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「圧倒的に先が見えなかった」 リクルート出身者がFinTでグローバル事業を立ち上げる理由

※こちらの記事は、2023年8月にWantedlyにて掲載したインタビューのアーカイブです。

こんにちは!FinTの広報担当です。

FinTは、「みんなの強みを活かして、日本を世界を前向きに」をパーパスに掲げ、前年比200%で成長中のマーケティングを強みにしたSNSソリューションカンパニーです。2019年より3年間で社員数は10倍増、2023年には海外を中心とした事業を複数スタートし、さらなる成長を目指し様々な挑戦をしています。

今回はFinT Vietnam 代表の、北川 晃希(きたがわ こうき)のインタビューをご紹介します。今年度から、本格的に海外進出を行っているFinT。代表・大槻管轄の下、海外支社の立ち上げを任されたのが学生時代からの旧友でもある北川。前職リクルートでは、1年目から企画職配属、4年目では注力事業のSaaS事業にて事業部MVPを獲得、社内の新規事業立案コンテストも通過するなど、華々しいキャリアを歩んだ後にFinTへジョインしたメンバーです。

FinTの命運を握るグローバル事業を一手に任された北川は、どのような経緯でFinTにジョインしたのでしょうか。これまでの経験を紐解きながら、北川の素顔に迫ります。

北川 晃希 FinT Vietnam 代表
大阪出身の1993年生まれ。神戸大学経済学部卒。大学時代はバックパック一人旅にハマり、アジア・アフリカ・中南米を中心に50ヶ国以上を旅する。
2018年に新卒でリクルートに入社後、非正規雇用求人領域の大手法人向け組織で、主に営業企画として価格戦略、新規商品のフィジビリティ〜商品化、大手法人への提供価値の再定義などを3年間担当。その後、SaaS事業のセールス/カスタマーサクセスのプランニングとして約2年間、営業戦略・戦術の立案〜実行、営業プロセスモデルの構築、営業組織の垂直立ち上げなどに幅広く従事。社内の新規事業立案制度を通過し、新規事業開発部も兼務。
代表の大槻とは大学時代からの友人で、グローバルに本気で挑戦したいと声を掛けてもらったことがきっかけで2023年2月よりFinTにジョイン。2023年5月からFinT初の海外拠点となるベトナム法人代表としてホーチミンに移住。ベトナム法人の立ち上げに奮闘中。

好きな人と好きな場所で好きなことをして働きたい。

ーーまず、前職リクルートへの入社理由から伺ってもいいですか。

はい。前提、将来的に自分で事業をやりたいというのがあって。ただ、大学時代に長期インターンなどをしたことがなかったので、様々な事業に携われる環境がいいなと思っていました。最終的に複数の会社から声をかけて頂いたのですが、リクルートは大なり小なり立ち上げから完成されたものまで、多様な領域、複数フェーズの事業に携われると考えて、入社を決めました。

ーー将来的に自分で事業をやるための逆算だったんですね。

そうですね。ただ、事業をやりたいのもそうなんですが、どちらかと言うと、好きな人と好きな場所で好きなことをして働きたいのがめちゃくちゃ強かったんです。それをやるには自分で事業をおこすのが一番早いし、やるからには大きくしたい、という気持ちがありました。正直、当時はそこまで深く考えきれてはいなかったと思います。笑

ーーやりたい事業に関しては具体化しました?まだ模索中でしょうか?

うーん、明確にこれ!という事業より、どういうことをしたいかというビジョンが明確にある状態ですね。

ひとつは、自分が生まれた大阪も好きだし、海外も好きだから、大阪と世界を繋ぐ事業をつくりたい。大阪が、日本の中で1番グローバルに近い都市だと思ってるんですよ。海外を旅する中で、大阪の人のフレンドリーさとか、オープンマインドな点は、とても海外に似てると感じました。

もうひとつは、人が集まり繋がる場所を作りたい。これは単純に人と人を繋ぐのが好きで、自分自身も好きな人に囲まれて生きたいという想いからなんですが、それがどちらも叶えられる環境だなと思っています。

ーーなるほど。そのために経験を積むべく入社されたんですね。実際、在籍されていた期間はいかがでしたか?

5年間在籍して、最初の3年間は人材領域で主に大手法人向けの企画職、後半の2年間はSaaS事業での営業組織立ち上げなど本当に様々な経験を積ませて頂きました。

正直、大学生の時は自分は営業は人並み以上にできると勝手に思いこんでいて企画職に憧れがあったので、「企画職をやりたいです」と言って入社したんです。そしたら、1年目から同期がひとりもいない大手法人領域の営業企画配属でした。大手企業の価格戦略や商品企画を担当させてもらっていたのですが、周りが優秀な方ばかりで、全然歯が立たなくて、1年目は全くバリューを出せなかったです。

ーー「全くバリューを出せなかった」今のこうきさんを見ていると想像できないです。

いや、本当にキツくて、人生で一番の挫折経験でした。笑
現場のことを知らないこともあり、2年目では法人営業の経験を積ませて頂きました。その甲斐あってか3年目で営業企画職に戻ってからは花が開いて成果を出せるようになり、商品開発フェーズから推進まで一気通貫で担当をさせてもらうなど充実した日々を過ごすことができました。4年目は社内制度を活用して異動願いを出して、当時立ち上げフェーズのプロダクトが多かったSaaS事業部に移りました。

猛者揃いの部署だった。何もできないことに気づいた。

ーー異動後すぐにMVPを受賞されたと伺いました。なぜ受賞できたのでしょうか。

(※当時のSaaS事業部は全社の経営戦略としても注力認定されており、全社から選りすぐりの部長やマネージャーが集められていました。その中でのMVP受賞とあって、かなりの難易度だったと想像しています。)

うーん、あの時は、とにかくがむしゃらでした。めちゃくちゃ働いた自信があります。笑

4人の営業組織を半年間で80人まで拡大し、立ち上げた組織のマネジメントや営業プロセスモデルの構築を行いました。

特に、営業組織の垂直立ち上げを再現性のある形で、スピーディーに執行できたのがよかったのではないかなと思います。異動してきてすぐだったので事業のキャッチアップもしつつ、受注率もめちゃくちゃ上げていて、同時に立ち上げをやり切ったのが評価されたのだと思います。

ーーそこまでやりきれたのは何が要因なのでしょう。

そうですね、、1年目の挫折が大きかったですね。正直、当時の自分はプライドが高く、口達者で器用、人並み以上の成果は出せるタイプでした。就活もうまくいって、インターンでも運良くたくさん優勝して、根拠のない自信がめちゃくちゃついてたんですよね。でもリクルートに入社してからの初期配属で全く成果を出せず、自信が完全になくなって、身体に異常症状が出てしまうくらい心身ともにメタメタになってしまったんです。そこで、「俺なんもできへんのや」って気づきました。笑

でも逆に、自分はこれができて、これはできなくて、というのを意識するようになりました。それまではわからなくても先輩に聞けなくて、自分でどうにかしようとしてできなくて、それでも人に頼れなかったんです。ただ、その挫折があったおかげで、すごく人に頼るようになりました。わからないことは早い段階でわからないと言って、その道のプロに聞くのが一番早いと考えるようになりました。

ーーそこで自分のできなさを素直に受け入れて、他者との協働に目がいくことが凄いです。

いや、でも本当にそれまでは気づけていなくて。例えば、TikTokのことならしまさん(FinTメンバー)やゆうでぃ(同)みたいには語れないし、かいくん(同)みたいなプランも自分には作れないので、認めざるを得ない。でもきっと1年目まではそこに目がいかなかったんです。人の得意なことや秀でてるところを見ずに、悪いとこばかりに目がいっていました。

ーーでもそれに気づけても、自分で認めるのはとてもしんどくないですか。

そうですね、でもできないことはできないって割り切っています
やっぱりそれには、当時の挫折がかなり影響しています。自信120%の人間が0%になったので、変なプライドは無くなりました。だから今も仕事における自信はないです。でもそれ自体がネガティブになってはいなくて、シンプルに周りの皆が凄いなって思えているんです。だからこそ、人の強みを掛け合わせて成果を最大化することに関しては負けたくないなと思っています。

ーー自信がない自分も受け入れられているように見えます。なぜそこまで受け入れられているのでしょうか。

もちろん、いけてないやつって思われたくない気持ちはあります。でもそのためにことを成せないことの方がダサい。前を向いてちゃんと走れている状態が一番かっこいいと思っていて。前に進むためにはその領域に強みを持っている人の力を借りるのが一番いい。そのために、自分がオープンでいることは心がけています。こちらが隠したら、相手も隠してしまうから。それはお客様も社内も友達も一緒だと思っています。だから、仕事もプライベートもあまり変わらない、何をするにしても自然体でいますね。

ーー清々しいですね、、。挫折経験から自分を変えることが出来たからこそ、周りに素敵な仲間が増えて、そのおかげで自己肯定もできて、相乗効果で更に仲間が集まる循環が生まれて、もっと周りに感謝するようになっているのかな、と感じました。

そうですね、基本的に人に助けられて生きていると思います。だから、恩返ししたい想いが強いし、人と人を繋ぎたいっていうのは、自分がしてもらったからこそ、というのはあります。

見えてしまった将来。見えなかったFinTでの未来。

ーーそんなリクルートでも活躍している中でなぜ転職を考え始めたのでしょうか。

そうですね。きっかけは、このままだとリクルートに居続けてしまうなって思ったことです。リクルートは居心地がよかったですし、楽しかったので。ただ、その先の将来像、うまくいけばマネージャーになって、部長になって、などのキャリアが見えてしまった。凄い良いことではあると思いつつ、それにあまりワクワクしなかったんです。リクルートも刺激的でしたが、もっと何が起こるかわからない刺激がほしくて。そういった場所を見つけないといけないなと思い、スタートアップの話を聞き始めました。

ーーなるほど。具体的にはどのような軸で探していたのでしょうか。

そうですね。転職軸としては、1つは年次の浅い事業ベースのもの。もう一つは、立ち上げ系のミッションを担える仕事、という軸2つで探していました。

4年目の営業組織の拡大の経験、何かを立ち上げることがすごい楽しくて自分の強みが生きたなと思っていたので。

「いいよ、一緒に失敗しながら進んでいこう」

ーーそのタイミングでFinTからのオファーがあったんですね。

そうですね。もう別の会社の内定が出ていて、2日後に返事をしなければいけないってタイミングで、話をさせてほしいと大槻から連絡があって、グローバル事業の立ち上げをやらないかと話をもらいました。その時の大槻の語るビジョンが真剣で、本気でグローバルに挑戦したい想いが伝わってきました。それで真剣に考えようと持ち帰ったのですが、いくら考えても圧倒的に先が見えなかった

ーー先が見えなかった?

はい。成功するイメージが全く湧かなかったんです。マーケティングに関しては専門でやったことないですし、英語も旅会話くらいのレベルでビジネスでは全然喋れない。これは失敗するなって思いました。それで、「ほんまに俺でいいんか」って確かめたくて、次の日にもう一度話しに行ったんです。そこで正直に、成功イメージが湧かないし、経験ない自分で本当に良いのかと聞きました。そしたら、「いいよ。一緒に失敗しながら進んでいこう」って言ってくれたんです。「今までもFinTは失敗しながら進んできたから。最初から成功するなんて思ってないし」と。

それが後押しになりました。「これやったらいけるわ」と。確かに失敗しながら、その都度成功すればいいなと思えて、それを大槻自身が心から思えていることがやはり良いなと思えました。

ーーでも、失敗するってわかってることに、人はなかなか飛び込めないと思うんです。 その覚悟はどこからきてるのでしょうか。

うーん、覚悟というよりは、超楽観的なんだと思うんですよね。死ぬこと以外はどうにでもなると思ってます。(笑)

ーーその楽観思考はどうやって身についたのでしょう?

旅ですね、あとは転校が多かったことだと思います。新しい環境に飛び込んで1から関係性を築き上げることを何度もやってきました。そこで、どんな環境でも生きていけるなって思ったことが大きいと思います。でもそれは、周りの人々の助けがあってこそで。だからこそ周りの人々に感謝していますし、同時に人の力を借りたら、出来ないことはないと思っているんです。ベトナムでの事業立ち上げも同じで、確かに完全に自分ひとりでは難しいけど、先にベトナムでビジネスを成功させている方や今まさに頑張っている方がいるので、そういった方々と助け合える関係性を作っていけば絶対できるって思えているんですよね。今は助けてもらってばかりですが(笑)

世界中にFinTの仲間を増やしたい。まずはアジアから。

ーーそんなこうきさんはグローバル事業の責任者として、どんな理想状態を描いていますか

シンプルな想いとしてはFinTを世界中に広げたいと思っています。
FinTはいい奴が多いので、そんな仲間を海外でも増やしたいという思いが強い。そのためにも、まずはアジアで仲間を作っていきたい。

ーー具体的に伺ってもいいですか

直近はベトナムの法人を立ち上げ切りたいと思っています。
立ち上げるというのは、自分がいなくても回っていく組織にすること。カルチャーフィットした人を採用して、いいマネージャーを育てて、カントリーマネージャー(現地法人の代表)を担ってもらえるようになったら次にいく。この2、3年で別の国、インドネシアやシンガポール、インドや中国への展開も進めていきたいと考えています。それ以上になってくるともっとかかってしまうと思うけど、それを早めるのが自分の仕事だと思っています。

海外拠点の連続立ち上げ。目指すは自分なしで回る組織。

ーーそのために今取り組んでいることを聞いても良いですか

はい。メインのミッションは海外での拠点立ち上げで、それに加えて2つの事業をマネジメントしています。

海外拠点の立ち上げとは、日本でも主力事業となっているマーケティングパートナー事業を海外でも行うことを指していて、現地企業のSNSマーケティング支援をメインに行っています。今は営業と採用含めた組織づくりに最注力しています。

加えてキャラクター事業とグローバルメディア事業を見ていて、キャラクター事業ではデザイナーチームと協働しながら開発した自社オリジナルキャラクターの事業開発をしています。グローバルメディア事業は、アジア各地での自社メディアの立ち上げと運用に取り組んでいて、どちらも今後の更なる海外展開に向けての仕込みをしているイメージです。

ーー営業と組織づくりへの注力。

はい。ベトナムで初の社員とインターン生が入社してくださったので一安心ですが、初期のメンバーは非常に重要と思っていたので、特に力を入れていました。

これからはセールスやディレクター、デザイナーを採用して、現地の案件を現地メンバーだけで運用できるようになっていきたいです。具体的には1年以内には15~20名規模の組織を目指しているので、採用も営業も継続して頑張らないといけないですね!

いい意味でお節介。細部まで作り込む提案力の高いチーム。

ーー話が変わりますが、その後FinTに入社してみての前後のギャップがあったら聞いても良いですか。

そうですね、以前から関わりあるメンバーが優秀で素直な人が多かったので、いい人が多いんだろうなとは思っていたものの、漏れなく全員でした。笑

それに、いい意味でお節介な人が多いなって思います。何か困ってたら絶対手を差し伸べてくれますし、1の返答が欲しいところを10で返してくれるというか、向き合う力が強いんですよね。

その根本には素直さと真面目さ、吸収力があるんだと思います。だから、相談する方も嫌な気持ちにならないですし、相乗効果で良いサイクルが回っているように思えます。

ーー分かります(笑)ちなみに優秀さに関してはどの点で感じたのでしょうか。

先ほどの話にも繋がってくると思うのですが、FinTはとにかく作り込み力が凄い。正直、入社するまでは、若くて、勢いが良くて、荒削りなイメージがあって、提案などもそこまで作りこまず勢いで乗り切る、みたいな想像をしていたんです。でも実際、提案がすごく繊細で細部まで考え抜かれていて、素直に驚きました。これはクライアントやユーザーへの向き合い方やリサーチ力、分析力が高いことももちろんですが、何より何か困った時はFinT全体でそれを成し遂げにいく姿勢、一人で考えるのではなくて、全員で取り組む、あのチームスタイルが凄く良いんだと思います。

ーー改めて言語化してもらえると嬉しいですね!最後にFinTを検討してくださっている候補者の方へメッセージを頂けますか。

そうですね。FinTは、成功しても失敗してもナイストライと称賛し、人の強みを活かし合うカルチャーが強く浸透していると思っていて。だからこそ、自発的に人を巻き込んで新しい取り組みが生まれ続けて、個としてもスピード感もって成長している人が多いのだと思います。

若い組織ですが、ここまで人柄がよく優秀なメンバーが集まって全員が前を向いてる組織はなかなか無いのではないでしょうか。

仕事なのでもちろん大変なこともありますが、シンプルにいいヤツが多い組織なので(笑)、もし興味を持って頂けたら是非一度メンバーと話してみていただけるといいかなと思います!

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