見出し画像

11月のマガジン運営報告とお礼

僕の住む広東省の田舎町では、先月までは日中はクソ暑く朝晩は少し冷えるといった程度だったのが、いまは日中から本格的な寒さが流れてきて、冬の訪れを感じています。

たった数日前までは、往生際悪く居座り続ける昼の太陽にグチグチと文句を言い続けていたのに、こう急に寒くなってしまうと、半袖で気楽に過ごせていた日々のことが少し名残惜しくなってきます。人間とは勝手なものです。

そうした季節の移ろいは、PCR検査に並ぶ人々の姿にも現れています。人々の着る服から夏の鮮やかさが失われ、防寒を目的とした厚手の服の味気ない色味が目立ちます。並びながら額の汗を拭っていた人々は、いまは肩を震わせたり、手を擦り合わせたりしています。

……っていうか、もう中国がこういう状態になってから、いったい季節がいくつ変わったんでしょうかね。「季節の移ろい」を感じるほどに馴染んでしまったこのPCR検査の光景が、終わりを迎える日は来るのでしょうか。

むしろ僕が忌まわしいと思っていた太陽を、去ってしまってから少し惜しんだように、この光景も人々にとって郷愁や惜別を思わせるものになるのでしょうか。たぶんそんなことはなさそうですが。

つまらない時候の話の収拾がつかなくなってきたのでここで強引にまとめますと、そんなこんなで今月もマガジンを更新し続けることができました。不安定性を増す中国、今月は特にいろいろあった中で、この場で踏ん張りながら中国のことをみなさまに伝え続けられたことを、誇りに思います。

みなさま、いつもお読みいただき本当にありがとうございます。今月もともに過ごしていただき、本当にありがとうございました。

+++++

今月は前述のとおり、大きな動きがありました。先月の「二十大」が終わり、大きな意味でのこれからの中国の方向性が見えた矢先、足元ではコロナ対策をめぐる動きが多くなっています。そのうちの多くは、混乱や悲劇をともなうものです。

在住者の実感としては、これまで中国の防疫政策自体は部分的には不満もあれど、それらが顕在化することはなく、また人々の方も総体としては防疫措置をおおむね受け入れているように見えました。

しかし感染拡大とともにその影響範囲が大きくなり、過剰な防疫がもたらす被害と理不尽が多くの人にとって「自分ごと」となるに従い、やっぱりこれは間違っているんじゃないか、少なくとも方法がおかしいのではないかという声が上がり始めています。

その中には、そうした違和感や理不尽の根源を中央政治の側に求める動きも出てきています。これは近年の中国ではほとんど見られなかった現象であり、この国が大きなターニングポイントに差し掛かりつつあるのを感じさせます。

すぐにコトが起こるような気配はいまのところ感じられませんが、遠くない将来にはやはり何かしらの大きなことが起き、この国の姿が変わっていく予感は十分にあります。

それは中国の「底」としての姿かもしれず、決して楽観したりワクワクできるようなものではないのですが、いずれにしてもそこで起こることと、その中で暮らす人々の息遣いのようなものを、微力ながら伝えていければと思います。

あと、ここまで書いたこととは真逆になるのですが、ちょっと大きなトピックばかりを扱いすぎて、書き手としても、たぶん読んでる皆様としても疲れてしまうことが増えているように思います。

なので来月からはもうちょっと軽めの話題というか、日常に近いことも書いていけれなと思っています(毎月こう思っては、大きなことが起こりすぎるためになかなか実現しないのですが……)。

なんにせよ、肩の力を抜きつつ中身はしっかりと書いていければと思います。

+++++

マガジンの運営としては、読み放題プランを新たに追加したことが大きなトピックです。

過去記事の数がそれなりに溜まってきたので、読み放題にできたらいいなという思いが以前からあり、noteのメンバーシップ機能を利用して始めてみることにしました。

新規に購読をする場合は基本的にこちらのほうがお得なので、購読検討中の方はぜひ上のリンクからのご加入をお願いします(月をまたいでしまうと購読料が余分にかかってしまうので、月初に開始することをおすすめします)。

自分で書いたものは自分自身でもたまに読み返すのですが、ちょっと恥ずかしい出来だなと思うものもありつつ、「お、こいつ結構いい線行ってるやん?」と感心しながら自画自賛したくなるものもあります。

ぜひ過去記事を読んで、このマガジンがどういうことを伝えてきたのか知っていただければと思います。もし気に入ったものがあれば、過去記事でもスキやシェアで応援していただけるとうれしいです。

+++++

今年も残り1ヶ月。このマガジンとしては、来月末で開始して丸1年を迎えます。とりあえず1年間、ペースを落としながらも走りきれそうなことに安堵するとともに、気を抜かないよう1年目を走り抜けたいと思います。

これからも、応援のほどをよろしくお願いいたします。

ここから先は

0字

月額マガジン「中国を言葉にするマガジン」の読み放題版はこちらからどうぞ。購読期間中は500以上の有料…

中国を言葉にするマガジン 読み放題版

¥800 / 月

いただいたサポートは貴重な日本円収入として、日本経済に還元する所存です。