111*ごめん、いま猫でいそがしい(クロきび2019)
クロちゃんは、ケケッと短く鳴くときがある。どういう意味なのかなと思い、ネットで検索すると、獲物に手が届かなくて悔しい、ということだった。小梅太夫(こうめだゆう)という白塗りの芸人さんの『ちっきしょう』という持ちネタを久々に思い出した。だけど、いまのところ、クロちゃんの怒りのシャーもフーも聞いたことがない。きびちゃんとの取っ組み合いも基本的に無声なので、遊んでいるだけなんだろうと解釈している。けっこう激しい戦いなのにクロきび共に声をたてない。黙々と、取っ組み合っている。どっちから仕掛けるのかなと見ていると、クロちゃんから挑んでいるときも、きびちゃんが襲いかかっているときもある。気が向いたほうが仕掛けているようだ。油断している相手を物陰から、そっと、うかがい、おしりをもにもにさせて飛びかかる。
『はぴはぴくるねこ』の4巻を読んだ。『くるねこ』は20巻まであって、その続きとして『はぴはぴくるねこ』に変わっての4巻めだ。新米の猫暮らしの、私のようなものにとってはバイブルである。このシリーズを読み返しながら、いつかくるクロきびとのお別れの日というものに、なんどもなんども心の準備をするのだけど、耐えられるだろうか。いや、耐えなければならない。ちゃんと、私が見送らなければ。なるべく遠い、いつかでありますように。
しのびよる、きび↑
あ!↑
クロ、あきらめる↑
きび「ももたろう、読んで」
クロ「やれやれ。むかしむかし、あるところに…」
きび「村上春樹じゃなくて、村山聖ふうに!」
クロ「むり!」