コストパフォーマンスとは、価格と価値の相関関係
宇宙一外食産業が好きな須田です。
今朝noteのダッシュボードという機能を見直してみました
noteに記事を投稿している方はご存じと思いますが、自分が投降した記事の詳細なデータが確認できます。
そのダッシュボードの中に全体ビューという欄があり、私の記事が読まれた総数を確認することができます。
これまでに私が書いた記事が読まれた総数は、なんと98,500回を超えていました。
驚くべき数値です。
あと1,500回未満で100,000回となります。
それだけ多くの方に読まれていると思うと、改めて気合が入ります。
ダッシュボードでは、読まれた総数もわかりますが、それぞれどの記事がどれくらい読まれているのかランキングで見ることもできます。
圧倒的一位は、「面白いように売りたい商品を売る秘訣」
今、自分で読み返してみても、面白い記事です。
内容もビシッと詰まっていて盛りだくさんです。
自分でも思いますが、
これを無料で公開していいのか‼
とさえ感じてしまいます。
いいんです! 私の夢は外食産業の事業規模を40兆円にすることなので、有料級のノウハウとテクニックを無料でどんどん提供します。
勿論これができるのは、有料の情報は公開していること以上の内容があるからですが。
ついでに、最初の記事が気になって見てみました。
その記事も読まれたランキングでは6位と、上位にランキングされています。
記事の内容もそうですが、私にとって関心があったのは初投稿の日付です。
その日付は2019年9月11日でした。
もう4年も前、しかも9.11という日でした。
初投稿してから4週連続で「一番読まれた記事」として、noteさんからバッジもいただくことが出来ました。
その後何度も「一番読まれた記事」のバッジはいただいております。
非常に有り難い事です。
あらためて感謝申し上げます。
さて、過去を振り返る件はこれぐらいにして、本題に入ります。
価格改定の件です。
ご存じのように、飲食店はお客さまにご利用いただけなければ売上は立ちません。
売上の公式は、客数×客単価です。
最初に客数が来ております。
ですから、お客さまにご利用いただくことが大前提となっています。
至極当然のことですが、さて、ここからが問題です。
この客数の事、お客さまにご利用いただくことを本当に本質的に深く理解できている方がどの程度いらっしゃいますかね?
私自身もこの比率は理解できておりませんし、実際に把握することは不可能だと言えます。
ただ、実感として深く理解している方は、ごく少数のような気がします。
言うまでもなく飲食店はお客さまにご利用いただき満足を提供し、再利用していただくことで、ビジネスとして成立するビジネスモデルです。
このことを深く理解するならば、一番に向きあわなければならないの、お客さまにご利用頂く為に何をするのかということです。
どうしても飲食業の方は、商品そのものを先行して考えがちです。
それよりも大事なことは、あなたが提供したい商品を、この出店エリアのお客さまは本当に食べたいと感じているのか、その業態に魅力を感じているのかということです
ここを疎かにして、一番向き合いやすい商品にばかり気をたられているから、いざオープンしてみるとお客さまが全くやってこない、一度利用いただいてもリピートしないということが発生します。
そうなんです、これが不振店となってしまう根本原因なんです。
お客さまのことを無視して、向き合いやすい商品にばかり気を取られて、気が付けばお客さまの望むことではなく、自分が勝負してみたい商品をマーケットにぶつけてみて、アタリが出るのか、ハズレが出るのかという不本意な結果を引き寄せてしまいます。
マーケットインの思想ではなく、プロダクトアウトの思想の業態開発・商品開発の結果の、当然の結果です。
繰り返しお伝えしますが、飲食店の売上を算出する公式は、
「客数×客単価」です。
多くのお客さまに沢山来店していただき、沢山消費していただき、なるべく高い商品を買ってもらうことが理想です。
しかし現実は、お店に業態に魅力がなく、商品の完成度も品質も悪いと集客がままならない結果になってしまいます。
ご自身では“美味しいもの”を作ったつもりでも、お客さまがそう感じない限り“美味しいもの”には成りえません。
その結果、顧客のモチベーションを獲得できなく、挙句の果て、集客の為と考えて値下げをしてしまうとか、無駄に安売りのイベントを打つなどの、本来欲しい結果とは真逆の結果を引き寄せるような手を打ってしまします。
お客さまを置き去りに業態を開発しているので、顧客のモチベーションなど拾いきれるわけがありません。
コンサルティングをしていると時々、いえ、頻繁に聞く台詞があります。
「本当はそれがいいとは理解していますが、実際にやるとなると大変で出来ていません」と。
「出来ていない」ではないですよね、本当はやる気がない、楽をして儲けたいというのが本心で、お客さまを置き去りにしている思想の結果だけという有様です。
自分たちは楽をして、お客さまからの支持を勝ち取りたいという、なんとも都合のいい考え方をしている方を多く見受けますが、非常に残念なことです。
繁盛店は、その一見大変に感じることを愚直にやりきっているから、お客さまに支持されて繁盛を手に入れています。
そのことを深く理解する必要があります。
これが「違いを生む違い」です。
そのような売上が厳しいお店が行う施策に共通しているのが、値下げです。
価格を下げると集客力が上がると、根拠もないまま漠然と導入してしまいます。
ここでハッキリと明言しますね。
商品価格を10%下げると、同じ売上を確保するためには111%以上の客数が必要です。
同じ利益額を確保するためには116%以上の客数が必要です。
この実態をご理解いただけますか?
同じ売上の為には111%以上、同じ利益額の為には116%以上の客数が必要なんです。
そもそも客数が取れていない現実があるのに、その手当をせずに値下げで客数を取りに行くことの愚策さをご理解できますでしょうか。
値下げによって客数が111%以上行くと考える根拠が理解できません。
値下げだけで、魅力のない業態にも関わらず、食べたいと思うような商品でもないのに、なぜ価格を10%程度下げただけで集客力が上がると考えてしまうのかが理解できません。
ハッキリと断言しますが、値下げは自殺行為です。
業態が認知されている、資本力がある大手が期間限定のイベントで行う施策なら、限定的に集客が上がりますが、大手でさえドンドン集客力が減少している傾向にあります。
にもかかわらず、小さな個人店が大手のような施策を導入して、同等の結果を生むはずがありません。
しかしながら、商品の価格を下げそれ以上に価値を下げてしまい、集客も失敗してしまっている、そんなお店が沢山あります。
少ない客数で客単価を上げることも出来なく、売上が上がらずに利益確保も出来なくなり不幸な結果を招いてしまっている。
残念ながら、そんな事例が街にはあふれています。
これらの現象を生み出している原因が、正しい商品開発法と合わせて、商品の価格設定の法則を知らないことにあると言えます。
客数を集めるための絶対条件は、商品の「ヴィジュアルと文字情報の提供」がキーポイントです。
ヴィジュアルを見て“興味が湧いて”⇒“食べてみたい”⇒“行ってみたい”と感じ出し、文字情報を読んで“体験してみたい”“本当かなぁ”と感じ、そしてやっと行ってみようかとなります。
やっと行動を起こすわけです。
この行動喚起の段階では、“美味しい”は全く手に入っていない情報であり体験です。
ここが重要なポイントです。
商品を提供する飲食店サイドは「美味しい」にこだわりますが、消費者がお店に行ってみようかと感じる段階では「美味しい」は体験出来ていないということです。
「美味しい」の前に、行動を喚起する情報を提供しない限り、「美味しい」には到達しません。
「美味しい」は、行動の結果お店に行ってから手に入る体験です。
この違いを深く理解する必要があります。
そして、リピートの為には美味しさと楽しさ、コストパフォーマンスとホスピタリティがカギとなります。
お客さまは、ヴィジュアルを見て文字情報を読んでお店に行って、その商品を頼んで「インスタで見たマンマだ!」「ホントだ、おいしい!」「書いてある通りだ」と証拠を手にします。
そして、そのお店での体験が、好ましい状況であればリピートします。
「それ程の味でもないな」「そこまでは美味しくはないな」「わざわざ来るほどでもないかな」とか、「インスタで集客できているから、店員の態度がワリィなぁ」とか、「なんか愛想がない店員ばかりだな!」「サービスが悪いな」となれば、リピートはしません。
そして、口コミに書かれてしまいます。
「2度目はないな」
私は個人的に、この書き込みが一番心をえぐります。
飲食店のお手伝いを生業としている私としては、この言葉を一番解消しなければならい事と定義しております。
このように、飲食業を、集客を、商品開発をロジカルに分析して経営にあたっている経営者はほぼ皆無です。
ほぼ全ての経営者が「プロダクトアウト」の発想のまま、業態と商品に恋をして、消費者にフラレてしまっている状態と言えます。
恋に落ちるべきは消費者とであって、商品や自ら考えた業態ではないことに気づいていません。
消費者と恋に落ちる「マーケットイン」の発想こそが、唯一お客さまとの恋愛関係を継続させる方法であることに気がついていません。
ターゲットも客層も決めきれなく、みんな大好き誰でもいいからお店に来てほしいと言っている八方美人の経営者がいるお店は、結局のところ、誰にも好かれないお店となってしまっています。
あなただけを愛していると言われることの幸せを、普段の生活では誰もが経験していますが、それが何故か、飲食店の経営となると、“みんなが好き!”となってしまい、誰にも相手にされないことになってしまっています。
飲食店の集客には、誰を喜ばすために業態を作り込むのか、どのような人にどのようなときに楽しんでい頂きたいのかを考えて業態を創ります。
だからこの商品なんです、この価格なんですというストーリーを語ることが繁盛店化を引き寄せる絶対の法則です。
そのためには常に顧客の心理を感じ取ること、その感情に呼応した商品を開発し提供し続けること、商品の価値を高めて商品価格を設定すること、そこのことにより客単価を上げることで、リピートへとつなげて安定した経営へというシステムを構築することが重要です。
そのために、陥りがちな経営者の考え方の癖を回避することが需要です。
業界では常識とか一般的と言われていることが、実は絶対にやってはいけないことである場合がほとんどです。
商品の価格を決める前に、誰にその商品を買って欲しいのか、その商品を通してあなたはどのようなメッセージを伝えるのか、業態にどのようなストーリーを持ち込むのかを決める必要があります。
それらが決まることで初めて商品開発の軸が決まり、提供価値が明確になり、売価が設定できます。
この考え方をご理解いただき、もう一度現在の商品と向き合ってみてください。
あなたは本当に今の商品に満足していますか?
あなたは本当に今の商品に渾身の情熱を込めましたか?
あなたは本当に今の商品を絶対の自信をもってお客さまに売れていますか?
本当は、もっとやりたいことがあったんじゃないですか?
もし、もっとできる、もっとやりたい、もっといい商品を作れると感じているのなら、原価も売価も気にすることなく、とんでもない商品を作ってください。
それが、あなたをあなたのお店を強烈にブランド化させます。
その時にはその商品の売価を高いという方はいなくなり、「これでこの価格!コストパフォーマンスがすご~い!」と、なります。
コストパフォーマンスとは、価格と価値の相関関係です。
安い商品だけがコストパフォーマンスが良いのではなく、高い価値の商品が、思っているよりも安価なときにコストパフォーマンスは高まります。
同様な商品でも、500円でもコスパは悪く、3000円でもコスパは高くなります。
もう一度お伝えします。
コストパフォーマンスとは、あくまでも価値と価格の相関関係です。
ここを深く認識していただき、商品に再度向き合ってみてください。