継承語教育は◯◯から。

東フランスから、こんにちは。

ジュラ山脈の中に位置する小さな村に住んでいる大阪女、すーです。

片田舎からオンラインで日本語を教えています。


今日は、「継承語教育は◯◯から」というお話です。


継承語とは、

在住地域の主要言語ではない、親から受け継いだ言語

のことです。


日本に住む、外国籍の子どもたちにとっての親の母語(日本語以外)。

フランスに住む、日仏ハーフの我が子たちにとっての日本語。

それが、継承語です。


私は、もともと外国人に日本語を教えることを生業としており、

大学生時代には地域のボランティア日本語教室に参加していました。

そこで知り合ったのは、日本人男性と結婚した外国籍の女性たち。

彼女たちは主に東南アジア各国の出身でしたが、どの方も

子どもに自分の母語を教えることよりも、

自分が日本語を学び、上達させることを重視されていました。

それが子ども達とのコミュニケーションに重要だと信じて。


ハタチそこそこだった当時の私、単なる知識としてですが、

それが将来的に親子関係の難しさを引き起こす原因になりかねないこと

を知っていました。


つまり、「日本語が不自由な親」「親の母語を話せない子ども」という、

親子が十分に話し合える共通言語を持たないことで問題が起こり得る

ということ。


もちろん、日本で生まれ育った日本人家庭でも親子関係の難しさはあるので、

言葉だけの問題ではありませんが、

大きな解決策である言葉が使えないのは辛いところ。


その後、彼女たちがどのような親子・家族関係を築いているのかは

わかりません。でも、あの当時に

自分の母語を伝えない、という選択をする重大さ

について考えるきっかけをもらえたことを

継承語教育の当事者になった今、非常に有り難く思っています。


継承語教育の難しさは、

当然、学ぶべきものである母語の学習とも、

大なり小なり、自分で選択して学ぶ第二言語や外国語の学習とも違い、

親や周囲からは「学ぶべきもの」だと思われる反面、

当事者に学習の意義が見出せない可能性があるということ

だと思います。


たとえば、フランスに育つ我が子たちの場合、

義務教育期間はフランスで過ごす予定ですし、

外国人である母親(私)もそれなりにフランス語ができるし、

日本語ができなくても当面困ることはありません。

フランスの学校教育に加え、日本語の学校や宿題に追われる毎日…

そこまで大変な思いをしてまで、日本語を学ぶ意義は何だろう?

そう自問してもおかしくない状況です。


我が家の場合については、また後日綴ることにしますが、

大切なことはただ一つ。


\ 継承語教育の主体は家庭です /


学校にお任せするだけでは、できるようになりません。

まずは親子・家族関係に継承語が必要なのかどうかをしっかり考え、

岐路に立つたびに選択し続ける必要があります。


「ハーフの子ども」であっても、

努力なくバイリンガルになれるわけではありません。

そういった話を、今後もこのNOTEでは綴っていきたいと思っています。


以上、今日は

\ 継承語教育は家庭から /

というお話でした。

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