「流れ星」 - 愛が溢れる彼と頼もしい彼女の超現代的ラブラブ大盤振る舞いロマンス
★★★★★
もうとにかくキャストがツボ過ぎて観るしかないと待ち構えていた一本。キム・ヨンデとイ・ソンギョンのカップルだなんて見た目からして絶対的に好きなわけですが、序盤からキム・ヨンデがカッコよくて可愛いことこの上なく、これまでの作品に比べて感情豊かで無邪気なキャラクターがたまりません。また、同時期で言えば「私たちのブルース」がバリバリの豪華キャストで話題をさらっていますが、こちらはこちらで贅沢な俳優陣によるカメオ出演が盛りだくさん。本筋はもちろん、見どころに困らない遊園地みたいな作品でした。
芸能事務所スターフォースエンターテインメントの広報チーム長であるオ・ハンビョル(イ・ソンギョン)は、所属タレントがパパラッチに撮られれば紹介された男性と会っている最中であろうと仕事モードで鬼神のごとく仕事をする絵に描いたようなデキる女。24時間「うちの俳優の熱愛が発覚するのではないか、事故を起こすのではないか、何かやらかすのではないか」と心配しています。そんな中、1年間アフリカの地でボランティアに勤しんでいた事務所の看板俳優、コン・テソン(キム・ヨンデ)の帰国が近づいていることに気づくハンビョル。テソンの帰国にげんなりした様子のハンビョルですが、どうやらふたりの間には過去に何やらいろいろとあったようで…。
全体を通してどんどんと色合いが変わっていき、噛むほどに味が変わるガムみたいな作品でした。序盤はツンデレ系のドタバタラブコメディかと思いきや、これでもかというほどの激甘ラブラブモードに突入し、その途端にさらに一変してともすれば「ホラーかよ!?」みたいな怖い展開に。ジェットコースターを降りたらお化け屋敷だった的な乱高下が独特なテンポで成立しているので、飽きる暇なくどんどん引き込まれてしまいます。また1話の中でも時系列を巧みに入れ替えたりされているので、毎回エンディングを迎えると観始めたときの印象と少し違う背景が見えてくるつくりも面白く感じました。
ですがそういった仕掛けは一旦置いておいて、基本的には優しい人達の、慌ただしくも幸せな日々の物語です。若干とっ散らかる感はありますが最終的にハッピーなラブラブを楽しめばよし、というスタンスを安心して楽しめるのが何より。そして大きな癒しとして作品を包み込んでいるのが、テソンのちょっと天然で朗らかな性格。それでいて思慮深さや優しさもあり、悪意を向けてくる人に対しても受け止める器を見せるところが人間的魅力を感じさせ、なんだかやみつきになりました。中盤からは完全にハンビョル一直線なのでとにかくひたすらハンビョルに甘く、一方でハンビョルにちょっかいを出すスターフォースの顧問弁護士ト・スヒョク(イ・ジョンシン)には中学生レベルのヤキモチを焼く。そんなテソンを眺めているだけでもやたら満足度の高い時間を過ごせます(笑)。
かたやしっかり者で実直なハンビョルは気持ちのいい性格で、障害が発生しても冷静に丁寧に対処するタイプ。「こういう女の子って素敵だな」と思います。ある意味とても現代的なヒロインといったイメージ。そんなハンビョルと、トップスターのわりにおおらかで無邪気なテソンのロマンスを満喫するのが第一なのですが、このドラマは芸能人が晒されうるいろいろな問題や困難を描いているのも印象的です。いわれのない悪評やデマ、アンチの攻撃なんかは実際にありそうなものばかりで、人気者の苦労を感じさせられました。「スターとその広報担当者の恋」という設定の面白さもよく活きています。
スヒョクを始めとした周辺人物たちの恋愛もおおむね楽しく温かく展開するので、終始キャーキャー言いながら観られるドラマでした。ほっこりポップなラブコメであり、監督の前作「その男の記憶法」から主役カップルが出演するサプライズもあったり、多様な楽しみ方がある一本でもあります。穏やかで幸せな気分を補充したいときにぴったりなので、ふとしたときに思い出してまた見返すんだろうなぁと思いました。
▼主役のふたりのグラビアが最高にかっこいいELLE
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