういったスタイルで、Jリーグに風を起こしてほしい。そう心から感じた。
5、化学変化は一度だけ~維新~
サッカーにおいての新しい組み合わせの化学変化の効果が一番大きいのは、それがお披露目された時で、その時が最高値であることが多い。だからこそ、常に新しい物を求めて、新しい事に挑戦し、1つでも多くの化学変化という相乗効果を何度も起こして、競争や刺激で、チームとしての幅と可能性を広げていく事が求められる。
新陳代謝という言葉があるが、まさにそれが求められる。残念ながら今の岡山には、離脱者が多くなっており、そこを起こしにくい状況に陥っている。チームとして難しい時期を過ごしている。そこは間違いない。
しかし、この試合では、6番 輪笠 祐士 選手と24番 藤田 息吹 選手の新しいダブルボランチのコンビが結成された。この2人の一番の武器は、運動量を含めた総合力高い守備能力の高さである。特徴は少し異なるもののお互いに守備が信頼できることで、どちらかが攻撃に参加するという点で、どちらかが、守備の比重とか攻撃の比重という判断のプレーの選択ではなく、シンプルに守備に行くべきか。攻撃に行くべきかという判断の下でプレーを選択できることが、この2人が組むことでの最大のメリットである。
シンプルに守備が堅いですし、実際にこの試合の2ゴールは、二人の守備から始まっていたり、攻撃のスタートの所、スイッチを入れるところに関与したりしている。この試合で、6番 輪笠 祐士 選手の岡山の加入後としては初めての得点を決めることができたが、決してラッキーといった偶然ではなく、生まれる可能性が高くなった中で生まれた得点である。
つまり、このスタメンのメンバーであれば、ボランチの2人が攻撃に絡んで、得点が増えるというシーンはかなり増えてくる。そういった期待を抱くに十分な内容の試合であったと思っています。
しかしながら、岡山への対策や対戦チームとのスタイルの相性、連戦の疲労といった見えない影響がプレーに影響していくことで、良さを出し難いという試合が出てくることも考えられる。
だからこそ、1人でも多く選手が戻ってきてくれること。そして、競争の中で各選手の成長と、チーム内での化学変化を繰り返し起こしていくことが必要である。
今節のフォーカスでは、言葉にサブテーマを置いてきたが、キャプテンを任されている言葉を上手く使える7番 竹内 涼 選手が、復帰した時に、また違った武器を岡山に生み出してくれるのではないかと期待している。
「頂」への挑戦を続けるためには、適切なタイミングでの「維新」を起こしていく中で、岡山スタイルの進化が必要である。上位との対戦が多いここから4月末からの5月の対戦は、岡山の「進化」と「真価」が問われる。
文章・図・写真=杉野 雅昭
text・figure・photo=Masaaki Sugino
「アンケート」と「紹介しきれなかった写真」の方もよろしくお願いします。
・アンケート
6、アディショナルタイム(試合日の写真)
感想は、以下のXのポストまでいただけると嬉しいです。
7、アディショナルタイム(ファジ造語24)
2024ファジ造語No.7
『 ≫≫虹色の戦術(レインボータクティクス)≪≪ 』
個性豊かな選手を適材適所で起用して、個性×個性の攻守のプレーの幅や深さで、対戦クラブの戦術の多くへの対応して戦えるだけでなく、試合毎に相性の良い選手が、持ち味を発揮して、攻守で安定した戦い方をすることができる。その個性の戦術の色の可能性はまさに虹そのもので、虹色のように個性が耀き、雨の後の晴れのような勝利に繋げることができるファジの戦術の事を指すファジ造語。
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