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隣り合わせの廃と青春30 ありがとう〜それでも残ったもの〜
華神をアデン城の城主にすることが出来た。
念願のアデン城を獲ることも出来た。
完全とは言えないまでも、目標は達成出来たのだ。
それなのに。
なぜか当時の私は、リネージュへの熱がスーッと引いていくのを感じていた。
初回ではなかったとはいえ、アデン城を獲れたのだから良かったじゃないか、というのはその通りである。
しかし、私の中で、リネージュはかなりどうでも良いものになってしまってきていたのだ。
あれだけ熱中していたのに、冷めるのは一瞬だった。
明確な理由は今になっては思い出せない。
もしかしたら燃え尽き現象だったのかもしれないし、単純に飽きたのかもしれない。
おりしもその時は4月頃。
何とか学業の方も頑張った結果、行きたかった第一志望の学部に進学することも出来た私は、キャンパスライフをスタートさせていた。
そして、大学1年生の4月といえば、ちょうど新歓コンパの時期だ。
(表現は不適切だが)いくらでも無料で飲み会に行ける時期である。
私は毎日飲み歩くようになり、リネージュには全くインしなくなっていた。
そしてその頃、リネージュをプレイしなくなったので、件の彼女とも別れた。
酷い別れ方である。
かくして私は、アデンの地から、潮が引けるようにサーっと離れていったのである。
(後で振り返ってみると、ここで一旦MMORPGから離れたことによって色んな人生経験を積めたので良かったと思えるのだが、それはまた別の話である。)
リネージュを辞めた私には果たして何が残ったのか。
サーバートップレベルのキャラクターや、大手血盟の幹部といった要素がなくなっても、リネージュを通じて育んできた友情はそれでも残った。
彼らと、リネージュ以外のゲームをプレイすることもままあった。
意外と交友関係は広く残って、例えば件の修哉氏となぜかKING OF FIGHTERS2002をプレイしたこともある。(本当になぜ?)
例えば「水漣」氏のように、リネージュを辞めた後の方が仲良くなった人だっている。
その中でも特に、現在になっても付き合いのある、もはや人生の友とも言えるべき「S」とは、リネージュを辞めてからの方がずっと付き合いが深くなった。
かけがえのない出会いを残してくれた、リネージュには本当に感謝している。
もう1つ残ったものは、非常に下世話な話ではあるが、現金だ。
Sにお願いして、装備を全部RMTし、日本円にして100万円以上を手に入れたのだ。
(プレイした時間を時給換算すれば大したことないかもしれないが)まとまったお金が手に入った私は、バイトをする必要もなく、大学時代をエンジョイすることが出来たものだ。
振り返ってみれば色々なことがあったと思う。
今となっては忘れてしまったことが多すぎる。
あの時代に感じていたことを、どんな形でもいいからもっと残せていたなら。
ゲーム中のスクリーンショットが残っていればどんなに良かっただろうか。
いや、思い出は思い出として眠っていてくれている方が良いのかもしれない。
ともあれ、多感な高校生の時代をリネージュと共に駆け抜けた私は、「一旦は」アデンの世界に別れを告げたのであった。
最後に。
「世界を狭く感じたとき、冒険は終わっていたんだ」。
隣り合わせの廃と青春 第1部 完
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