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「キム課長とソ理事」 - ずっと眺めてたい"根はイイ奴"同士のベストカップル

★★★★

赤い袖先」ロスが激しすぎて、心の穴を埋めるように(笑)観始めた一本。言わずもがな、ナムグン・ミン&ジュノという結構最強なバディによるドラマです。ナムグン・ミンはどうしても「ストーブリーグ」で演じたキャラクターが素敵すぎて好きなのですが、あの完璧なルックスでこういうちょっとはみ出し者な感じをすんなり演じてしまうあたりがむしろ真骨頂なのかもしれません。一方のジュノは生意気でまあ憎たらしいのですが、どこか可愛げがある役でこれがよく似合う。ふたりの掛け合いはとにかく爽快で、恋人役でもないのにベストカップル賞を受賞したというのも納得でした。

ピンハネが得意でお金の計算に関しては天才と言えるキム・ソンニョン(ナムグン・ミン)は、税務の管理を任されていたナイトクラブで横領がバレて仕事を追われてしまいます。そんな中、超大企業のTQグループで経理課長を募集するという話を聞き、TQグループで盛大に横領してデンマークに高飛びしてやろうと応募してみるソンニョン。

かたやTQグループで横領や粉飾決算をうまく処理するために理事としてヘッドハントされた検事のソ・ユル(ジュノ)。かつては正義感に満ちた検事だったものの腐敗した検察に嫌気が差しており、どうせ腐っているなら徹底的にと検事を辞めてTQグループにやってきます。

そして泥仕事で使える駒を探すユルはソンニョンの華麗とは真逆な経歴に注目、元検事の勘で脱税に関しての抜群の才能を感じ取り彼の採用を強引に決めることに。こうしてキム課長とソ理事は出会います。初めこそ利害が一致したように見えたふたりでしたが、とあるアクシデントでうっかり人を助けてしまったキム課長は「聖人」と呼ばれる存在になってしまいます。さらにキム課長の前任の経理課長が実は自殺未遂で植物状態となってしまっていたのですが、そこにはキナ臭い舞台裏がありそうで…。なんだかんだと対立することになるキム課長とソ理事のすったもんだが、会社の大きな陰謀を背景に続いていくことになります。

最近の、ギュッと濃い密度とスピード感で瞬間的に引きずり込まれるような面白さのドラマとは少し違って、毎回毎回に起伏があって、もちろん大きな起承転結を描いてはいるのですが、自分も同じ会社で過ごしているような、どこか日常を感じる作品だと思いました(殺人未遂は発生するので物騒は物騒なんですが)。昔ながらの、毎週テレビで放送される連続ドラマを観る楽しさのような感じです。一気見!というよりも週に一度をわくわく待ちたい。それは多分、キム課長もソ理事もその他の登場人物たちも、根っこに「困っている人がいたら助けたい」といったすごく当たり前の人間らしさを持っている人たちだからな気がしました。ほぼほぼ社内で進んでいく物語なのもあるかもしれません。TQグループの会長がとても分かりやすいラスボスとして存在しているので当然どこかで話が終わるわけですが、彼らの日常をずっと描き続けていけそうな、そんなドラマ。ちなみに経理部に見覚えのある顔が…と思ったらキム・ソノ!これがドラマデビュー作でしょうか。いい味出してました。

キム課長とソ理事がお互いにイラッとし合いながらも能力も人間も認め合うようになり、最終的にはめちゃめちゃ息の合うコンビに仕上がっていく姿はとにかくテンションが上がります。同じ経理部のユン・ハギョン(ナム・サンミ)とソ理事のあるようなないようなロマンスにもほっこりしつつ、総じてベストカップルはキム課長とソ理事。ほんとに例えストーリーがまったく進まなくても眺めていられる気がする組み合わせでした。

集中力を求められるドラマばかり観て肩の力が抜けなくなってきたと思ったときにじっくりのんびり観ると良さそうな一作です。


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喜怒哀楽ドラマ沼暮らし

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