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自分を満たすものを手元に置くと、心が穏やかになる

7月に左足首を骨折してしまい、松葉杖生活となった。

我が家は2階で、エレベーターがない。つまり、とうぶん外出ができない。
当面の生活用品をネットで買い揃えながら、思い切ってスターバックスのコールドカップグラスを買った。

お値段は1900円。食器はホームセンターで適当に買いそろえたものを10年以上使い倒している私にとっては、なかなか高額な買い物だ。

冷たい飲み物専用ということで、いまどき食洗機も電子レンジも使えない。
何年か前に初期ロットが発売された際には、迷っている間にあれよあれよと完売してしまった。それからずっと心に引っかかっていたのだった。

それがタイミングよく再販され、「家でフラペチーノが作れたら楽しいかも」という思いに駆られて購入ボタンを押した。面倒くさがりな性分なので滅多にデザートなど作らないが、痛い思いをしている自分を甘やかしてやりたくなったのだ。

どうせ引きこもりで暇なのだから、夫にアイスと生クリームを買ってきてもらって盛り付けるくらいの楽しみがあってもいい。
それに、どんなインスタントコーヒーもこのグラスで飲んだらきっとおいしさが増す気がした。というか、気分がいいだろう。

スターバックスが好きだ。
デスクワークに通ったり、カスタマイズ盛り盛りのフラペチーノをご褒美にしたり。ここ数年は毎月5000円と決めてプリペイドカードにチャージし続けている。その範囲なら好きに使っていい、という自分への小遣いである。
家でもコーヒーは淹れるが、「スタバ」という空間がいい。人の中にいる安心感と、ほどよい緊張感。私にとっては気軽なテーマパークのようで、リフレッシュできる空間の象徴が、あの緑色のロゴマークだ。

そんなグラスを取り出して、たっぷりの氷で満たす。お湯で溶かすだけのインスタントコーヒーをわざわざサーバーに作り、ゆっくり氷の上に注ぐとき、なんだか魔法をかけているような気持ちだ。全部注ぎ終わってしまえば、お店で飲むそれと見た目は何も変わらない。

たまらない「プチ贅沢」な時間。それが自宅の戸棚に眠っている。いつでも、何度でも、自分を少しだけ甘やかすことができる。

手に取るだけで幸せになるものにお金を払い、大切に使うこと。それが私にとって、いちばん身近なサステナビリティだと感じる。
そんなふうに自分を満たすものを手にできたと思えば、骨折したこともまあ、悪くはないかもしれない。


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