戦略参謀の仕事
まずはじめに、戦略参謀の仕事について書いておきたいと思います。
「参謀」っていうのは何かというと、元々は
幕僚とも呼ばれる。軍の指揮官が用兵,作戦などの計画を立て,これを実行するにあたって軍の指揮官を補佐する将校 ーコトバンクより引用
のことを言いました。企業においては、経営者が経営戦略を立て、実行するために補佐するのが戦略参謀です。
企業の経営戦略は大きく全社戦略と事業戦略に分かれていて、会社全体の戦略である全社戦略の下に各事業ごとの事業戦略が立てられています。そしてそれぞれの事業戦略ごとに機能戦略があります。機能戦略は事業戦略を実行するための各機能ごとの戦略で、開発戦略、マーケティング戦略、販売戦略などです。
ー経営を学ぶより引用
戦略参謀は主に全社戦略と事業戦略を担当するのですが(開発戦略、マーケティング戦略、販売戦略はそれぞれ開発部門、マーケティング部門、営業部門が担当します)、全社戦略の担当部門は会社全体の事業ポートフォリオの組み替えや全社リソースの再配分、M&Aなどを推進し、事業戦略の担当部門は事業部の中の製品ポートフォリオの組み替えや事業部内リソースの再配分、生産拠点の統廃合、社外団体との協業推進などを行います。
戦略参謀は会社組織の中のどこにいるかというと、多くは社長直下の「戦略本部」や事業部長直下の「経営企画部」といった名称の組織の中にいます。規模が小さかったり、事業領域が広くない場合は経理担当者が戦略も担当していることがありますが、規模が大きくなり事業領域が多岐にわたると戦略専門のスタッフが置かれます。最近はCSO(Chief Strategy Officer = 最高戦略責任者)を設置する企業もあります。
私自身は事業部の経営企画部門に所属し、担当事業の事業戦略を立案実行する仕事をしています。主な役割は、3年から5年の中期事業戦略の立案、翌年の事業計画の立案、事業部長の経営活動の補佐(運営方針策定、全社経営会議の準備、事業部内活動の推進など)などになりますが、災害(地震、火災、疫病)などの異常事態が発生した際に対策本部を設置して運営したりもします。去年はコロナ対策委員会を設置したり、仕入先の工場が火災で稼働できなくなったので特別対策本部を設置しました。このように、戦略参謀は経営戦略を立案するだけでなく、非常事態時の横串機能としての役割も求められます。
次回以降は戦略参謀の仕事について、もう少し具体的に詳しく書いていきたいと思います。