2025テゲバジャーロ宮崎にフォーカス2『 結束のテゲバプレス~心の方向(咆哮)~ 』J3 第2節(H) vs 福島ユナイテッドFC
1、嬉しい今季初勝利~安心~
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2025年02月23日(日曜日)14:03kick off いちご宮崎新富サッカー場
開幕戦が、残念な結果に終わってしまったので、ホーム連敗だけは避けなければならない。そういったシチュエーションで迎えた2戦目ですが、今季も残留争いするというよりは、自動昇格は難しくても、プレーオフ圏内を目標に戦っていくことはできるという認識でしたので、心情的には、いつか勝てるでしょうという気持ちで、心配はしていませんでした。
それでもまだ2節目ですから、早い段階で、勝ち点3を積み重ねて、自動昇格を目指して戦えたらという希望を持ちながら、可能性はある限りは、高いところを前提とした方向性で、書いていきたいとは思っています。
さて、今節は、左SHに10番 阿野 真拓 選手が、DHに8番 力安 祥伍 選手が、スタメン復帰して、24シーズンの終盤に近いベースの気心知れたメンバーになりました。
前節スタメンであった34番 河井 駿樹 選手と、41番 坂井 駿也 選手がリザーブメンバーに回り、23番 キム・ゴンヨン 選手と40番 安藤 陸登 選手もリザーブメンバーに入って、 18番 吉澤 柊 選手と2番 青山 生 選手がリザーブメンバーからも外れました。
初戦を落としたことで、ホームでの連敗をしたくないという気持ちが働いたのかもしれないですね。このスタメン変更がどう試合に影響があったでしょうか。それでは、その辺りも意識しつつ、試合を振り返っていきたいと思います。
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2、対ポゼッションの定石~連動と継続~
テゲバというクラブは、フィジカル面での強化に力を入れているクラブです。育成クラブという明確な方向性を示したことで、鍛えることで強度の高いプレーができるようになる若い選手を中心としたチーム編成となっています。
そういった選手をできる限り起用し、明確なフィジカルスタンダードを示すことで、運動量で攻勢に繋げるというのが、必勝パターンの1つです。
この試合では、3得点目が決まるまでは、絶えず福島のパスを繋ぐスタイルに対して、テゲバプレスが襲いかかりました。
それでも先制点を決めたのは、福島の方で、テゲバプレスを受ける中で、生じやすいセカンドボールを巡る攻防のなかで、最終的にマイボールにしたのは、福島の10番 森 晃太 選手。
上手いだけではなく、スピードもあることを感じるキープで、テゲバのプレス網も一瞬で突き抜けると、遠い距離からですが、シュートコースがあるとみるや、迷いなく振り切られたシュートは、ゴール手前で、急落下。テゲバの守護神の55番 青木 心 選手も懸命にシュートコースへ入って、跳躍しますが、シュートはその手の先を超えて、ゴールイン。
凄いミドルシュートでしたね。J3の各クラブには、こういった感じのスペシャルな選手が1人は、いるイメージですね。結構テーピングとかしていたので、そこのところの怪我がなければ、もっと上のカテゴリーでやれた選手かもしれないです。
これで、2試合連続で、先制点を許してしまったテゲバですが、やることは、はっきりしていて、前からのハイプレス。繋ぎたい福島に対し、そのパスをカットして、カウンターを仕掛けたいテゲバ。逆に福島もテゲバのプレスの背後を狙うという明確な狙いあうというシンプルな対決の構図が出来上がっていました。
先に失点しまった動揺はもちろんあったでしょうけど、そこから気持ちをきらさず、自分達のサッカーを信じて、前からプレスをかけていくということができていたと思います。
前半のシュート数を考えてもテゲバが、どちらかと言えば優位を築けていた中で得たCK。10番 井上 怜 選手の気持ちの籠ったボールに33番 黒木 祥伍 選手のヘッディングシュート。GKの22番 吉丸 絢梓 選手がセーブされてしまったかと思いましたが、しっかりラインを割っていて、同点ゴールと認められました。
その後の強度と速さが伴った連動した上で継続されたプレスで、チャンスを作るも勝ち越しまで至らず、勝負は後半へ。
3、前節の敗戦への解答~開幕~
後半に入ってもテゲバのプレスは効果的で、福島も前に運ぶのに苦しんでいたように画面越しに感じました。ボールホルダー(ボールを持っている選手)に対して、しっかり距離を詰めて寄せることができていましたし、球離れが悪いとみるや、複数人で囲い込み、ボール奪取のトライを試みるということを継続してできていました。
テゲバの流れを呼び込めたポイントとして、先制点を決めた10番 森 晃太 選手も下がったことも大きかったでしょうか。個人技や連携プレーで、テゲバのプレス網を突破したり、シュートまで行くというシーンは、偶発的なものを除いて、少なくなっていました。
逆にテゲバは、ボール奪取からのカウンターだけではなく、11番 橋本 啓吾 選手、10番 井上 怜 選手、20番 阿野 真拓 選手の推進力や仕掛けを軸に、個での突破というシーンも作れるようになっていました。
攻撃では、テゲバのプレスを受けて、守備ではテゲバの個の力を受けて、心身共に消耗していたのかもしれません。もちろん、テゲバの強度の高いプレスを絶え間なく続けていましたから、間違いなく時間が進めば進むほど体力を消耗していくわけですから、早い時間帯での逆転していくことが必要な状況でした。
そんな中で、FKで、47番 奥村 晃司 選手からのボールに合わせた11番 橋本 啓吾 選手執念のダイビングヘッドが、威力が弱かったことで、GKの僅かなスペースへのパスとなる33番 黒木 祥伍 選手が押し込もうとするも押し込めず、GKの22番 吉丸 絢梓 選手の胸に当たって跳ね返った先に、ファイヤーの35番 江川 慶城 選手が待っていて、頭で押し込んで逆転ゴールが決まる。
逆転して勢いに乗ったテゲバは、その後も守りに入ることなく、攻守でアグレッシブに攻め続ける。すると、GKの22番 吉丸 絢梓 選手にプレスをかけたことで、GKからのパスが乱れて、20番 阿野 真拓 選手へのプレゼントパスになった。すぐに福島の選手が寄せて、シュートコースに立ち塞がったことで、シュートコースが塞がれたように見えたが、浮かした上でゴールに向かって落ちるように力加減を調整したループシュートの軌道と、狙ったところへ蹴るという精度の高いコントロールシュートの合わせ技で、シュートコースを創造して、高難度のシュートが、誰も触れないコースへと吸い込まれた。エクセレントなテゲバの追加点を決めた20番 阿野 真拓 選手。
東京Vユースのメッシと言われた20番 阿野 真拓 選手が、今季からテゲバのメッシとなり、デル・ピエーロ・ゾーン(デルピエロゾーン)と言われる角度からのシュートをまさにアノ・マヒーロ・ゾーン(アノマヒロゾーン)が浮かんだ、芸術的な得点を決めて見せた。
その後もほぼ試合終盤まで、前からのプレスと攻める姿勢を崩さなかった。
47番 奥村 晃司 選手も決勝点に繋がったプレースキックだけではなく、随所随所にパスで非凡なセンスを魅せたと思えば、その47番 奥村 晃司 選手に交代して入った34番 河井 駿樹 選手が、DHではなく、OHとしてそのアジリティと守備の上手さを活かしたプレスの強度の維持を図ると、開幕戦にスタメンであった41番 坂井 駿也 選手も攻守でアグレッシブにプレー。
今季は、交代枠を使い切って、3-1でしっかりクローズして、前節への敗戦の最大の理由であった決定力不足に1つの解答を掲示できた。
ともあれ、ズルズルいくことなく、力を示して勝利できたことで、「J2昇格」を意識できるチームだということを証明するだけではなく、自分達を信じることができる勝利にもなった。若い選手も多いですし、ここから勢いに乗って、上位を目指して欲しいです。
まずは、今季初勝利おめでとうございます!!
そして、J2昇格に向けて、名乗りあげることができた。
そういった意味でも、ここから昇格への挑戦の開幕!!
4、次節に向けての収穫や考察~課題クリアへ~
・47番 奥村 晃司 選手は「パサー」
YS横浜時代に、8得点も結構決めていたので、ドリブルで運べるアタッカーだと想像していましたが、どちらかと言えば、パサーに近いイメージを抱きました。
ドリブルで打開するというよりは、味方選手をパスで活かして、自身へのパスが来て、得点を決めるタイプに感じましたね。
左右のSH、CFが、単独突破できるタイプですので、その三選手と連携を深めていく中で、パスが繋がっていくことで、相乗効果が生まれそうな気がしますね。
なんとなくですけど、シーズン終盤にアシストもゴールも期待できるトップ下として、フィットしてくれそうな気がしますね。
・正直驚いた35番 江川 慶城 選手の「キャラクター」
正直、気持ちで引いた部分もあるんですが、熱い性格の方だったのですね。ファイヤーみたいな奇声が、最初入って、ノイズかと思ったら江川選手の声だったのかと、びっくりしました。
でも、嫌いとか苦手じゃなくて、またあの咆哮をインタビューで聞きたいですし、この熱い部分は、DFには必要だと思いますし、チームを気持ちから奮い立たせて欲しいと感じました。
昨シーズン終盤もピンチを顔面ブロックしたりなど、体を張って防いだ試合もあったはずなので、そういったプレーは、この熱さから生まれてるのではないかと感じましたね。
テゲバのヒーローになって欲しいです。
・新左SB「39番 下川 陽太 選手の魅力」
90分間走り切れるスタミナも魅力ですし、辻本選手の手堅く力強いCBよりの堅守の左SBと違い、走れて上手い39番 下川 陽太 選手の攻撃参加は、テゲバの新しい武器になりえると感じました。
右利きですけど、左での出場機会も伸びてますし、違和感はまったくないですね。逆に右利きだからこその武器が生きてる気がします。自身の課題や苦手な部分を理解できるてる選手は、そこを感じさせないプレーができると感じたパフォーマンスであったように感じましたね。
本当に期待できて、頼りになる新左SBだと思います。
・堅守のチームに対しての決定力
今節対戦した福島というチームは、どちらかと言えば、ボールを保持して、主導権を握るというどちらかと言えば、攻撃を重視したサッカーのチームです。しかも、前にある程度人数かけていますから。
初戦の長野とかある程度、守備に人数を残して、少ない人数と少ない攻撃機会で、チャンスを探る感じでした。
この辺り、攻撃的なチームとは相性が良いと私は認識していて、テゲバには、テゲバプレスというテゲバの唯一無二と言える強力なプレスがありますから、ロングパスを安易に蹴らないという福島とは相性的に、戦い易い部分はあったと思います。
次節の栃木は、近年は手堅いサッカーに舵を切っていた印象がありますから、J2昇格を目指すために、新スタイルに挑戦していない限りは、非常にバランスのとれた手堅いサッカーをしてくるでしょう。
開幕戦の高知に対して、シュート4本で、1-0で勝利。2戦目もシュート4本でしたが、0-1の敗戦でした。ここから見ても長野のようなサッカーの可能性が高いでしょう。
そうなると、人数をかけた上で、強度の高い守備ブロックをどう崩すか。そして、カウンターへのリスク管理をどれだけできるか。
シュート数を競うスポーツではないですから、シュート1本だけでも負けることがあるかもしれません。
ロングパスを恐らくある程度使ってくるでしょうし、どれだけプレスをかけていくのか。攻撃の形をどれだけ作れるか。その辺りに注目したいです。
・結束のテゲバプレス~心の方向(咆哮)
開幕戦の悔しい敗戦がチームを再び結束させて、実現したテゲバプレス。今までみたどの試合より勇敢で、力強い、気持ちを感じたプレスでした。
チームとしての心の方向を一つにできたことで、1つ1つのプレーがまるで、咆哮したかのように力強かった。サッカーにおける闘争本能。そこを体現できた試合だったんじゃないかと思います。
気持ちが熱くなる魅力が、テゲバにはあった。
ここから歴史的なシーズンになると信じて、応援していきたい。
ほう‐こう〔ハウカウ〕【×咆×哮】 の解説
[名](スル)猛獣などが、ほえたけること。また、その声。「虎 (とら) が—する」
より一部引用
URL:https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%92%86%E5%93%AE/
文章・図=杉野 雅昭
text・figure=Masaaki Sugino
・アンケート
※:33番 黒木 謙吾 選手のアシストではなかったので、1ゴール1アシストではなく、正しくは1ゴールでした。※
2025 J3 第2節(H)福島戦
— 杉野 雅昭(Since2008) (@sugi8823) February 23, 2025
『 #テゲバジャーロ宮崎 のMOMは? 』
①20番 #阿野真拓 選手
アノ・マヒーロ・ゾーン(デル・ピエーロ・ゾーン)。
②33番 #黒木謙吾 選手
空中戦で圧巻の強さ、1ゴール1アシストで勝利に貢献。
③35番 #江川慶城 選手
ファイヤーソウル炸裂、闘魂の決勝ゴール。
↓アンケート
『 #テゲバジャーロ宮崎 の福島戦のMOMは? 』
— 杉野 雅昭(Since2008) (@sugi8823) February 23, 2025
今節も独断と偏見でノミネート。
①20番 #阿野真拓 選手
②33番 #黒木謙吾 選手
③35番 #江川慶城 選手
④上記以外の選択肢
11番 #橋本啓吾 選手
空中戦・推進力を武器に攻撃を牽引した。
39番 #下川陽太 選手
攻守で躍動、バーに当たる惜しいシュートも。
筆者紹介
冷静さと熱さを両立した上で、自分の感じた事を自分の言葉で表現することを大事にしていて、ハイライトやテキスト速報をレビューを書くために映像や速報などを確認しますが、極力SNSの情報を遮断し、レビューを執筆していくスタイル。流石に通知や開いた時などに、偶然に目にすることもありますが、綿密に分析するというよりは、サッカーというスポーツの魅力を発信することを一番大事にしている直感型レビュアー。
ファジアーノ岡山だけではなく、対戦クラブにもリスペクトの意識を持って、言葉にすることを心がけています。同時に、サポーターとの交流や魅力を語り合うことも好きで、レビューを書き始めて、中断期間や書けなかった試合こそありますが、10年以上、ファジアーノ岡山を中心にサッカーのある生活をエンジョイしつつ、応援してきました。同時に、人数も回数こそ少ないですが、岡山を問わず交流のできたサポーターの方もいて「趣味」という「生活」の一部になっていて、サッカー観戦を心より楽しんできました。これからも多くのサッカー通じての交流を大事にしつつ、皆さんと一緒にサッカーを楽しみたい。
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