地動説から生命の起源まで―真理を追い求める『チ。』の話【今日の余録】
非道徳的なことで溢れ返っている世界を変えるために必要なものは何か?
また、世界を今のままに保持するために必要なもの、それは何か?
この答えは、いずれも「チ」だ。
ただし、同じチでも漢字が違う。前者は「知」、後者は「血」。
こいつは一体何を言っているんだと思われるかもしれない😇
これは、15世紀のヨーロッパを舞台に、地動説の研究に命をかけた人たちの話『チ。-地球の運動について-』(作:魚豊)に出てくる。
『ビッグコミックスピリッツ』で連載されていた漫画ですでに完結し、今はアニメ版が放送中だ。
地動説といえば、ガリレオの裁判が有名だろう。
この裁判が有名過ぎて、当時のヨーロッパでは地動説の支持者が断罪された、という印象が強いのではないか。実際にはそこまで迫害がひどかったわけではなさそう、というのを作者の魚豊先生がとあるインタビューで答えている。
地動説の細かい話はさておき、現代でも、宇宙にまつわる話はまだまだ解明できていないことが多い。
余録では、小惑星「ベンヌ」からNASAの探査機が持ち帰った「生命の種」(DNAの成分など)の発見について触れられているが、生命の起源は考えれば考えるほど謎だ。
そもそも生命ってなんだ?って話にもなるけれど、宇宙自体が生きている生命体とすれば、はたしてどうやって生まれたのか。個人的には、この世界のあらゆる事物は原因と結果から成り立っているものだと思っている。無から有が生まれることが物理的に創造できないからだ。そこにこの世界の美しさ感じたりする。
たとえば、人の死についても「無に還る」とは思っていない。たしかに、人という生命体ではなくなり、動かなくなった身体を燃やしてしまえば見た目にはなくなる。だがそれは、僕らの目には見えない物質に変わるだけの話。そのかつて人であったモノの欠片たちは、さまざまな化学変化を繰り返しながら、また違う生命体へと生まれ変わる。
でもそうすると、宇宙の起源――ではないか。宇宙よりもさらに根源となる生命の起源が、どのようにして生まれたのかがわからなくなる。もともと生命の源となる土壌があったとしても、それはなぜ存在できたのか。
独りよがりの考えで無駄に悩んでいる僕に必要なもの、それは「智」だ🙃