10首連作「リンボーダンス/待ってくれ、冬の海の雨」
ぼんやりと船に絶望する僕ら 船は海を渡る乗り物
寂しい眠さは死にたさだから自動販売機で買うつめた~い水
行間を生き長らえた冬の鳥 腕を刻めど翼に遠く
無意識に選んでしまう生活に割れてくれない風船の匂い
嫌いにもならない破裂わたくしも少し大きなだけの雨粒
雨音のループに気づいてしまったら寒に銃剣刺すうしろから
同情で放り出された目の前のつるつるしているおっぱいあつい
痛くない切り傷のよう脱衣所で非喫煙者の咳き込みの音
照らされた範囲の熱に許されて電気ストーブ 汚くないよ
家族仲分からなかった 水平線でリンボーダンスをすることになる