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系統図によるなぜなぜ分析

系統図とは新QC7つ道具の中にも含まれる「目的と手段を系統づけ、その体系を枝分かれさせてわかりやすく図式化したもの」です。目標を達成するための道順を決めて対策を整理する方法となります。

段階的に細かく分割・展開することでより具体的な方策を出したり、抽象的なアイデアを広げたりします。また、目的に対する手段が定まっていないときに系統図法を用いることで、新たな発見が得られ、最適な手段を見つけることができます。

従来のQC7つ道具では数値データを中心として分析する方法が主だったのですが、事務や設計、企画などの部門においては、数値データよりも言語データが多くあるため従来の方法では分析や解析を行うことが困難だったんですね。

そんな新QC7つ道具の中にある1つが「系統図」です。

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図は縦型でも横型でもどちらでも構いませんが、ほんの少し論理的な考え方を知っていると超わかりやすい。ソフトウェア開発を行っている業界では一般的にみる図ですよね。

システムやソフトウェアを機能や処理、モジュールなどに分解して、構造化する際にも用いますし、プロジェクトマネジメントにおいてはプロジェクト活動そのものを分解して、構造化し、"WBS"を作成するのはまさにこの方法です。

系統図法を用いると事象を系統的に展開できるので、作成の過程や結果の中から具体的な解決策を考えることができます。達成すべき目的に対して手段①を考え、さらにその手段①を目的と置き換えて、これに対する手段②を考える…というような流れ(目的-手段=目的-手段)で順番に展開していきます。この手段は実現できるものでなければならないので、実現可能な手段になるまで展開していくことが重要です。

ちなみに展開する際は一つの目的に対して2つ以上の手段を考えると、展開の幅が広がります。そのため最初の目的を具体的にしすぎてしまうと、後に展開しづらくなってしまうので注意しましょう。


目的を果たすための手段を系統的に展開していくことによって、問題を解決するための方策を得る系統図を「方策展開型系統図」と言います。

それに対し、ある特性(問題現象、結果を言う)とそれに影響していると思われる要因との関係について特性(問題、現象、結果)と要因との関係で表した系統図を「特性要因型系統図」と言います。

なぜなぜ分析の場合

なぜなぜ分析では一般的に後者の「特性要因型系統図」を用います。

なぜなぜ分析による系統図の作成は、そこに関わる人たちの専門知識固有技術・技能(力量、実力)が大きく左右されます。まさにその人たちのノウハウの固まりでもあるので、改善の結果は、会社(職場)の財産(標準化周知徹底教育、訓練管理の定着水平展開)として残していくことが大切になってきます。

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図は、特性「ケアレスミス」に対する5なぜ(縦型)の概念図です。

まず事実の把握し、なぜなぜ分析で原因を掘り下げます。その時、常に5ゲン「原理・原則・現場・現物・現実」をベースに進めていくことが大切です。

当事者の意見を聞くのは最後の手段です。
事実情報以外はすべて信用するに値しないからです。個人の認識や判断が加わってフィルタリングされた情報には必ずしも事実とまったく同じになるとは限りません。そのため、常に「原理・原則・現場・現物・現実」を軸としていなくては正しい分析、正しい評価はできないのです。

そして最終的に真因がつかめたら「根本対策」を取り、再発防止のために標準化と日常の管理をしっかり行い、水平展開をしていくことです。

対策を講じたら終わり…ではありません。

一定期間を経た後に効果測定を行った結果、対策が常態化していて初めて終わりなのです。

ソフトウェア開発のなかではよくバグ(不良)などを組み込んでしまった場合、大抵は『バグ修正』と言う対策をとる現場が多い思います。

これはいわば"是正"によって不良そのものを摘出手術したのと変わりません。しかし、根本的に「なぜ組み込んでしまったのか?」と言う問題を解決できていなければ、次も似たような条件が整った場合に同じ問題を起こしかねません。

いわば、目に見えたガンを取り除いただけで、転移等まで思考が及んでいないのとまったく同じことをしているにすぎません。

そこで重要となるのが、"再発防止"と言う考え方です。

なぜなぜ分析は、"是正"にも"再発防止"にも有効な手段です。

真因の特定は、すなわち

 どのように修正すれば、問題が解決するのか
 どのように対策すれば、二度と同じ問題を起こさなくてよくなるのか

という2つの観点から解決を図ることが可能だからです。

なぜなぜ分析を実行する時は、事前に問題を整理(層別)して事実をしっかりつかみ、問題の仕組み(構造)や役割(機能)を理解します。そして「なぜ」を進めるたびに都度事実確認を実施するのです。「報告」だけを鵜呑みにしていては決して分析することはできません。それは昨今、データエンジニアといった職種が台頭してきたことからもわかると思います。

データは嘘をつきません(厳密には人が入力するインプットの場合は嘘をつくことはできますが)。人の報告や意見などよりも、データの方が信憑性が高いですし、データの種類が増えれば多角的にわかることも増えてきます。

コレとまったく同じです。

なぜなぜ分析を成立させたいのであれば、人に忖度することなく、事実に真摯に向き合う姿勢が重要となってきます。

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