寒い日は、あわあわすることにしています。

三十路の女が言うべきではない事ですが、告白します。

わたし、お風呂が嫌いです。

湯舟に浸からず、シャワーだけっていうのも嫌いです。
とどのつまり、身体から垢を取る作業が嫌いなんです。

嫌いな理由は、至極簡素。

面倒だから。

服を脱いで、お湯を出して頭と体と顔を洗う。
体の水気をタオルで拭いて、服を着る。
顔の乾燥が気になるから、そのまま手入れをする。
そして20分くらい経ったら、濡れた髪を乾かす。

この一連の作業が面倒で仕方ないんです。
物心ついたころからそうでした。
「おふろに入る」という行わなければならないルーティンの中で、唯一、いつになっても無心になって行う事が出来ないパート。

寒くなってくるとそれに拍車がかかるのです。

寒いから暖かい部屋からは出たくない。
脱衣所はホテルや旅館じゃないかぎり、寒い。
どうしてそんな中、面倒な作業をしなきゃいけないのか。
最早、苦行なのではないのだろうか。

冬はそんな風に毎日思いながら、身体の垢を落としております。

ただ、今住んでいるアパートに引っ越してきてから、冬場は湯舟につかるようになりました。
湯舟につかるまでは面倒で仕方ないのですが、湯船につかると、身体が温まり、ほっとするんです。

湯船につかるようになってから、次は湯舟に何か入れるようになりました。

リラックス効果のあるもの。
温泉の効果を凝縮させたもの。
血行を良くしてくれるもの。

湯舟初心者なので、個包装のお試し用のものを、ドラッグストアなどで、いくつかまとめて購入してきていました。
液体のものもあれば、顆粒状のものもあり、なんだか化粧品を選ぶような感覚で、毎回楽しくなりました。

いくつか試した結果、落ち着いたのが、クナイプというドイツのブランド。
始まりはなんと、19世紀の神父様。自然の生命力に着目したそう。
そこからハーバルブランドとして、様々なケア用品が生まれ、今では特に入浴剤が有名になったそうです。

そんなクナイプのバスミルクをわたしは使っています。

お試しではコットンミルクとイチジクミルクしかなかったのですが、全4種類あるそうです。
ちょっとアプリコット気になる...。

購入したのはコットンミルク。
香りはどうってことない柔らかいミルクの香り。
しかし決め手は、泡風呂を作れる、ということでした。

子供の頃夢見ていた泡風呂。
けれど実家は追い炊き機能つきの循環アダプター部分から、浴槽へお湯をためるタイプでした。
なので、泡があまりたたず、映画で見るような、アメリカの泡風呂を再現することは終ぞありませんでした。

だからこそ、気が付いたらそこに執着していました。
蛇口からお湯をためる現在の湯舟が満タンになり、その知らせを受け、お風呂に入ると、見事な泡の山が出来ています。

このクナイプのバスミルク、優秀なのが、最後まで泡がなくならない事。
そして、バスミルクというだけあって、お肌がしっとりすることです。

子供のような億劫さと憧れを「風呂」という場所に抱いていました。
けれど、さすがに三十路。
それを何とか昇華させることが出来た、寒い冬です。

寒い日は、泡風呂に入って遊びましょう。

おしまい

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あきる
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