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「ザ・プロファイラー~見た通りに話せ~」 - 果ての見えない地獄を駆け抜ける16話

★★★★

「やっぱりスヨンが好き」からの、こちらも完走しました。スヨン。実にスタイルのいい美人ですが、素朴で飾らない演技が素敵です。ドラマ自体はなかなか暴力描写が激しく(モザイクの多いこと多いこと)、想像していた刑事モノよりだいぶノワールな感じでしたが、意外な展開が続いて物語としては面白かったです。どうしても人がたくさん死にますし、血まみれのシーンが続いたりするので、好みは分かれるかもしれません。

チャ・スヨン(チェ・スヨン)はとある田舎町の女性巡査。幼いころに交通事故で母親を亡くし、そのひき逃げ犯を捕まえることを目標に警察官になりました。ある日、スヨンが発見者となった殺人事件で捜査のためにやってきた広域捜査隊のファン・ハヨンチーム長と出会います。ハヨンの前でスヨンは自身が持つ一度見た場面をそのまま記憶する特殊能力を披露することに。そんなスヨンを見たハヨンは、彼女をある場所に連れていきます。

そこでスヨンが引き会わされたのは天才プロファイラーのオ・ヒョンジェ(チャン・ヒョク)。彼は5年前に連続殺人犯の手により婚約者を殺害された過去を持っています。犯人もまた事件時に死亡しており、以来ヒョンジェは世間から姿を消していました。今回スヨンが関わった事件はどうやら5年前の事件と手口が似ているらしく、スヨンはヒョンジェに協力することに。全身に傷を負い、目も見えなくなっているヒョンジェの指示を受けながら現場に行くスヨン。スマートに動けない部分もありながら、タフさと芯の強さで生存者にたどり着くスヨンに、ヒョンジェも一目置くようになっていきます。そしていくつもの事件を解決していくことになるふたりは、それぞれが抱える過去の真実にも近づいていき…。

基本的に猟奇的な犯罪者ばかりが相手になっていくので、休憩ナシで延々とキツめの事件が連鎖していくドラマです。その中で、ひたむきさを失わないスヨンの姿が癒しに。どんくささもある彼女ですが、自分の能力を理解していくにつれ事件を決定的に解決できるようにもなっていきます。彼女が諦めないことで助かった命もあるのが救いかもしれません。そのくらいの悲惨さにちょっと心折れそうになる瞬間もありました。結構主要なキャラクターが命を落とす場面もあり、ラスボス的な敵がこの話って解決するのかな?と思うことも(笑)。

ですが人間関係が何層かに仕込まれていて、数回「えっ」と驚かされるような驚き展開も。なので16話ずっと飽きずに観ることができました。チャン・ヒョクの能面で感情が表に出ないキャラクターはじめ(その分時折見せる人間味が効いている)、全体に漫画的というか、クセの強い登場人物ばかりなのも合っていたのかもしれません。ハヨンチーム長の最強女刑事キャラと体力はあるけどのんびり系なスヨンの組合せのバランスも結構お気に入り。

終盤は謎が概ね解けて接近戦になっていくのでアクションシーンも豊富です。逆にスヨンの能力やプロファイリングといった観点は薄めになるので、どちらかと言うと、メインの事件の犯人が分からない中で大小いろいろな事件が起こってカオスな中盤が一番引き込まれて面白かったところではありますが、最終的にスッキリと集約されて元気なスヨンの姿でエンディングを迎えられたので良かったです。日本のドラマに比べても表現で手加減しないこの感じは逆に没入感に繋がるので、気合い入れて一気観するのもいいかもしれません。


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喜怒哀楽ドラマ沼暮らし

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