【白い雲通信:季刊誌コラム】【ポスト・コロナの風景:出口の模索、油断戒めつつ】
【写真】東京・浅草にて(撮影・飯竹恒一)
茅ヶ崎方式季刊LCT・編集委員の飯竹恒一です。今回は発売中の季刊LCT 41号(January-March 2023)のご紹介です。
昨秋、久しぶりに東京・浅草界隈に出かける機会がありました。テレビ局の通訳の仕事でした。まだまだ新型コロナウイルス感染症は克服できておらず、マスクが手放せないままでしたが、円安に後押しされ、外国人ツーリストが少なからず戻っていたのが印象的でした。
しかし、私の目を引いたのは、むしろ日本人の姿でした。コロナ禍の前、中国の「爆買い」がピークだった頃の浅草では、日本人は少数派でした。それがコロナ禍でいったん閑散となったあと、昨秋は着物姿の日本人女性のグループが意外に際立っていました。浅草寺に向かう参道沿いの仲見世商店街も、ほど良い活気を取り戻していました。
そんな様子を描いたのが、季刊LCT 41号(January-March 2023)に掲載のコラム「五十路の坂、白い雲」です。「東京・浅草:ポスト・コロナの風景」と題し、関東大震災や戦禍を乗り越えて今に至る浅草が、コロナ禍を経て日本人の手に戻ってきたような感慨も交え、ルポ風に綴ってみました。
もっとも、浅草を訪れたあとしばらくは、日本国内のコロナ感染者数はまだまだ油断できず、死者数が増える状況が続いていました。中国では完全な封じ込めを目指したゼロコロナ政策が破綻し、感染者増加と医療崩壊の懸念が伝えられています。浅草の光景は「ポスト・コロナ」に向けた兆しではありますが、出口を模索するにあたっては油断は禁物で、冷静に現実と向き合う必要があると改めて感じています。(飯竹恒一)
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