繰り返し観てしまう韓国ドラマの極上最愛シーン5つ
作品全体として好きなものに限らず、「このワンシーンだけでも何度でも観られる」と言うドラマがあります。ひとつのセリフに心を救われるような気持ちになったり、引きずり込まれるほどの共感を覚えたり、ただただ美しい場面をずっと眺めていたくなったり。私がそんな風に感じたシーンをいくつか書き出してみました。
恋はチーズ・イン・ザ・トラップ(パク・ヘジン、キム・ゴウン)
分かり合えるようで理解できない日々が続く主人公のソルとユ・ジョン先輩。ある日、ユ・ジョン先輩が過去のしがらみを抱える相手ペク・イノと殴り合いの喧嘩をしてソルのもとへやって来ます。ここで初めてソルに本音を吐露するユ・ジョン先輩と、それを強く受け止めるソルの会話が大好きで、何度も観てしまうシーンです。ユ・ジョン先輩は表現の仕方が拙いだけで抱いている感情は至極シンプルだと思えるし、ここを境にソルが先輩の言動をしっかり理解していることがよく分かるようになり、先輩が理解者を得たことに不思議な安堵を感じるのです。
「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」 - 相手を変えるのではなく、自分が変わる
赤い袖先(袖先赤いクットン)(ジュノ 、イ・セヨン)
9話の終わり。世孫イ・サンに遠くから信号凧で謀反の危険を知らせ、無事を祈りながらサンのもとへ走り続ける女官のドクイム。なんとか逆賊を退け生き残ったサンがようやく一息ついたところでようやく辿り着いたドクイムと再会するシーンがたまらなく好きです。ふたりが互いに対する強い想いと信頼を、言葉以上に行動で示している気がします。女官の身で仕える主君を懸命に守ろうとするドクイムと、そんな彼女をどれほど大切に想っているか痛感するサン。背景に流れる音楽も絶妙です。最終話のエンディングも本当に忘れられないドラマなのですが、このシーンの眩しい切なさには中毒性があります。
「赤い袖先(袖先赤いクットン)」 - ジュノ×イ・セヨン、役を生きるふたりが織りなす世紀の大恋愛
賢い医師生活(チョ・ジョンソク、チョン・ミド)
名シーンがいくらでもあるドラマなのですが、シーズン2の1話に出てくる、幼い我が子を病院で喪ったお母さんのエピソードが何度見ても泣いてしまいます。このお母さんは、子供のヨヌが亡くなったあとも外科医のギョウルをたびたび用もなく訪ねて来ます。その理由が分からず戸惑うギョウルに、彼女の恋人であるアン教授は「ただヨヌを知っている人とヨヌの話をしたいだけだと思うよ」と言葉をかけるのです。それを聞いてギョウルは、またやって来たヨヌのお母さんをお茶に誘い、「私はヨヌのことをよく知っているからいい話し相手になれると思います」と伝えます。大切な人を亡くしたときの気持ちをとても丁寧に表現した話だと思いました。この回にメインのキャラクターたちが劇中で組んでいるバンドで演奏する曲が「雨とあなた」で、それもまた染み込むような優しさを添えています。
「賢い医師生活 シーズン2」 - 何も起こらない場面に宿る、日常の無限の美しさ
「サイコだけど大丈夫」のコ・ムニョン(ソ・イェジ)
3話に登場する国会議員のバカ息子、クォン・ギド。厳しすぎる親のもとで心を病んで露出狂になってしまったギドは精神病院に押し込まれています。そんな彼を車で連れ出すプッツン系絵本作家美女のコ・ムニョン。このドライブシーンが最高です。疾走する音楽、飛び散る唐辛子、ギドの精神が解放されていくような時間。そして父親の遊説先でマイクを奪い自分の押し込めて来た胸の内をぶちまけるギド。自分を見てくれと叫ぶ彼の姿があまりにも印象的で、パンツ一丁にコートという絶望的な姿なのに号泣してしまいました(演じるクァク・ドンヨンはそれでもイケメン)。
「サイコだけど大丈夫」 - 人は人なしで成長できないという事実
二十五、二十一 (ナム・ジュヒョク、キム・テリ)
まだ現時点(2月22日)で4話までしか配信されておらず、この先どんな展開を見せるか未知数ではあるのですが、2話のラストがあまりにも素敵で既に何度も見返してしまっています。IMF危機で父親の会社が倒産し、家族がバラバラになってしまったペク・イジンと、ふとしたことからイジンと交流を持つようになるフェンシングに夢中な女子高生のナ・ヒド。大学に復学もできずバイトで必死に暮らしているイジンのところへある日、父親への貸し倒れで生活がめちゃめちゃになってしまった人が押しかけてきます。けれど父の居場所も知らず返すお金もないイジンはただただ謝ることしかできなくて、かわりに「今後自分は絶対に幸せになりません」と絞り出すような誓いを伝えるのです。そんな彼の姿を見たヒドは彼を学校の校庭へ連れていき、水道の蛇口を逆さにして噴水のように水を出して遊びます。ささやかなことで「最高に幸せ」と太陽のような笑顔を見せるヒド。そして彼女はイジンに、「自分といる時はこっそり幸せになろう」と言います。彼女のその溢れるような眩しいエネルギーと強さ、優しさに何か胸にこみ上げて涙が出てしまうシーンでした。笑顔というものが持つパワーを強烈に思い知らされる気がします。
「二十五、二十一」 - 眩しくて切ない、何のために青春が存在するかを知る傑作
日常がどこか苦しく感じるようなとき、こういうシーンをお守りのように見返しています。ドラマを通して自分の気持ちを整理できたり、「自分だけじゃないんだな」と感じることができたり、全く新しい考え方を発見できることもあり、ワンシーンで心が息を吹き返す気がします。だから人は物語が好きなのだと思います。特別なシーンに出会うと、なんだか宝石のようにキラキラして見えるのです。
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