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夜行特急アルプスから始める鉄道一日旅in信濃
復活した夜行列車・アルプス
23:50頃、新宿駅7番ホームに一つの列車が入線しました。その名も特急アルプス。かつて中央本線を走行し、都会と白馬をはじめとした日本アルプスの周辺地域を結んだ「急行アルプス」の復刻版です。
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前日の地震の影響でどうなるかと思っていましたが、無事に運転が決定。JR東日本の英断には頭が上がりません。本当にありがとうございます。
今回はグリーン車を連結しており、1ヶ月前の10時打ちで見事Rさんがグリーン2席を獲得。前回の土合行き夜行よりも格段に快適な夜汽車旅ができそうです。
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地震の影響で新宿駅には日付けを超えたところで発車。このあとも大月〜茅野間での徐行運転があるため、到着時刻の予測ができません。
本当は終点の白馬まで行って、そこから出るバスで長野駅に向かおうとしたのですが、万一のことを考え松本で降りて普通列車で長野駅へ向かうことに決めました。
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ところがさすが夜行列車、徐行での遅延をなんとかして取り戻し、定刻通り松本駅に到着しました。僕の心配は杞憂に終わり、無事に午前5時の松本駅ホームに放り出されることとなりました。平穏が何よりです。
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寝ぼけ眼の善光寺平
次の長野行き列車まで1時間もあるので一旦途中下車をし、近くにある松本城で朝食のパンを食べることにしました。朝5時とはいえ、城の公園には地域の方々がチラホラといました。
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駅に戻って列車に乗り、善光寺平を経由しながら長野駅を目指します。初めての善光寺平です。
先ほどの短時間睡眠が祟り、眠気が襲ってきます。なんとか堪えようとするも、まぶたは重くなるばかり。完全に閉まることもありました。太陽の光で目を覚ますと、列車はまさに善光寺平を通過しようとしていました。もうすぐ姨捨駅です。アブナカッタ。
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姨捨駅出発でのスイッチバックを見届けると、完全に眠気が勝り爆睡モードに。終点の長野駅にて車掌さんに起こされ目覚めました。お恥ずかしい…。
古き良き車両が集まる長野電鉄
次に乗車するのは長野駅を始発駅とする長野電鉄(通称:長電)です。長電は長野から湯田中駅を結ぶ私鉄で、湯田中駅はお猿さんが温泉に入ることで有名な「地獄谷」の最寄りです。この日も土日ということもあって、多くの観光客が駅を訪れていました。
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今回は長電を全線往復しますが、それには「長電フリー乗車券(1日用)」がおススメです。長野~湯田中は普通の乗車券だと片道で1,190円、往復で2,380円かかるのですが、このフリー乗車券は2,070円です。
しかもこの乗車券は、長電が運行する特急列車の自由席への乗車(1乗車100円)もできるので、特急利用でよりお得になるスゴいきっぷです。
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特急列車にも乗れるということで、今回は往復共に特急列車で行こうと思います。まず往路はA特急スノーモンキー号に乗車。かつて成田エクスプレスで活躍したJRの253系が利用されています。
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長電は他社線から引退した古い列車をもらい、利用しています。253系の他にも元東急8500系、元東京メトロ日比谷線03系、元小田急ロマンスカー10000形がここ長野の地で活躍しています。
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復路は元ロマンスカー10000形を利用したS特急のんびりゆけむり号に乗車しました。長電の旅については後日別の記事で詳しくご紹介しようと思います。お楽しみに。
三セクの快速列車で旧信越本線を旅する
さて、かつて長野駅では長野~上野を結ぶ特急あさまが発着していました。この特急あさまは信越本線という高崎~新潟を結ぶ長大路線を走行していました。
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しかし長野新幹線が開業されると特急あさまは引退し、信越本線は横川~軽井沢間が廃線、軽井沢~篠ノ井間が第三セクター・しなの鉄道に移管され、長大路線は分断されてしまいました。
※横川~軽井沢の廃線についてはこちらの記事をご参考に!!
三セクになったとはいえ、使用している路線は信越本線だったものに変わりはありません。かつての大幹線を偲ぶ旅を始めましょう。
長電の長野駅から乗り換えるは、しなの鉄道が運行する快速軽井沢リゾート号。たった数分の乗り換え時間で水を買いきっぷを買い、構内の弁当屋で手頃な弁当を買って車内に入り込みます。時間にゆとりを持つ自分にとってはかなり攻めた乗り換えとなりました。
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この列車は一律500円の指定席券で乗車できます。停車駅は戸倉と上田のみ。JR篠ノ井線との分岐駅である篠ノ井駅や新幹線も停まる小諸駅を通過する爆速ぶりを見せてくれます。
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しかしこの快速の速いこと速いこと。長野から軽井沢まで1時間くらいしかかかりません。これはかつての特急あさまに匹敵するようなスピードで、「なるほど、これが今の『あさま』なんだなぁ」と思いながらかつ弁当をほおばっていました。
走行中、しなの鉄道の車両として今も活躍している国鉄115系があちこちで見られました。多くの115系はしなの鉄道用の塗装に変わっているのですが、一部列車にはかつての塗装である湘南色、スカ色(横須賀線カラー)に復刻塗装がなされています。
この日は幸運なことにその2色とも見ることができました。まさに往年の信越本線を走っているように思えました。
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そして凄まじいスピードで軽井沢駅に到着。軽井沢駅の構内にはかつて信越本線で活躍していた機関車や鉄道記念物になっている「アプト式鉄道」の車両が展示されています。
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第三の“横軽”・JRバス関東
先ほど旧信越本線の横川~軽井沢間(通称:横軽)は長野新幹線の開業で廃線になったと話しました。しかしながら、これによって横軽のルートが完全に潰えたわけではないのです!!
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廃線後、JRのバス会社・JRバス関東が新たに横川~軽井沢間のルートを整備し、連絡バスという形で横軽の接続を継承したのです。鉄路は無くなりましたが、道路を使って信濃国境をまたげるのです。
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運賃は現金先払い制で520円。週末パスや青春18きっぷでは乗れませんのでご注意下さい。財布の中にちょうど520円がありましたので、ポケットに入れて到着を待ちます。
発車の5分くらい前にやってきました。並んでいる人は僕を含めて12人くらい。バスの定員は40人なので余裕だと思われました。
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ところが、あとからやってきた乗客の多いこと多いこと!あっという間に40席は埋まり、溢れる乗客も出現する始末。急遽2号車が出動する事態にまでなりました。
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テーブルもあるし、充電のUSBポートもある
大量の乗客を乗せて軽井沢駅を発車。碓氷峠のバイパスを通って横川駅を目指します。碓氷峠は急勾配の山道ですので、バイパスと言ってもウネウネとしたカーブが続きます。運転手さんが熟練の技でコーナーを攻めて(?)いきます。
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空いていたら車窓と峠道を楽しみたかったのですが、こんなにも混んでいてはどうしようもなかったので、終点まで寝ることに。35分の所要時間はあっという間に過ぎ去り、終点の横川駅に到着しました。
横川駅の近くには名物「峠の釜飯」の販売所があり、道を隔てた反対側の方に大きな看板があります。これは、車好きで知らない人はいない有名アニメ「頭文字D」の聖地で、看板の下には劇中にも登場する青のシルエイティが展示されています。
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さらに最近、主人公が乗っているAE86(ハチロク)が新たに追加されたそうで、シルエイティの対になるように置かれていました。
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信濃の国は面白い
横川駅からは短区間に切り刻まれた信越本線の生き残りに乗車し、そのまま帰路に就きました。
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臨時夜行列車を使っての一日鉄道旅、面白かったです。いや、鉄道で巡る信濃の国が面白かったと言った方が正しいでしょう。山あり川あり歴史ありの国・信濃。今度はもっと深くまで味わいたいですね。
長野県は都心からそれほど離れていませんので、気軽に安く出かけられる手頃な優良観光地だと思います。みなさんもぜひ長野にお出かけになって、自分なりの「信濃の国」を楽しんでみてはいかがでしょうか?
《おしまい》