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今日の一枚〜村松邦男『ROMAN+9』

 冬になると聴きたくなるアルバムです。
オリジナル盤は1985年1月の発売でしたし、紙ジャケット再発のリマスタリングをしたのも2007年の1月だったんですよ。
じゃ、行ってみよー。

・村松邦男『ROMAN+9』(BRIDGE397/BRIDGE)

 これは昨年再発された村松邦男さんのCDなんですが、個人的に一番思い入れがあるアルバムなんですよね。
アルバム『ROMAN』にシングル「X’mas Rock」とミニ・アルバム『TOURIST』、カラオケ・ヴァージョンなどの豪華仕様な2007年盤がHQCDとなって更に音質アップされたんですよ。

 村松さんは昨日取り上げた山本達彦さんのサポートしていた時期がありまして、このアルバム収録曲の「RAINY DAY」をライヴで取り上げていたそうなんですよね。
他にも吉田美奈子さんの歌詞が山下達郎さんの「Daydream」を連想させる「愛してルミナス」や吉田美奈子さんの歌詞が素晴らしい「雨糸」、ストリングスをバックに歌い上げる「冬の陽だまり」、シティ・ポップのコンピに数多く収録されている「LOVER’S PARTY」など名曲目白押しです。

 ボーナス・トラックの「X’mas Rock」もウォール・オブ・サウンドの名曲ですし、「SUNRISE TWIST」は化粧品のCMソングに使用されている上に演奏が梅林茂さんや奈良俊博さんなどのEXなんですよ。
そんなわけで前回紙ジャケット盤が再発された時に一番話題になったとか。

 ライナー・ノートの取材は私が担当しまして、今回追加されたメール・インタビューも私でした。
実は入院中だった私は村松さんとのやりとりなど嬉しい出来事ではありましたが、ヘロヘロになりながらの作業でしたね。

 ボックス・セットで再発する構想もありまして、ボーナス・トラックに紙ジャケット盤の購入特典CD-Rや前回未収録になってしまったヴァージョンや、紙ジャケット盤の発売記念ライヴやラジオの公開録音で放送された音源などを提案した記憶があります。
その場合はボーナス・ディスクという形でしたね。
実現してほしかったなー(笑)。
スケジュールなどの問題で難しかったのですが。

 アルバムに話を戻しますと、杉林恭雄さんが歌詞を書いたり、ウニタ・ミニマのれいちさんが参加したりと日本のロック、ポップス・シーンでもかなり独特なミュージシャンと繋がりができたのは担当ディレクターが芹沢のえさんだったからだとか。 
芹沢さんはジャパン・レコードのラフ・トレード担当でもあったりしたことが関係しているそうです。

 ちなみにミニ・アルバム『TOURIST』の担当ディレクターはPASSレコードや水族館レーベルの芝省三さんでした。
後にメトロトロン・レコードを鈴木博文さんと鈴木慶一さんと設立したことで知られてますよね。
EXが参加したのは芝さんの紹介だったそうです。

 紙ジャケット再発の際、ナイアガラ・レーベルより日本のメトロ系のミュージシャンの話を引き出そうとしたのは、再発したレーベルのカタログが斎藤美和子さんとポータブル・ロックだったことを意識したからだという話は何度もしてますので、この辺で。

 このアルバムの再発のお手伝いできたことは私の誇りですし、あまりに集中してやったので、これで燃え尽きてしまった感がありましたね。真面目な話。
山本達彦さんの翌日に村松邦男さんの記事を書ける意味は私にとって非常に大きいのでした。
関係各位の皆さまに感謝して終わります。ありがとう。

 ではまたー。

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