中東出身の友人に馬刺しを食った話をしたら本気で怒られた話
皆さんの地元には変わった食べ物はあるだろうか。日本の食文化は多様で複雑だ。残念ながら時には外から苦言を呈される事もある。
時は学生時代の夏休み明け。学内の喫煙所で学友と久しぶりに顔を合わせた時だった。夏休み明けと言う事もあり地元に帰ったかとかそんな話なんかで盛り上がっていた。
私は地元が北海道だ。道外出身の学生や、留学生からも「食べ物がおいしそう」というイメージを持たれている様だった。
「すぅさんは実家でどんな美味しいもの食べたんですか?」
そんな質問をしてきたのは中東出身の留学生だった。
よく想像されるのは魚介類やラーメン、ジンギスカン等が多いらしい。
「祖母に寿司屋に連れて行ってもらったよ」
「北海道で寿司!何が一番美味しかったですか!?」
寿司と聞いて食い気味に質問をされた。
そこで普通の魚も美味しかったが、以外なものでも紹介してやろうという、今思えば余計な考えが浮かんだ。
うーん。マグロやタコが好きなんだけど、
今回は馬刺しが一番美味しかったな!
「バサシ?バサシってなんですか!魚?」と彼は私の目論見通りに食いついてきた。
もちろん私はニコニコしながら答えた。
「馬刺しはね、馬の刺し身なんだ!」
彼の顔から一瞬にして笑顔が消えた。それはもう絵に書いたように消えた。
「馬・・・ですか・・・」
「そう!馬を生で食べるんだよ~!」
留学生は大きくため息をついた。
私は以外な反応に眉をひそめたのを覚えている。
「馬は食べちゃいけませんよ。馬は僕達人間の友達なんです。しかも生でなんて・・・」
「あっまずった・・・」と瞬間的に理解した。
彼は信じられない物を見る目をしていた。
至って冷静に対応しようと決め思い口を開いた。
「日本に古くからある食べ物で桜肉って呼ばれているんだ。馬自体はフランスなどでも・・・」
「あなたは友達食べるんですか?それも生で!」
彼はこれまでにないほど感情的になっていた。
そこからは全くもって話を聞いてくれなくなってしまった。
周りの友人達が宥めたり、濁しながら話をずらしてくれたので、有耶無耶になって開放された。その後彼とは食事の話を避けるようにした。
後から知ったが彼はとても立派な家柄の出身らしい。
そこから想像するに馬はとても身近な存在だった可能性が高い。
留学生ってだけで想像のつきそうな話ではある。
当時はよく知らなかったのだが海外視点だと「魚を生で食べる事は不思議だが、日本の伝統料理だから大丈夫らしい」みたいな印象らしいが「肉を生で食べるのはどう考えても頭がおかしい、野蛮だ」と感じるようだ。
実際馬を食べる地域は他国にもあるものの、生食するのは日本くらいと聞いた。
日本のすべての文化に興味がある人もいれば、自分の倫理観から逸脱する行為を一切許容できない人も居る。
海外の方と話す時は相手の出身地域の文化や、グローバルな考え方を少しでも知っておくと揉め事が起きないと言う事を学んだ。
その後別件で「犬食ってみてぇ~」という発言で事故るバカの話はいつか・・・。