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今日の一枚〜ジューシィ・フルーツ『27分の恋』

 それなりに音楽関係の雑誌や書籍を持っているわけなんですが、結構重要な位置にある作品でもリアルタイムでは殆ど取り上げられてないこともよくあるんですよね。
当時、ラジオで聴いた程度の知識しかなくても、それを検証することがかなり難しくなっていたりして、ネット検索しても判明しなくてイライラしてしまうわけです。
それはともかく、じゃ、行ってみよー。

・ジューシィ・フルーツ『27分の恋』(COCP-37432/コロムビア)

 これはジューシィ・フルーツの4枚目のアルバムでして、1982年にリリースされた作品ですね。
編曲はジューシィ・フルーツと戸田誠司さん。
1982年ですからまだリアル・フィッシュとしては『陽気な若き水族館員たち』がリリースされる前年ですし、Shi-ShonenもShan-Shanレーベルからデビューしていないわけですから、実質的にメジャー・レーベルで初めての仕事という感じですね。


 ちなみにこの当時、ヴォーカルのイリアさんはMBSラジオ「MBSヤングタウン(水曜日)」のレギュラーでしたから、シングル曲は必ず毎週聴いてましたし、レコーディングの話もなんとなくですが耳に入ってきたわけです。
先行シングルだった「哀シャローム」はジューシィ・フルーツ+1名義での発売で、そのプラス1とは後の日本テレビアナウンサーの籔本雅子さんだったことは後に知りました。
「哀シャローム」は筒美京平さん作曲だったのが結構驚きだった記憶があります。
まー、ハウス・ディレクターの三野明洋さんは山下久美子さんや近田春夫さんも担当していて、筒美さんとの関係は既にあったということなのでした。

 このアルバムには筒美京平作品がもう1曲入っていて、MANNA(岩澤幸矢さんの奥様で、佐野元春さんの周辺にいた人)さんが発表した「TOKIO通信」をカヴァーしています。
私、この曲がとにかく好きでして、ジューシィのベスト・アルバム『That‘s JUICY FRUITS』で聴いて感動してしまったのです。皆様にも聴いていただきたいです。

 勿論、オリジナルのMANNAさんのヴァージョンも大好きなんですが、ジューシィのヴァージョンがとにかく素晴らしいです。

 このアルバムからのもう一枚シングル・カットされた「夢見るシェルター人形」は「夢見るシャンソン人形」に独自の歌詞を乗せたもので、アルバム・タイトルの『27分恋』はこれから繋がるコンセプトということなのですよ。
この作品はコンセプト・アルバムということは前述のラジオ番組「ヤングタウン」で知った記憶があります。
コンセプト・アルバムだったことと、テーマがリアルタイムでこのアルバムに(私の)手が伸びなかったわけですよ。1982年には他にも欲しいアルバムが発売されたこともありましたが。

 編曲に戸田誠司さんが参加したことで、ゲスト・プレイヤーとして参加したのは、まどろみ誠司〜これは戸田誠司さんでしょうね。
うたかたまり〜福原まりさんでしょう。
エスパー矢口〜これは他にも使われていますから矢口博康さんですね。
つまりリアル・フィッシュな半分のメンバーが参加したということです。
三野明洋さんはShi-Shonenを後に担当しただけではなく、戸田さんのファースト・ソロ・アルバム『Hello World』は三野さんが設立したシックスティ・レコードからのリリースだったことはかなり重要です。
早瀬優香子さんのサード・アルバム『ポリエステル』を戸田さんがプロデュースしたのはこのラインからのはずです。

 ジューシィ・フルーツのアルバムとして楽曲と編曲が充実した作品なわけですが、後々Shi-Shonen、リアル・フィッシュ人脈が近田春夫さん人脈に繋がるきっかけであり、コロムビアから作品を発表するきっかけだったことはもっと強調されてもいいと思います。

 ではまたー。









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