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ほとんどカロリーも何もないコーヒーがおいしい理由
「おいしいものは、脂肪と糖でできている」
からだすこやか茶WのCMで登場した有名なセリフがあるが、一見これに真っ向から逆らう存在がコーヒーだ。
ブラックコーヒーは甘くないし脂っ気も感じないが、香ばしくてうまい。
これについてなぜだろうと疑問に思っていたが、おそらく「違う部分のおいしさ」みたいなものがあるのだろうとはなんとな〜く気づいていた。
最近になってやっと分かったのだが、この「コーヒーのおいしさ」に関わってくるのが「メイラード反応」と「カラメル化」である。
●メイラード反応
フライパンで肉を焼くと茶色くなって表面に焦げ目がつくが、これは加熱されることで肉に含まれるアミノ酸と糖質が結合し(アミノカルボニル反応とも呼ばれる)、メラノイジンという物質ができている状態らしい。
メラノイジンは加熱以外にも発酵でも発生し、例えば味噌や醤油が茶色っぽいのは実はパンの耳やご飯のおこげと同じ原理である。
メイラード反応の結果発生するメラノイジンは抗酸化作用を持ち、動脈硬化を防ぐなど健康にもいいらしいが、同時に発ガン性を持つアクリルアミドもできるので取りすぎには気をつけたい。
●カラメル化
「キャラメル化」とも言い、こちらも加熱によって食材の成分が変化して起こるのだが(要するにその名の通り「キャラメル」)、先ほどのメイラード反応が糖+アミノ酸だったのに対しこちらは糖のみだ。
高温で加熱された糖の分子が壊れて褐色になり、あの独特の香気や苦味が生まれるとのことらしい。
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確かに、プリンのカラメルソースは香ばしくて苦いが、要するにコーヒーと同じ理屈だったというわけか!
●ブラックコーヒーはゼロカロリーじゃない!?
最初の話に戻ると、実はコーヒーはゼロカロリーではなく(!)、微妙に糖質や脂質が含まれている(100mlあたり2 から4kcalぐらい)。
そしてこれこそが焙煎されたコーヒー豆にメイラード反応+カラメル化が起こり、コーヒーが「苦くてうまい」理由なのだ。