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「模範」を冠する韓国サスペンスドラマ3本

最近たまたま「模範家族」と「模範刑事」という2本のドラマを観て、「模範」の意味合いもそれぞれだなぁと思いました。そういえば「模範タクシー」というドラマもあったなと思い出し、それぞれがタイトルに込めている「模範」のニュアンスに少し考えを巡らせてみました。「模範◯◯◯」ってワードにはなんだか不思議と惹かれるものがあります。文字通りの「見習うべき手本」としての意図もあるのでしょうが、ドラマのタイトルに入っているともっとアイロニックな雰囲気が滲みます。韓国語だと優等生も「模範生」となりますし、「模範」という言葉自体が持つ意味合いが日本語より深いのかもしれません。

模範タクシー(チョ・ヒョヌ)

必殺仕事人的に悪を成敗していくタクシー会社のお話。最初は「タクシー?」と思いましたが、タクシーの個性がうまく効いている気がします。途中からダークになってはいきますが、元特殊部隊要員が復讐代行をしてくれる痛快な物語でアクションに変装、メカに秘密アジトとワクワクする設定も満載。タイトルの「模範タクシー」は、実際に韓国を走るタクシーの中で少々割高料金なものの質の良いサービスを提供するもののことを一般タクシーと区別してそう呼びます。高くついても乗客が本当に求めていることを実現してくれる、それがここでの模範タクシーなのかもしれません。

「模範タクシー」 - 痛快を約束する復讐のカタルシス

模範刑事(ソン・ヒョンジュ、チャン・スンジョ)

冤罪で死刑を執行されそうになっている死刑囚と、彼を逮捕した刑事、その仲間たちが真犯人を追っていく刑事ドラマ。熱意が先走って無実の人を逮捕してしまった主人公のドチャンではありますが、自らの正義に従って真実を明かそうと奔走します。その過程で生まれていく死刑囚との交流が印象的で人間ドラマとしても見応えのある一本。必ずしもスマートではなくても、権力に屈さず矜持を見せていく刑事たちがタイトルを体現しています。

「模範刑事」 - 死刑囚と刑事が交わす尊い約束を見守りたい人間ドラマ

模範家族(チョン・ウ、パク・ヒスン)

「家族」に「模範」がつくと妙にサスペンス味が増します。恐らくそもそも家族というのは「模範」を求めるものではないからかもしれません。模範的な家族というのは何か嘘や罪がある。もしくは、嘘や罪がなければ模範的な家族なんてものは作ることはできない。そんなニュアンスを個人的には受け取りました。ドラマの中では「家族」の定義も複数存在しているので解釈も多様に広がると思いますが、基本的には「家族」という概念への歪んだ理想に振り回される人々の哀しい物語です。

「模範家族」 - 家族コンプレックスを越えられない人々の鬱々サスペンス

人に何か枠組みのようなものをもたらす「模範」は、大体がその境界にコンフリクトを生むのかもしれません。模範への憧れ、模範になれない葛藤、模範であろうとする努力、模範を許さない嫉妬…いずれにしろドラマのタイトルに持ってくるとサスペンスっぽさが滲み出て、人間の本能に訴える響きがあるというか、物語としての面白さを予感させるワードだなと感じました。



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喜怒哀楽ドラマ沼暮らし

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