獲物の分け前〜来生たかお『Spakle+4』
ベスト盤が多数出ているアーティストはキャリアが長かったり、ヒット曲が多かったりするわけなんですが、その割に納得できる選曲のベスト盤が存在しないこともあるわけです。
来生たかおさんはソングライターとして実績を残している方なので、来生さん自身のヒット曲というよりも、提供曲中心の選曲になりがちなので、個人的には納得できるものがないんですよねー。
今日取り上げるのは、来生さんのベスト盤ではなくて、大好きなオリジナル・アルバムを入手したということで、そのアルバムについて書いてみます。
・来生たかお『Spakle+4』(UPCY-9875/ユニバーサルミュージック)
来生さんのレコードを初めて買ったのは、ドラマ「愛のホットライン」の主題歌に「Goodbye Day」が使われていたのを聴いたからでした。
確か加山雄三さんが主役だったかな?とにかくその声と曲が気に入ってすぐ購入したはずです。
提供曲であるしばたはつみさんの「マイラグジュアリーナイト」は知ってましたけど、来生さん自身には全く興味なかったんですよね。
「Goodbye Day」のシングル・ヴァージョンは編曲が松任谷正隆さんだったこともあって、何度も繰り返し聴いてました。
でもアルバム買うまでには至らなくて、実際に購入したのは薬師丸ひろ子さんの「セーラー服と機関銃」と来生さんの「夢の途中」がヒットしたからでしたね。
買って思ったのは「Goodbye Day」はシングル・ヴァージョンの方がいいな、ということでした。
あと「Easy Drive」がまず好きになったわけなんですが、それはコーラスが印象的だったからでした。
ふと思い出してCDを聴き直したら、この女性コーラスは山川恵津子さんじゃないか?と気づいたわけです。
今回CDが到着したのでチェックしてみたら、案の定山川恵津子さんでした(ちなみにコーラス・アレンジも山川さん)。
しかも男声コーラスは鳴海寛さんだったという。
つまりコーラスは東北新幹線のお二方なわけです。そりゃ印象に残りますよね。
「たそがれの苺」と「窓辺の女(ひと)」のコーラスとコーラス・アレンジは杉真理さんというのも深いです。
松任谷正隆さんと杉さんは松任谷由実さんで仕事してましたから当然の起用ですよね。
杉さんがコーラス・アレンジをするようになったのは竹内まりやさんのデビュー位からなので、これまた深いです。
それにこのCDでは「Goodbye Day」のシングル・ヴァージョンがボーナス・トラックとして収録されたことを知ったのも購入した理由のひとつでした。
おまけに名曲「美しい女(ひと)」も収録されてましたから、これは非常にありがたかったです。
「美しい女(ひと)」は元々とある企画で町田義人さんのために書かれた曲で、後に「夢の途中」で両A面になったのとは別ヴァージョンなのでした。
私の記憶ではミニ・アルバムに収録されたものをここに収録し直したというわけなんです。
来生さんの姉の来生えつこさんは「セクシー・ユー(モンロー・ウォーク)」でこの頃から注目され始めたりで、流れが一気にかわった時期でもあります。
その後も来生たかおさんは中森明菜さんや原田知世さんや南野陽子さんたちに楽曲を提供していましたし、「無口な夜」や「はぐれそうな天使」などヒット曲もリリースしています。
ここからはあくまで個人的な意見ですが、来生さんの初期の名曲を中心にコンパイルしたベスト盤があまりないんですよね。
提供曲のセルフカヴァーが中心になっているものが多くて。
その辺解決するために『Biography』が出ていたはずなんですか、現在入手困難なのでした。ユニバーサルミュージックさん、再プレスしてください。お願いします。
ではまたー。