2025テゲバジャーロ宮崎にフォーカス1『 J2昇格に向けて厳しい船出~安忠模策(あんちゅうもさく)~ 』J3 第1節(H)vs AC長野パルセイロ



1、1点が遠かった敗戦~光と闇~


 Jリーグ新シーズン開けましておめでとうございます。

 いやぁ、テゲバとしては、残念な結果でしたが、課題ははっきりしているので、ここをポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかで、見方は変わって来るかなと感じています。

 仲間内の順位予想では、実は、テゲバを2位予想にしてました。ただ、この試合の敗戦を受けて、プレーオフ圏内を目標に切り替えざるえないかなと認識を改めるしかないですね。

 うーん厳しい結果ではあったんですが、個人的に内容自体は悪くなかった。それでも昇格を目指す上で、大きな課題があった。これが、簡単な課題であれば、2位のままでも良かったのですが、結構難しそうって感じだったんですよね。

 試合に目を向けると、長野の得点シーンなのですが、パスでの完璧な崩しだったと記憶しています。ただ、何人も何人も繋いでというよりは、マークで潰しきれなかった中で、ワンツーみたいなイメージで、無力化されて裏に抜けられて、シュートをぶち抜かれた感じです。

 このシンプルな形での崩しを、長野の攻撃で何度も見られたので、長野の狙いであったことは間違いないでしょう。

 具体的な流れで説明すると…

①前線の選手につける
②パスを受けた選手がポストプレー
③近くの選手が受ける
④出し手や後方から来た選手が裏へ走る
⑤走り出した選手へパス。

 みたいな狙いはあったはずで、細かい部分が違っても、テゲバ(守る側)としては、シンプルにこの形は嫌で、なんとか1失点には抑えられたんですが、開幕戦のテゲバは、この1点を返すことができなかったですよね。

 シュート数を見てもテゲバが押していたように見えたことが「光」で得点を決められなかったのが、この試合での「闇」の部分ですね。

 次章では、その部分を語っていきたいと思います。


2、優勢でもイメージできなかった得点の形~(求)意外性~


 まずは、悪かった話からしていきましょうか。

 この試合で、シュート数を考えても攻撃の形はできていましたが、昨年終盤の複数得点を決められるような自信というか勢いを感じられなかった。「怖さが足りなかった」と、試合後に私は表現したんですが、ここは、4-2-3-1を採用する上での懸念点でした。

 昨季終盤は、4-4-2が成功した理由は、チームとしての成長もあったとは思いますが、武 颯 選手の存在が大きかったのは間違いないでしょう。

 やはり、ストライカーは、どのチームも欲しいですから、年俸が高くなりがちなんですよね。だから、そこを2列目を多くすることで、全体的な層の厚さを実現したという側面はあったと思います。

 これは、テゲバ手動というよりは、武 颯 選手の引き留めることに全力を尽くした結果、それが無理であった。すぐに代役を立てられなかった。こういった側面は、少なからずあったと思います。

 ただ、全体的な出来こそ悪くなかったですが、点を決める部分というか、ゴール前のプレーが、人数的に足りなかった。改めて編成をみてみるとFWが4選手なので、2トップを軸にシーズンを戦うには、少し負荷がかかりそうだなぁと。

 そう考えると、4-3-3みたいな感じに1トップをより明確に打ち出して、攻撃的に戦うとかという手段もありますが、今日の戦い方を観た限りだと4-2-3-1で、バランス良く戦っていくという方向性になるでしょう。

 ルーキーの34番 河井 駿樹 選手ですか。縦横無尽にピッチを走り回って、流れに絡む感じが良かったですし、50番 安田 虎士朗 選手も安定感がありましたので、このダブルボランチを崩したくないですよね。

 となると、腰を据えて、4-2-3-1で着実に押していくことになるんですが、どうしても火力不足なんですよね。

 どう人数をかけて、前線での攻守での厚みを作れるかですね。そうです。攻撃だけではなく、守備もの圧力も必要だとは思うので、現状のクロスを徹底して、11番 橋本 啓吾 選手をシンプルに使っていくというのも悪くないですが、もっと攻撃の形を増やしていきたいですし、攻め手が多くて、悪いことは何もないですからね。

 20番 阿野 真拓 選手のゴール前に入っていくシーンとか、ミドルシュートとか、11番 橋本 啓吾 選手の高さを活かした攻撃とか。良い攻撃も多かったので、後は、ここの回数やよりクオリティを上げていくというのはもちろん、意外性というか、守る側が、どうすれば良いか分からないような勢いが、自動昇格を目指すには必要だと思いますので、そこを第2節でみれたならと思っています。

 ここに可能性を感じたら、自動昇格も夢ではない。逆を言えば、そこの部分が解決できなければ、長野への相性が悪かった敗戦ではなく、今後も勝ち点が伸びないという結構難しいシーズンになるでしょう。


3、育成クラブとして大きく前進~テゲバ勤(筋)~


 次に良かったところですが、シンプルに全体的に選手がレベルアップしてますね。特にフィジカルの部分で、まるで別人になってました。

 24番 松本 雄真 選手なんかは、明らかに足が速くなってますね。全体的に動きにキレがあったので、ドリブルで突破して良い形を作ってましたよね。

 後は、41番 坂井 駿也 選手は、昨シーズンでも足下の技術が安定している選手でしたが、今季は、高速クロスやプレースキックを蹴れるようになっていて、チャンスメークの力が上がっていました。

 他の選手ももちろん鍛えられていて、止める蹴るのスピードと安定感が劇的に上がってました。持久力ももちろんありますし、チームとして、劇的にパワーアップしていると言ってもいいでしょう。

 このフィジカルアップあってのシュート数で相手を上回るという内容に繋がったと思いますし、試合に負けはしたものの自信持っていいと思います。

 昨年の序盤が、どういった感じであったのかは私は分からないですが、ここから連敗が続くとか絶望するような内容ではなかったと思っています。

 この試合に関しては、得点を決めるという部分で、長野の方がしっかり形になっていた。後は、長野のGKである21番 松原 颯汰 選手のファインセーブを褒めるべきかなと、世代別日本代表の経験もあるので、圧巻と言えるパフォーマンスであったなぁと。

 ただ、J2昇格を目指すのあれば、そこを超えていく得点力というのは必要ですし、その土台となる部分はしっかりできている。

 テゲバの基本徹底するテゲバ勤(筋)は、間違いなく誇れるもので、今季の武器になると確信できた試合でした。


4、昇格へ向けて自分達を信じる~安忠模策(あんちゅうもさく)~


 暗中模索ではなく、安忠模策が、今のテゲバの勝利の先を見据えた時に必要であると感じました。

 フィジカルレベルに関しては、J3の中でも高いレベルにあるということは、開幕戦ではっきりわかったので、後は、その武器をどう活かすのか。

 暗闇の中で、何かを探るような絶望感ではなく、基本に忠実な方法で、策を模索することで、打開できる課題をクリアするというゴールがはっきりしてる状況ではないかと感じています。

 そういった感じに不安というよりは、安心できる部分があると言うか、悲観だけすべき状況ではないのも事実です。

 策が見つからない中でも、フィジカル面で、鍛えられた新戦力の選手が、メンバーにも絡んで来るでしょうし、焦る時期ではないと思っています。

 この辺り、私は練習を見学できないので、他にどういった選手がいるとか、どういった状況かは、分かりかねる部分もありますが、開幕戦のスタメンとリザーブの選手だけじゃないですし、次にどういった選手が出てくるかは楽しみなんですよね。

 47番 奥村 晃司 選手も良いシュートありましたし、39番 下川 陽太 選手も攻守でアグレッシブで守備では強く、攻撃でも良いクロスを入れてました。

 13番 中野 桂太 選手や42番 松本 ケン チザンガ 選手とか出場時間が短かったので、あまり触れなかったですが、24シーズンより、層は厚くなってますし、スタメンやゲームプランを含めて、急に強くなって、テゲバがもう一段も二段階も上の別チームのように強くなっても不思議ではないですし、その辺りはとても楽しみでした。

 繰り返しになりますが、簡単な課題ではないですが、そこをクリアした瞬間に別チームのように良くなる可能性を秘めたチームに感じということを強調して、そこを信じて、みなさんと一緒に応援していきたいなと思いました。

 そして、この試合の長野も粘ってましたし、テゲバも粘り強く戦うことで、見えてくる景色があるはずです。ここからです!


5、AT(アディショナルタイム)


・アンケート


文章・図=杉野 雅昭
text・figure=Masaaki Sugino


筆者紹介
 冷静さと熱さを両立した上で、自分の感じた事を自分の言葉で表現することを大事にしていて、ハイライトやテキスト速報をレビューを書くために映像や速報などを確認しますが、極力SNSの情報を遮断し、レビューを執筆していくスタイル。流石に通知や開いた時などに、偶然に目にすることもありますが、綿密に分析するというよりは、サッカーというスポーツの魅力を発信することを一番大事にしている直感型レビュアー。
 ファジアーノ岡山だけではなく、対戦クラブにもリスペクトの意識を持って、言葉にすることを心がけています。同時に、サポーターとの交流や魅力を語り合うことも好きで、レビューを書き始めて、中断期間や書けなかった試合こそありますが、10年以上、ファジアーノ岡山を中心にサッカーのある生活をエンジョイしつつ、応援してきました。同時に、人数も回数こそ少ないですが、岡山を問わず交流のできたサポーターの方もいて「趣味」という「生活」の一部になっていて、サッカー観戦を心より楽しんできました。これからも多くのサッカー通じての交流を大事にしつつ、皆さんと一緒にサッカーを楽しみたい。


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