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イサム・ノグチ 発見の道

イサム・ノグチ 発見の道
2021.4.24-8.29
@東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
★★★★☆

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会期のはじめの方に行ったので空いているかと期待したが、なかなか混雑していた。彫刻家・芸術家として好きな人と、akariシリーズなどの家具デザイナーとして知っている人がいると思うと、この人気も頷ける。

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いちばん最初の展示室の入り口にあった有名な作品「黒い太陽」。
最初からかっこいい…!!

その奥には、大量の「あかり」というイサム・ノグチデザインの照明のインスタレーションと多数の彫刻作品が林立している。


撮影OKな展覧会は、こういう文章も写真で残せるのでありがたい。

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実はあかりがふっと全部消える時間もあった。


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↑これは横浜美術館で何度も見たことのある作品。今は横浜美術館は長期休館中なので、作品も日の目を見れて嬉しそうだ。個人的に「ミミズ」と呼びそうになるが、「下方へ引く力」という作品。


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↑「女」

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ひとつひとつが、面白いかたち、愛らしいかたち、かっこいいかたち、緊張するかたちなど、抽象的なのにキャラクターがぜんぶ違っていて、展示室を歩きながら新しいかたちに出会うのが楽しかった。

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キャプションは作品のそばにはなくて、少し離れたところにいくつかまとめられてあるんだけどシルエットで説明されていてそれもとてもかわいい。

会場内全体を通して、部屋ごとのテーマのテキストははじめにあるけれど、それ以外は上の写真のような作品情報くらいしかなくて、作品を観た人が純粋に心で感じるのが楽しいイサムノグチ作品にぴったりだなと思った。

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↑この作品は、見た瞬間にお地蔵さんみたいだと感じた。その後キャプションを見たら「サークルストーン(お地蔵さん)」。
こういうことが何回かあって、ぴったり当たると嬉しくなる。

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↑本展覧会名と同名の作品「発見の道」

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りす。



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原子の積み藁



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2=1



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プレイスカルプチュア。抱きつきたくなる愛嬌のある遊具で好き。



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日本や海外の、イサム・ノグチが好んで使用した石の紹介コーナー。


2F展示室は、「第3章 石の庭」というテーマだったが残念ながら撮影禁止。亡くなる前の5年間ほどの、石にだんだんと手を加えることが少なくなってきた頃の作品群で、これも見応えがあった。

香川県・牟礼のアトリエで制作を始めてからは、石の声を聞きだんだんと手を加えることが少なくなっていったそうだ。最晩年にして、最高の作品群だと思う。


2〜3分の短いムービーでは、イサムノグチが話しているのを初めて見た。

人間は土から生まれて土にかえっていく。
土は、石が粉々になったもの。
だから石に関心を持つ。
僕の彫刻作品は値段が高くなってしまったから、あかりは、いろんな人の手に届くようになったことが嬉しい。


ミュージアムショップではakariも販売していたが、小ぶりなものだと13,000円くらいで、「ほんとに買えちゃうな…」と思った。


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2018年の東京オペラシティへ見に行ったイサムノグチ展(https://www.operacity.jp/ag/exh211/j/installation.php)のことも思い出す。その時は小型の彫刻作品や、舞台美術、公園の計画など石彫作品以外のことも網羅的な展示だったように記憶している。

今回の都美術館の展覧会は、比較的大型(人間より大きいサイズくらい)の石彫作品が中心でその数も充実していたけれど、家具や製品デザインもしているので、イサムノグチの仕事としてはごくごく一部と思った方が良い。

2019年にニューヨークに行った時にも、クイーンズのノグチミュージアムに行って大量の作品を見ているので、いつの間にかかなりの数のノグチ作品を見ているな、と我ながら思う。(以下4枚、その時の写真。お庭やカフェも含めて最高の美術館でした!)

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展覧会HPで公開されている動画のなかで、ミュージシャンのサカナクション山口一郎氏が語るように、私もイサム・ノグチは「人を愛し、人から愛された、"人たらし"」だったのだろうなと同じことを以前から感じていた。日本とアメリカのルーツを持ち、その狭間で苦しんだこともあったが、だからこそ、「人を愛する」ということは彼の生きていくスキルだったのではないだろうかと私は思っている。


展覧会URL



最後にちょっと気になった点…。
最初のakariの展示のワイヤーを吊っているメッシュとかが見えていたのがよくなかった。この数のインストール(設営)、考えただけで果てしない大変な作業だと思うが、その苦労が見えてしまっては美しくないと個人的に思う。

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