「計画」≠「スケジュール」
たまに「計画」と言うとすぐさま「スケジュールを作成する」ものと勘違いしている人がいたりしますが、気を付けてください。
計画とスケジュールは同一ではありません。
そもそも、計画は"Plan"、スケジュールは"日程"や"予定"を指すモノであって、似て非なる言葉をそれぞれ意味します。計画とは、厳密に言えば
物事を行うために、その方法・手順などを筋道を立てて企てること。
また、その企ての内容すべて。
を指す総称であって、スケジュールはこの中のたった一部でしかありません。なので、「計画」≠「スケジュール」ではなく、「計画」∋「スケジュール」とするべきだったのかもしれませんね。
遠足や修学旅行のしおりを思い出してください。
アレも実は立派な計画書なのです。
しおりには、日程以外何も書いていませんでしたか?
世の中のプロジェクトマネジメントを体系化した国際規格ISO 21500(通称、PMBOK(ピンボック))の定義に当てはめると、
遠足の目的は?(統合マネジメント)
当日の日程は?(スケジュールマネジメント)
持ち物は?(リソースマネジメント)
参加者は?随行員は?(リソースマネジメント)
緊急時の連絡先は?(コミュニケーションマネジメント)
点呼の方法は?(品質マネジメント)
当日までに準備しておくものは?(調達マネジメント)
おやつはいくらまで?(コストマネジメント)
注意点は?(リスクマネジメント)
雨天は決行ですか?(リスクマネジメント)
利用するバスや電車、ホテルの案内は?(ステークホルダーマネジメント)
などなど、様々なことが記載されており、しっかりと「遠足」や「修学旅行」を達成するための綿密な情報が事細かに記載されていたことでしょう。
計画とは、「〇日に××します」と言った目先の日程や予定を管理するだけのものではなく、ゴールを見据えて、その実現のために何が不可欠なのかを洗い出し、具体的な実行内容を選定し、またその実行の結果がさらにゴールのために必要であることを証明するための"仕組み"すべてを指します。
小学生や幼稚園児相手にすらここまで綿密な計画を立てているのに、大人の私たちが自らの行動を予測したプロジェクト計画を全く立てられないと言うのも不思議なものです。
遠足であってもそうですが、すべてが計画通りになるとは限りません。ですが、
「理想的なゴールはどうやってもたらされるのか?」
を予測し、そうなるよう計画しないままでは、振り返ることもできませんし、いかなる状況の時に、いかなる条件を満たしていなければならないのかを明確に振り返れなければ改善することもできません。
もしも、スケジュールとプランを混同してしまっているマネージャーがいらっしゃったら、改めて見直してみると良いかと思います。
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