トレーラーハウスの企画開発 No.01【事業化を目的とした企画開発】
ご挨拶
はじめまして。スタジオスケッチと申します。
私は住宅とトレーラーハウスの企画開発・設計支援の仕事をしているフリーのエンジニア兼コンサルタントです。
トレーラーハウスは昨今、メディアでも取り上げられる機会が多くなりテレビやウエブでご覧になったことがある方も多いかと思います。キャンプ場や駅前の商業スペースなどで見かけたことがある方もおられることでしょう。
可動性、備蓄性、生産性、コストパフォーマンス、そして災害時の対応力などから、多くのマーケットに対して高いポテンシャルを持つプロダクトであり、市場は年々拡大してきていると思います。しかし、本来はもっと大きな産業へと発展してゆく可能性があるのではないかと思っています。
この記事で伝えたいこと
トレーラーハウスは使い方次第では様々な社会問題の解決にも役立つプロダクトです。しかし企業や行政で事業化を検討をしようと思っても、法律関連の情報は多くの会社様が公開をされていますが、実際のものづくりとしての情報は、住宅とは違い参考情報が少ないかもしれません。
そこで本記事では数回にわたり、主に事業化を目的としたトレーラーハウスの企画開発を対象にした、企画開発のアウトライン、様々なマーケットに向けた提案例、未来に向けたトレーラーハウスの新たな展開案、等の情報を発信してゆきたいと思っています。
解説をするトレーラーハウスの種類
トレーラーハウスには様々な種類があります。この記事では実際に私が開発した経験のある「車検付きトレーラーハウス」を中心に解説をしてゆきます。「基準緩和認定による大型のトレーラーハウス」については開発の経験がありませんので解説を控えさせていただきます。
トレーラーハウスを開発をしよう!の前におさえておきたいこと
トレーラーハウスを作ろう!と思い、ウエブサイトで関連情報を検索しますと、多くのトレーラーハウス会社様のホームページや、トレーラーハウスの普及を進めておられる各協会様のホームページをみることができます。各社様々な情報を開示してくださっていますが、どうしても自社で販売又は普及を促進されているタイプのトレーラーハウスが中心の内容になります。
それゆえ、A社で推奨しているトレーラーハウスのサイズがB社には無いこともあり、トレーラーハウスはどのサイズが作成可能なのだろう?と思われるかもしれません。
なぜ会社によって推奨しているトレーラーハウスのタイプが違うのか。それはトレーラーハウスが準拠する法律によってサイズや仕様が異なることが起因しているのかもしれません。言い換えますと、各社によってどの法律に準拠したトレーラーハウスを推奨しているか、得意としているか、販売しているか、ということです。そして法律だけでなく、各社のノウハウや保有技術によっても変わってくると思います。
従って、トレーラーハウスをつくるためには、まずは準拠する法律によって異なるトレーラーハウスのタイプを知るところから始める必要があります。
この点をはじめにおさえておくことで、どのトレーラーハウスのタイプを選択するか、どのような構造や性能を選択するか、法的な制限の中でどのようなプランづくりをしてゆくのか、どのような売り方をするか、という次のプロセスを進めてゆくことが可能になります。
企画開発のアウトライン
そこで本記事では初めてトレーラーハウスの開発することを前提として、以下の流れで企画開発のアウトラインを解説してゆきたいと思います。
①:事業化を目的とした企画開発(本項)
②:車両と建築の基準
③:シャーシの種類と選択
④:ハウス工法と脱着機能
⑤:プランニング
⑥:生産工学的アプローチ
⑦:商品企画戦略と販売企画戦略
①から⑦の開発のアウトラインの次は、様々なマーケットに向けた提案例などを解説してゆきたいと思っています。
トレーラーハウスによって様々な社会問題が解決できるようになる未来に向けて、微力ながら貢献できればと思います。どうぞ宜しくお願いします。
次回更新は11月8日(水曜日)AM10:00を予定しています。