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中国の義実家生活でわかった、「祖父母育児モデル」の良し悪し

義実家奮闘シリーズで何度も書いてきましたが、中国では子どもが生まれた後に親の親、つまり祖父母世代の家に預けられるケースが珍しくありません。いま僕が滞在している(さっさと帰りたい)義実家でも、僕から見た甥っ子と姪っ子がいます。

特に甥っ子に関しては、小さい時から祖父母のもとで育てられているのを定点観測的に見てきました。その中で、いまの日本ではおそらくあまり採用されていない、祖父母世代が育児の大部分を担うモデルの良し悪しのようなものがなんとなく見えてきので、今日はそれについて書いてみたいと思います。

良し悪しといいつつ、優劣を論じるものではないので、そのあたりを理解いただいてご覧ください。また、僕自身が育児を経験しているわけでもないので、ひょっとしたらピントがずれている可能性はありますが、そこも留意してもらったうえで興味のある方はどうぞ。

メリット①:両親の時間が自由

まずは何をおいても、両親の時間が自由になり、共働きもへっちゃらという点が大きなメリットです。たとえば日本で保育園に預けるのと比較しても、子どもが熱を出して緊急で迎えにきてください! みたいなこともなく任せっきりにできるので、親としては安心です。

甥っ子の両親も、子どもを預けてそれぞれに働いています。特に奥さん(僕から見た義姉)のほうが外資のけっこうな大企業で働いており、キャリアを途絶させることなく続けられているのはかなり良さそうに見えています。

メリット②:費用がかからない

もちろんですが、基本的には費用もかかりません。

中国では保育園のシステムがそれほど発達していないかわりに、ギグワークのお手伝いさん(阿姨)が雇いやすい環境がありますが、それとて安くはありません。土地やサービス内容によって相場は違いますが、だいたい時給だと80元(1600円)、常駐してもらうとなると月に5000元(10万円)以上はするでしょうか。

しかも、それだけの費用を払ったとしてもサービスの質はピンキリです。人間がやるサービスなのでどこの国であろうと人によって当たり外れがあるのは同じですが、中国ではサービスの値段と質が比例しないケースが多く、その落差もかなり大きいです。そのためみんな、「ソト」から供給されるサービスへの信用が低いです。

よって、ハズレの人に高いお金を払って失敗するくらいなら、信用のおける「ウチ」としての家族にやらせたほうがいいよね、と考えるのが中国式です。同意するかどうかはともかく、一理ある考え方ではあるでしょう。

デメリット①:子どもが混乱する

ここからはデメリットです。まず、子どもが祖父母に預けられるということは、子どもが親の家庭のほかにもう一つの家庭を持つようなものですが、そこで両者の価値観が違っていると、子どもが混乱してしまうのではないかと思いました。

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