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時間は常に奪われる
時間は、いつも足りません。
足りている人がいれば、その人は仕事をしていないか、仕事を他人に押し付けているだけで、おそらくは十全な仕事量ではないのでしょう。
なぜ、そんなことが言えるかというと、本当に「やるべきこと」「したいこと」以外に、させられていることが山のように存在しているからです。
たとえば、目の前の仕事に集中している中、上司から「この資料、コピーとってきて」なんて依頼されたりしたことはありませんか?
「もっと暇している人に頼めばいいのに」とか
「暇そうにしてるんだから、自分で行けばいいのに」とか
思うことだってあるかもしれません。そうそう割り込みなんて入ることを想定せず、日々目の前の仕事をこなしていることでしょう。そんなギリギリの時間管理の中で、割り込みの仕事が日々発生するわけです。
現実は、時間がすべて他人にとられてしまうことである。
(中略)
誰でも彼の時間を奪える。現実に誰もが奪う。
このことに抵抗する術はほとんど何もないかのようである。
いい本ですよね。
私は経営者ではありませんし、おそらくなることも無いでしょうけど、「マネジメント」を経営とも管理とも呼ぶように、ここで言う経営者というのは、いわゆるマネージャー職にもとても馴染むものがあります。
個人的には、
の次くらいに好きかも知れません。
1日24時間という平等に与えられた時間、8時間という限られた労働時間のなかで、やらなければらないことやできることは限られています。その中から、できるだけ「使える時間」を増やさないと、いつまで経っても目の前の仕事に集中できず、望む成果をあげることも困難です。
私たちは、「時間」をコントロールする術を身につけなければなりません。これは「自分自身の時間」を奪われないための術ももちろんですが、同じくらい「他人の時間」を奪わないための術も大事になってきます。そもそも「他人の時間」を奪うことさえしなければ、それを防ぐ努力なんてする必要はないのですから。
そこで重要なのがタイムマネジメント…そう、時間管理です。
時間管理の第一の目的は、自由になる時間を取り戻すことです。私たちのまわりにいる"時間泥棒"の手から、時間を奪還するのです。
・洪水に押し流されるかのようなメール
・形骸化した書類の作成
・目的や目標の曖昧な会議
・アポイントなしの割り込み電話
・たいした用もなく何度も話しかけてくる人
・自分の果たすべき仕事を押し付けてくる上司
・ロクに努力もしないで答えばかり欲しがる部下
など、例を挙げればきりがありません。
しかも困ったことに、時間泥棒を取り締まることは難しく、また奪う側にはほとんど罪の意識がありません。ですから、「他人の時間を奪う」ことについては、自分自身が気を付けることはできても、奪おうとしてくる他人にできることは何もないのです。常にコントロールできるのは「自分だけ」です。
「時間」は他の何にも替えがたい貴重な資源であるため、望む成果をあげるには、自分自身の手によって時間泥棒から身を守る工夫が必要となってきます。
私の観察によれば、成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。次に、時間を管理すべく、自分の時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。
時間をどのように使うかから考えてはいけません。どれだけ「成果に向けて行動できる時間を確保できるか」を最初に考えるのが、ドラッカー流時間管理の神髄です。
たいていの人は、スケジュール管理と時間管理とを混同しています。
問われているのは、スケジュールの空欄を埋めることではなく、空欄を生み出す能力です。スケジュールに割込みが入っても、その割り込まれた時間を捻出できる能力です(もちろん限界はありますが)。
安定して成果をあげる人は、仕事の計画や準備ももちろん行いますが、いきなり計画や準備から始めるのではなく「時間の捻出」から始めます。意思決定にも行動にも時間が必要であり、その量によってできることが変わってきます。
つまり、成果の大きさは確保できた時間量に比例するのです。
ある程度まとまった時間がなければ、たいしたことは成し遂げられません。自由に使える時間を確保しなければ、いくら効率よく時間を使う方法を身につけたところで、意味がないのです。すべては、時間の確保から始まります。
そして、時間の確保ができれば、そこから「計画」や「準備」の開始です。一般的に、仕事とは、「トリガー」となるインプットを元に、「時間」という資源を用いて、「成果」というアウトプットを出力するものです。
時間を管理するためには、このあらかじめ用意された資源としての「時間」をどのように消費していくべきか、検討しなければなりません。
一般に人は時間を管理する用意ができていない。
(中略)
時間を管理するには、まず自らの時間をどのように使っているかを知らなければならない。
時間という資源の管理は、成果を意識して初めて意味をもちます。成果という目的地がわからなくては、燃料の配分も使い方もコントロールできません。ですから、次の4点を整理しておきましょう。
・何を成果とするか(具体的目標の設定)
・いま自分はどのような状況にあるか(スタートラインの定義)
・どの程度、時間が使えるのか(資源の把握)
・そのために、時間をどう使うか(計画の立案)
たとえば、成果を「東京駅に着くこと」としたとします。そのために与えられた資源としての時間は「2時間」しかなかったとしましょう。そして、現在のスタートラインが「名古屋駅にいる」とわかれば、
「じゃあ、新幹線を利用しよう」
という具体的計画も可能になるわけです。逆に言えば、この4点をハッキリさせていない状態では、与えられた資源(時間)で十分な成果をあげられるのかどうかは判断できない…ということでもあります。
一人ひとりが目指す成果は様々です。
まったく同じものなんてほとんどありません。
仕事の成果はもちろん、学び、健康の維持、家族とのコミュニケーション、人間的成長、社会貢献、レクリエーションなどにも成果があり時間管理は、常に現在位置を確認することから始まります。
さまざまな成果を手にするために、何より最初にすべきことは、立ち止まって時間の使い方を点検することです。これはすべてのマネジメントの基本中の基本でもあります。厳密には、マネジメントにおける「計画」の基本中の基本と言えるでしょう。
「どれだけの時間を確保できて、その中でどれだけのことができるのか」
「そしてそれは、目標を達成できるものなのか」
単純明快なテーマですが、先にも述べたように時間は常に奪われ続けるため、なかなか計画通りには進みません。私も、「邪魔さえ入らなければすべてがスムーズに進められる、あるいは進められるよう邁進できるのに…」とよく思うことがあります。
しかし、現実にはありえないことです。それに、おそらくは私自身も他人の時間を奪っていることはあるかもしれません。そうならないように日々気を付けてはいますが、絶対に無いとは言い切れません。
そうやって、ビジネスは回っていることを前提にして時間管理が出来るようになると、あらかじめ奪われることすら『想定』した計画、『想定』した行動というものが取れるようになります。
そこまでできれば、マネジメントも非常に楽になることでしょう。
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