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ケースから一掴みの5曲~チューリップ編。
オフコース、甲斐バンドときたらやはりチューリップでしょう。これは悩まずに決めましたね。
が、手持ちのCDで、意図がある選曲をしたいなと思っていたら結構難しくて、かなり悩みながらのものになりそうです。
ちなみに毎回、アーティストのマイ・ベスト5ではなく、ケースの中から引っ張り出したCDで聴いてもらいたい曲を紹介するというのが毎回のテーマです。
曲順は頭の中でまず考えて、書いた順に並べて聴いてますね。CDやサブスクになくても、頭の中で再現してみてくださいな。
それではもう少しお付き合いください。
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・チューリップ「千鳥橋渋滞」
from album『TULIP BEST 心の旅』(TOCT--0793/東芝EMI)
元々はこの曲、チューリップのファースト・アルバム『魔法の黄色い靴』に収録されていた曲です。
初めて聴いた時、ちょっと変な歌詞なんだけど、メチャクチャポップな曲だなと思い、すぐに大好きになりましたね。
作詞はギターの安部俊幸さん、作曲はギターとキーボードにヴォーカルの姫野達也さんによる作品です。
チューリップのほとんどの楽曲がリーダーの財津和夫さんによって書かれているので、クレジットを見てまず意識した曲でした。
エンディング近くの笛のような音は瓶に水を入れたものを吹いたとか。でもいい音ですね。
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・チューリップ「あの、ゆるやかな日々」
from CD『SINCERELY YOURS』(VICL-60916~7/ビクター)
これまた安部さん&姫野さんによる作品です。二人が書いた曲は主に姫野さんがヴォーカルということが多いのですが、この曲は珍しく財津さんがヴォーカルですね。
ファルセット(裏声)を多用しているからなのでしょうか?
元々はアルバム『TAKE OFF』収録曲で、どこかポール・マッカートニーを彷彿させる曲です。
印象的なビアノのイントロは姫野さんが「曲全体を録音してから後で付け加えた」と資料本で姫野さん自身が語っているのに、このアルバムのライナーでは「そんなことはない」と言っているのが非常に面白いですね。
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・チューリップ「夏色のおもいで」
from CD『singles 24《1972-1984》』(TOCT-5704~6/東芝EMI)
チューリップがブレイクした「心の旅」の次のシングルで、リード・ヴォーカルは姫野さんです。
この曲は松本隆さんが作詞家になるきっかけというか、依頼されて書いた初期の作品でもあります。
松本さんと財津さんが後に松田聖子さんの曲でコンビを組むことを考えると、非常に興味深いですね。
そして、この曲で松本さんが筒美京平さんから注目されたというのも素晴らしい。
色々な出会いを生んだという意味で、日本の音楽界では重要な曲だと言えるでしょう。
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・チューリップ「電車」
from album『TULIP BEST 心の旅』(TOCT-10793/東芝EMI)
元々は彼らのセカンド・アルバム『君のために生れかわろう』収録曲です。
これも安部さん&姫野さんコンビで作られた曲ですね。
2分足らずの短い曲ですが、アップ・テンポなのとサイケデリックな演奏が印象的な仕上がりですね。
「心の旅」が発売される前の方向を模索していた時期ならではの作品かもしれません。
1979年末のツアー(オリジナル・メンバーの吉田彰さんと上田雅利さんにとっては最後のツアーであり、サポートとして参加した宮城伸一郎さんにとっては最初のツアー)や1980年の鈴蘭高原2で演奏されていますが、ライヴでは多少は長くなっていました(でも3分足らずですが)。
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・チューリップ「博多っ子純情」
from CD『SINCERELY YOURS』(VICL-60916~7/ビクター)
この曲はアルバム『Welcome to my house 』収録曲で、同タイトルの漫画の著者、長谷川法世さんの許諾を得てタイトルにしたそうです。
その後、海援隊がこのタイトルで曲にしたいと長谷川さんに頼んだところ、既にチューリップがレコード化していたとか。
ちなみに漫画「博多っ子純情」は光石研さん主演で映画化されましたが、この曲は使用されていません。
あと、個人的には安部さん&姫野さんコンビの作品は割とポップな曲が多いので、フォーク・タッチのこの曲はちょっと意外な感じでしたね。
でも、この曲が安部さん&姫野さんコンビでは一番人気がある曲だと思います。
先ほど触れた1980年の鈴蘭高原でのライヴでは豪雨の中での演奏で、感極まってしまった姫野さんが(泣いてしまって)歌えなくなったのが、強く印象に残っています。
今回、チューリップの楽曲の中でも割とメインから外れた(と思われる)選曲になりましたが、これはかなり意図的なものですね。
チューリップはやはりアルバムかライヴのアーティストで、シングル曲も大好きな曲が多いのですが、流れの中だとより曲のよさが引き立つと曲を選んでいて実感しました。
チューリップのベスト盤は本当に色々と発売されていますが、『SINCERELY YOURS』はヒット曲や代表曲に未発表ライヴで1枚、隠れ名曲~裏ベストで1枚の2枚組ベストというのと、ライナーが充実しているのでおすすめです。
他にはビートルズのカヴァー・アルバム『すべて君たちのせいさ! ALL BECAUSE OF YOU GUYS』は1976年時点でどうチューリップに届いていたか、実感できるのが興味深いです。
もっとわかりやすく言うと、ホーンやストリングスをキーボードでどう置き換えるかということと、財津さんのヴォーカルがいかにポールに影響されているかを理解できることですかね。
私にとってチューリップは知れば知るほど面白い!存在なのは中学生になるかならない頃から変わらないというのが今回の結論です。
ケースから一掴みの5曲は10日も続いたので、明日からは音楽以外のことを書いてみようかと考えております。まだ完全に未定ですが。
ではまたー。