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岡野純さんの『時間クエスト』が面白すぎる!
岡野 純(おかの じゅん)さんの漫画『時間クエスト』を読んだ。
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すごく良いんだけど……うーん、一体何が良かったんだろう?
簡単に解説してみる。
(④以降にはネタバレがあるので注意!)
① 2024年2月にペーパーバック版発売
岡野 純さんというのは、この方。
会社員と漫画クリエイターのパラレルワークをされていて、15冊以上の書籍を出版済み。累計部数は15万部を超えるというから、驚きだ。
この本は以前からTwitterなどで見かけており、その度に
「子どもにも良さそう!」
「面白い雰囲気の中で時間管理が分かる内容っぽいな」
と気になっていた。
今までは電子本のみの販売だったけれど、今年2月に待望のペーパーバック(紙の本)が完成。
上記記事のような苦労はあったらしいが、どうしても紙で読みたかったので嬉しい!
紙が良い理由はズバリ「子どもにも参考になりそう」だから。
私自身が未だに電子書籍より紙の本が好き、ということも関係がある。
② あるあるの嵐! 時間管理・タスク管理
この本の第一の良さは
「うん、あるある」
「だよねー」
「あぁ……私もよくやりがち」
と、キャラクターに共感できることにあると思う。
「大神官の証ともいえる伝説の時魔法を習得したいと思っているのですが
なかなかその情報を収集したり学んだりする時間が…」
「おぉ、わかるぜ
俺も昔、伝説の大商人に憧れて勉強しようとしたんだが
日々の仕事が忙しくて、なかなかな…」
「なかなか、ですよねぇ…」
「こうしたいと思っているけど、忙しくてなかなか…」
このセリフを全く口にしたことのない現代人はいるだろうか?
……いや、ほとんどいないはず。
それくらい、「やりたいことはあっても毎日やるべきことに追われていると難しい」という認識は一般的なものだろう。
でも、クエスト(RPGにおける冒険シナリオ)において普通そんな話は出てこないはずだから、そのギャップが面白い。
「…おかしくないか」
「何が?」
「私は今日、いつもどおり15時に仕事を終えた
だから、遅くとも15時過ぎには出発できると思っていたのに
なぜもう、16時近くになっている?」
これがいわゆる、現状維持コスト。
睡眠・歯みがき・トイレ・風呂・着替え・移動など、「やりたいこと」には通常含まれないであろう日常動作のことだ。日々生きていくために必須なため、やりたくなくてもやらざるを得ないタスクなのである。
その存在がつい頭から抜け落ちている、という話。
これらをカレンダーに毎日書いている人はほぼいないだろうが、書いていなくても必ずやることで、意外と時間を食うものだ……という罠。
こんな感じで、
「確かに!」
「そういえばそうなのかもな……」
と思わせてくれる時間についてのTipsが書かれているので、めちゃくちゃ勉強になる。
③ キャラとストーリーの絶妙さ
主人公は、僧侶シーホースと剣士パルフェ。
シーホースは生真面目な性格で、その気質が物語の核心部分の面白さに繋がっている。どちらかと言うとツッコミ役。
パルフェは勇敢で積極的な女の子。たまにボケとして機能する。
個人的にパルフェがめっちゃ好き!!! 岡野さん、こんな魅力的なキャラを作れるなんて素晴らしい……
ストーリーも、面白さやスリルを保ちつつ時間管理術の根本的な部分に迫る内容で、唯一無二ではないだろうか? 他に似た漫画があったら教えてほしいくらい。
面白さにはうるさい私も、この物語には大満足だ。
④ 感想・私の場合(ネタバレあり)
※ ここから本のネタバレがあるので、未読の方は注意!
ストーリー内で立ちはだかるキャラは、以下の通り。
ルメール
能力はインビジブル(不可視化)
「最後の壁」を強調して示すことで「事前の壁」の存在から目をそらさせるエリアーデ
能力はインタラプト(割込)
様々な割込によって行く手を阻み、集中力と時間を奪うクレプシドラ
能力はプットオフ(先送り)
とりあえず片付くことばかりに手を付けさせて、気が乗らないことを後回しにさせ最終的に時間を失わせ奪うパルフェ
能力はパーフェクト(完璧主義)
行動の「質」にこだわり、追求し、結果的に時間を失う呪い時を喰らう魔物(≒イデア)
人々に理想を抱かせ、理想の自己像を追求させることで時間を奪う
この設定、めっちゃすごいと思った!!!
まさに「時間管理で問題になりがちなこと」だらけ……
特に私がハマりやすいのは……陥りやすい順に
「完璧主義、イデア、先送り、不可視化、割込」
かな?
でも、どれか1つくらいは私の周りの人にも当てはまると思う。
⑤ 原作は佐々木 正悟さんの本
実はこの漫画には原作がある。
それは佐々木 正悟(ささき しょうご)さんの名作ビジネス書、
『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? ~「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術』
である。
私も以前2回ほど読んでおり、noteに感想を書いている。
「こんな仕事、もっと早く片づくと思ったのに!」という、永遠の悩みを解決するにはどうすればいいか?
……という内容の本だ。
もちろんこの原作も素晴らしくてオススメだが、
「いやーちょっとハードルが高いな……」
という人には『時間クエスト』がイチオシ!
P.S.
ちなみにこの本に書かれた「時魔法」「記録の書」は、私の愛用する時間管理メソッド・タスクシュートのこと。
もっと知りたくなったら、こちらの2つも要チェック!
▼本の感想note
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