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ココナッツオイルを有効活用するには?

一時期、ココナッツオイルのダイエット効果が注目されてものすごく流行っていました。

バターコーヒーなんてまさに良い例です。

ココナッツオイルにダイエット効果があるとされる理由は中鎖脂肪酸にあります。

 結論

「ココナッツオイル自体にはダイエット効果はない!」ただし、置き換えることで脂肪減少効果の期待はできる。



中鎖脂肪酸は吸収速度が早い


ココナッツオイルを語る上で中鎖脂肪酸を知ることは必須です。

中鎖脂肪酸とは炭素数が8-10のカプリル酸(8)やカプリン酸(10)といった飽和脂肪酸があてはまります。

普段私たちが何気なく摂取しているほとんどが長鎖脂肪酸になります。 

では、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸とでは何が異なるのか。吸収速度とエネルギー化するまでの早さが中鎖脂肪酸の方が早いという特徴があります。

長鎖脂肪酸は舌・胃・膵リパーゼによって分解され、胆汁酸とミセルを形成し小腸で吸収されます。その後リンパ管を通って鎖骨下静脈へと流れて全身に供給されます。

一方で中鎖脂肪酸は舌・胃リパーゼや胃酸によって殆どが分解されます。また水と親和性が高いため、グルコースやアミノ酸と同様に門脈を介して直接肝臓へ送られるため、エネルギー源として使われやすいというわけです。 

しかし、あくまでも吸収速度とエネルギー化が早いだけで、エネルギー供給速度が早い=瘦せるには直結しません。

ここで関係してくるのが流行りの低糖質ダイエットになります。

糖質制限と中鎖脂肪酸の関係


通常の低糖質ダイエットではケトン食と呼ばれる低糖質・高脂質(ここでの高脂質は積極的に摂るというニュアンスではなく、制限しなくてよいというニュアンスです)の食事に切り替えます。

ケトン食と言われるくらいなので、身体の中では当然、ケトン体と呼ばれるものが生成されます。

ケトン体は糖質の代わりにエネルギー源となってくれる物質ですが、本記事では詳細説明は控えます。 


低糖質ダイエットの鍵はこのケトン体にあり、いかにこのケトン体を早く生成させるかが非常に重要になります。

そのため、良く誤解を招くのですが、低糖質ダイエットにおいて、脂質まで制限をかけるダイエットは正しい方法ではないので注意が必要です。

 

低糖質ダイエットにおいて摂取する脂肪酸を意識的に中鎖脂肪酸に切り替える中鎖ケトン食にすることで通常より早くケトン体を生成することができます。

これが俗にいうケトジェニック・ダイエットと呼ばれるものです。そこで中鎖脂肪酸を含むココナッツオイルやMCTオイルがはじめて効果を発揮します。 

 ココナッツオイルやMCTオイルは食事制限(とくに糖質制限)下において、脂肪燃焼効果を高めてくれます。

ちなみにMCTオイルとは高純度の中鎖脂肪酸になります。ココナッツオイルはおよそ半分がラウリン酸(炭素数12)で10%がカプリル酸、カプリン酸になります。

ココナッツオイル摂取では3時間後に血中ケトン体レベルが最大になり、MCTでは1.5時間後に最大になります[1]。またMCTは長鎖脂肪酸に比べケトン体の生成が10倍ほどになります[2]。

ただし、MCTオイルは吸収速度が早いが故にお腹を下してしまう可能性もあります。私自身、胃腸がそれほど強くないのでMCTオイルを大さじ一杯摂るだけでお腹がゆるくなってしまいます。

ココナッツオイルの方がMCTオイルに比べて劣ると考えるよりはその人の胃腸の強さによっては吸収速度が早いMCTオイルよりもココナッツオイルの方が良質な効果が得られることもあります。

どちらが身体にあっているのか一度比べてみてください。

まとめ

ココナッツオイルはバターやラード、お肉の脂に多く含まれる長鎖脂肪酸に比べれば吸収速度が早くエネルギー化も早いため、脂肪として蓄えられにくいです。

ただし、脂質であることには変わりはないのでココナッツオイルをいくら摂取してようがオーバーカロリーな食事をしていれば痩せることはありません。

ココナッツオイルを有効活用するにはバターやラードなどの長鎖脂肪酸を多く含む脂やサラダ油などと置き換えることが大切です。

近年ではココナッツオイルがカンジダ菌に対する抗菌作用が強いことや特にラウリン酸は黄色ブドウ球菌の活性を阻害するといった研究が報告されています。

簡単に言えば、腸内環境を整える効果が期待できるということです。

特徴を抑えた上で有効活用していきましょう。





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