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息子よ、親の小知恵を超えていけ
あんまり中国とか関係ない話題ですがお付き合いください。
去年末、クリスマスにサンタに扮して子どもにプレゼントをあげようとしたところ、大スベリして息子くんを大号泣させてしまったことを書きました。
この時に子どもに用意したプレゼントの中に、知育玩具がありました。こんなやつです。
![](https://assets.st-note.com/img/1737013396-cs9zltYoSmWf7PQOxEvMAhV4.png?width=1200)
キューブ上の本体のそれぞれの面にボタンやらスイッチやらレバーやらがついていて、いろんな動作や感触を体験できるというものです。
プレゼントにこれを選んだのは、なんか手を動かすのが脳の発達とかによさそうだな、という雑な理由からでした。まさにECサイト(淘宝)のそういう謳い文句に惹かれて、購入したというわけです。ちなみに僕はこれを20元、つまり日本円だと400円ちょっとで買ったのですが、日本の楽天にまったく同じものが2,000円以上で売られてていて、ものの値段って不思議だなと思いました。日本向けでこんなに利鞘がとれそうなら、僕も何か作って売ろうかしら。
それはともかく、もう一つこの玩具を選んだ理由があって、それはぶっちゃけ僕が仕事をしている時とかにこの玩具に集中していてほしいな、という親の都合です。
それこそこのマガジンを書いたり、何らかの作業をしながら子どもを見ておかなければならない時というのがあって、そこであんまり動き回られるとなかなか作業にならないのです。
ベビーマットから脱走しようとしたり、変なところでつかまり立ちをしようとしたりするのを戻す作業を3分に1回くらいしていると、進むものも進みません。かといって、ベビーカーとか椅子に拘束して座りっぱなしにさせているのも避けたい。ということで、手遊び的なことできるようなものがあれば、黙ってじっとしていてくれるんじゃないかと思ったわけです。
……が、目論見は見事に外れました。残念ながら毎回この玩具を与えてみたときの反応は薄く、ちょっといじったり角に噛みついたりしたかと思うと、だいたい5分もせず飽きて放り投げてしまいます。そしてまたベビーマットを脱走しようとしたり、僕の足にまとわりついてくるぶしをペチペチ叩いたりしてくるのです。
400円程度で子どもの注意を逸らそうと思った僕が浅はかだったようです。
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こんな知育玩具よりもよっぽど活躍しているのが、子ども用ウェットティッシュの袋です。
![](https://assets.st-note.com/img/1737016232-MyWglxm4KCri1NQAVZjIXYs7.png?width=1200)
息子くんはなぜかティッシュの中身が入っていた時からこの袋に異常な執着を示しており、おむつ替えをしている時でもメチャクチャに身を捩らせてまでこの袋を掴もうとしたりしていました(💩が飛び散るからやめい、と思っていましたが)。そんなに好きならということで、中身を使い切ったあとも保管しています。
目の前に置いてあげると、袋を引っ張ったり、くしゃくしゃに揉んだり、開け口の硬いプラスチックの部分で爪をカリカリしたりと、実にさまざまな感触を楽しんでいます。こっちのほうがよっぽど情操教育とかに役立っていそうです。集中している時間も長く、飽きずに何度でも遊んでいます。
安物どころかそれ自体はタダみたいなもんなのに、何が役に立つのかなんてわからないものですね。
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プレゼントを渡す時にスベっただけでなく、渡したものもタダ同然のものに負けるというのは親として悲しい気分になりますが、でもきっとこういうことでいいのだ、と思っています。
むしろ、こうしたら頭が良くなりそうだなとか、おとなしくしてくれるかもしれないな、とかいう大人の小賢しい知恵を子どもが超えていってくれたことを喜ぶべきなのでしょう。
息子には僕を超えていってもらいたいし、僕の想像や発想の中に収まる存在でいてほしくありません。なればこそ、自分の意図通りにならないことを賞賛してやらなくてはいけません。
こちらとしても、それでこそ知恵の絞りがいがあるというものですしね。これがダメならこういう方法はどうだ、と発想を転換させてくれるきっかけをくれることにも、感謝すべきです。
僕ごときの知恵に負けずに斜め上の方向で僕を困らせて、そのたびにこちらが頭を働かせて、それでもまた超えていってほしい。そんな関係で息子くんといられたら。そう思います。
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息子が今よりもっと大きくなれば、きっともっと意図通りにならなかったり、頭を悩ませることは増えていくのでしょう。
その時にただ思い通りにならないことに苛立ったり、無理やりに親の権力で押さえつけたりするのではなく、まずは「ほうほう、そうきたか」と親の小知恵に縛られない子どもの成長と発想を喜び、そのうえでどうしていくかを考えられるようにしておきたい。そのことを忘れないため、今日はその気持ちを書き留めることにしました。
息子よ、親の小知恵を超えていけ。こちらとしてもいろいろ策を弄するが、俺ごときに負けるんじゃないぞ。
いまも僕の足元にまとわりついている息子へのメッセージでした。ではまた。
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