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Kの向くままにおススメ映画『浮雲』ネタバレあらすじ感想日記

こんばんは。非モテKです。今回は『浮雲』。一言で表すと「腐れ縁の映画」です。



こんな人におススメ 

大人の恋愛映画。でも子どもが観れないシーンは一切なし!


要注意点まとめ 

▲白黒映画です。色が好きな人は×
▲心温まらない超絶バッドエンド。ハッピーを求める人は鑑賞危険!
「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」


こんな映画です 

林芙美子 原作。戦時中の1943年、農林省のタイピストとして仏印(ベトナム)へ渡ったゆき子は農林省の技師 富岡と親密な関係になる。終戦を迎え、富岡は妻との離婚を約束して先に帰国する。後を追って東京の富岡の家を訪れたゆき子だが、富岡は離婚していなかった!おい、小池!…じゃなくて富岡!

そして始まる付かず離れずの腐れ縁。その後、富岡は妻が亡くなり、ゆき子は義兄の束縛から逃げ出し、今度の今度の今度こそ二人の自由な生活、と思った矢先、ゆき子は肺病に侵されていたのでした…。ゆき子、ゆき子ー!


もう少し詳しく 

古臭い、と感じる人もいるかもしれませんが、シチュエーションを現代に置き換えても筋はそのままに成立すると思うんですよね。これは割と普遍的な恋愛のお話です。
何故だかモテるダメ男、そして何故だか離れられないダメ女。太古の昔から存在する恋愛パターンでしょうか…。

富岡は妻が亡くなった後、ようやくゆき子と暮らすのかな、と思いきや別の女と同棲するとか、何だよ富岡、お前はよ、天性の女たらしが!と、ゆき子を応援したくなりますが、最後は逆に富岡が酷く可哀そ過ぎて励ましてやりたい気持ちになりましたね。

結局、ゆき子を翻弄していたように見えた富岡自身が時代の色々な事に翻弄されてたんですよ。ラストシーンで突然気付かされる、そういうお話です。

歩み寄ると離れていくし、離れると付いてくる…。『浮雲』とはそういう意味だと勝手に解釈しました。


観た後はこんな気分になりました 

恋愛映画といっても、誰と誰が実は付き合ってるとかそういう若者向けのようなドキドキ感や甘酸っぱさは皆・無!全編不穏、再生した瞬間からOPの音楽が既に不穏モード。。
波乱と苦労、不遇と不幸の連続…からの超絶バッドエンド、相当凹みます。

巨匠、成瀬監督は男性と、殊に女性について非っ常ーに鋭い目線で考察した人です。後にも先にもこれ程女性にフォーカスした監督は稀ではないでしょうか?女性、男性、それ以外の性の人でそれぞれ受け取り方が大きく違うかもしれませんね。


心に残ったセリフ 

ゆき子 :「初めっから家や奥さんが大事だったら真面目に通したらいいのよ。」

そうだ!世の中の男たちよ!…でもね、誘ってきたのはそっちじゃないの…

邦画の名作、日本を代表する恋愛映画、是非観てね!


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