おせっかい? 押し付け? 中国的サービス精神
このマガジンを書いた時の出来事で思い出したことがあったので、今日はそれについて。
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というのも上のマガジンは中国のドラッグストアでワセリンを買う時になんかややこしいことになったと言う話なのですが、そのややこしいやりとりとは別に、店員のおばちゃんに言われた印象的なひとことがあります。
それは、「なんでワセリンを使うの? ワセリンって油腻(油っこい)じゃない、それならこのメーカーの化粧水の方がいいよ」というものです。こっちがすでにワセリンをレジに持って行ってるにもかかわらず、別の商品を薦めてきたというわけです。
僕は「なんだこのおばちゃん、やたら踏み込んでくるな」と思いながら、もう長年ワセリンを使ってるからこれでいい、と言いました。
おばちゃんは「好的好的」といって、それ以上は何も言いませんでした。
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そういえば最近、他にも似たような経験がありました。子ども用の粉ミルクを買いに行った時のことです。
うちでは母乳と粉ミルクの混合で育児をしているのですが、粉ミルクの使用頻度は低く、1日に1、2回使うかどうかという程度です。そのため、粉ミルクを買うときは400gくらいの小さめの缶のものを買うことにしています。
そしてある時、ベビー用品店に粉ミルクを買いに行くことがあったのですが、その店には800gの大きいサイズしか置いていませんでした。
そこで店員に「小さいのはないの?」と聞いたのですが、すると店員は何を答えるよりも先に「大きい方が划算(コスパがいい)よ!」と言ってきました。いや、まずはあるかないかを答えてほしいんですが。
改めて聞くと「ない」ということだったので、その店では何も買いませんでした。
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もう一個ありました。これは結構前ですが、パソコン作業がたてこんで肩首がバッキバキになったので、マッサージ店に行くことにしました。
中国のマッサージ店はだいたいアプリから予約できるようになっているので、一応予約することにしました。店のページを開き、時間帯とコースを選びます。とにかく肩首が凝って仕方がなかったので、コースは40分くらいの肩首中心のものにして、予約を完了させました。
ところが実際に店に行くと、これまた店員が「このコースよりも、60分のこっちのコースの方が効果が高いですよ!値段もクーポンを使えば同じです!」と言ってきました。
少し心が動いたものの、微妙に時間がないし変更などがめんどくさかったので「いや、でもアプリから予約して料金も払ってるから」と言ったのですが、「そんなのすぐにキャンセルできます!」といって、スマホにつかみかかる勢いで操作をしてくれようとしました。
結局このときは、店員の熱意に根負けして60分のコースに変更しました。マッサージ自体の腕も良く、最終的に満足する結果が得られました。
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上記の例のいずれも、日本であれば「お客さんが自分でそう言ってるんだから」といってそれ以上は何も言わなさそうなところです(何かおすすめがあるにしても、もうちょっと関係を作ってから切り出すのが一般的でしょう)。
しかしそんな場面であっても中国の人々は、どんどん自分の思う「よきこと」を全力で相手にわかってもらい、その行動を相手に取らせようとします。よく言えば自分の信じるものに正直で世話焼きですが、悪く言えばちょっと押し付けが過ぎるという見方もできます。
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