【大晦日くらい書こう】2024年秋から年末までのイベント観賞 雑感(演劇編)
リアルで嫌なこと大変なことがおこると引きこもって、小生を元気づけてくれるアイドル・舞台役者の皆さんの素晴らしいパフォーマンスのことを、拙い文章だけど書き残すという、リアルでの仕事よりはるかに大事なことを蔑ろにし続けていたら、気が付けば、
ももいろ歌合戦が始まってるT_T
(ABEMAより)
ということで、皆様に見ていただこうなんて気はみじんもないが、せめて小生が記憶を失っても、こうしたアーティストたちの表現物だけは観てきた、ということは残す備忘録として、前回書いた2024年10月中旬以降から、この年末までに行って観てきたものの超雑感を、まずは演劇編ということで書き散らかしていきたいと思う。
1 ガチャ×ガチャ企画
ありがとうのかわりにさよならを。さよならのかわりにありがとうを。
(10月18日 赤坂チャンスシアター)
脚本演出演者と、どれをとっても素晴らしいの一言しか感想が出て来ない才人・蜂巣和紀が、どれをとっても天然なんだけど、その分熱い思いを作品を通じて常に訴えてきてくれる鬼才・比嘉ニッコが送った2つの演劇作品。ガチャ×企画は小生はコントやお笑い劇で出会ったけど、いやあ今作は、なんか、ニッコさんが「こう泣かせたい」を蜂巣さんが完成させた、みたいな共犯による感動を覚えさせられてしまったな。蜂巣さん演じる篤志家の児童保護施設で、明るく暮らしている女の子(横道侑里さん)たちの元に、悲しい出来事によりやってきた女の子(夢月さん)がやってきて、徐々に打ち解けていくが、横道さんが、昔勇気づけられた絵本のような話を私も描きたいといって施設を出るために別れが訪れ、再び人を信じられなくなる夢月さんだったが、最後はその背中を押して別れ合うという、まあ、ベタなんだろうけど、でもベタで、俺みたいな汚れたおやじを感動させるんだから、作者も演者たちも本当にすごい。少なくともこの20年以上、テレビなんかではこんなもの得られてないからね。施設の男子役の佑太さん、児相の相談員の花崎那奈さんも好演でした。そしてもう一つの作品が、事故で死んでしまい霊となった青年(卯野壮馬さん)が、放蕩の挙句に病死した絵本作家(宮下栄治さん)の霊と、火葬場で遭遇して、青年が、この世に未練なんてないと言う絵本作家に、あなたの未練を見つけてくるから、その時力を貸して自分を現世に蘇生させて、と願い、紆余曲折の末に、ついに絵本作家が涙を流して、青年はいつしかよみがえる、という話で、やはりこれもベタをベタだけど泣けてしまう作品に仕上げる座組の皆さん。南名弥って人は、未亡人でも、そうそう対人いるところでは自然に振る舞うよね、って表現が見事だし、余白さんや柳瀬晴日・ちゃんはるの兄妹も、これも30前後の大人であり子供の表現が素晴らしく、絵本作家の浮気相手!?のプロレスラ―のニッコさんも、出オチ役もちゃっかりホロリさせるという、この辺実は天然を装う策士だなww。両話を最後に、絵本作家の焼香に来た横道さんに、自分を勇気づけてくれたこの本の作者なんだよ、って登場させて伏線回収なんかも、トーシロの小生はただただ唸るのみ。素晴らしい時間でした。
はっちさんに、この時に、テレビ映画のスターはこの世を去ったけど(西田敏行さんね)、自分の中でのはっちさんはスターです、って言えてよかったよ。
2 松本プロデュース one やがてひとつになる物語
(10月20日 ステージカフェ下北沢亭)
劇団6番シードの松本陽一さんが、気心知れた・一度はじっくり組みたい、そんな役者さんを集めて手掛ける演劇で、小生は以前に、高橋明日香・図師光博・浮谷泰史・栞菜の4人の「コメディショー」を観て、この時に栞菜さんの艶っぽさや図師さんの技とかを知れて、これも小生の演劇観賞歴の記憶に残っているけど、今回も、高橋さんのほか、藤堂瞬・松木わかは・野口オリジナル、そして日替わりの高田淳(他日は確か丸山正吾さんと、あと一人忘れたすみません)の皆さんが、ある事件の公判の模様を、それぞれ2役なんだけど、全員がその立場の一人芝居を紡いで、ひとつの公判の真実にまでたどり着くという、本当に松本さんとか蜂巣さんもだけど着想が凄いよね。役者さんも2役がほぼほぼ性格が真逆な役どころで、性格の切り替わりなんかは当然として、法廷でのリアルさの追求とかも、一度は裁判傍聴なんかもいったんじゃないかってくらいの表現でした(小生実は裁判傍聴何度か行っててね)。個人的には、高橋さんは、やはり爛漫な感じの姿が小生は好みで、それが書記官役の時に見事に表れていたのと、野口さん、彼はもう5月の「Rock in the 本能寺」が見事だったんだけど、今作は被告と、そして裁判官と、真逆中の真逆を演じ分け、ますます観たい役者さんとしてインプットされましたな、ってのがあったが、松木さんも藤堂さん、そして高田さんも本当に素敵でした。
3 フォーエスエンタテイメント制作 カラオケの女王
(10月23日 中野STUDIO twl)
平瀬美里・みぃちゃんの支援者としてもありがたいフォーエスエンタテイメントさんの制作演劇は、靴脱いで観る劇場として知る人ぞ知るtwlの初日。前説撮可で下段の真ん中にいる、三姫奈々さんが主役で、右のれみーにょこと菜乃華れみさん準主演という、みぃちゃん芝居ではおなじみも、フォーエスさん演劇での出演は小生は初めてかな?その作品は。ある商店街の個人経営のカラオケ店(経営者役が、これはみぃちゃんもお世話になってる原口誠さん)に集う地元の学生が、同地に大手のカラオケ店が進出することで店じまいを考える店主に対して、市のカラオケ大会の賞金300万円を優勝して得て、カラオケ店の再編に使ってほしいと奮闘する話で、大手チェーンの担当に、夢月さん(先述の夢月さんとは同名ながら、こちらはフォーエスさん作品、みぃちゃんも知る女性)で、私も大会に参加するわ!むろん歌には自信ありよ、ってのが、彼女はそれらの作品で本当に歌唱の高さを見せているので虚実ないまぜで笑えたが、劇中みんなも歌を歌う場面ありで、原口さんはミュージシャンだから当然として、三姫さんもれみーにょも、もちろん彩田栄美さんも、それぞれ生歌生伴奏で歌うのが素晴らしい。そして、三姫さんは結局優勝できず3位で終わるんだけど、そうしたハッピーエンドにはならないが、やり切ることで、また地道に過ごそうという結末が、現実的でもあるし清々しかった。あと、優勝のための指導者として歌えなくなり表舞台から姿を消したミュージシャン役の月野森蜜柑役の神谷敷樹麗さんが初見だったんだけど、その役柄表現が見事だったけど、純粋な役者さんらしく、いやあ本当に上手い人は中小演劇場にはたくさんいるんだなあって唸ってしまってたね。さて、この作品を観たみぃちゃんには、どう映っていたんだろうかしらw。
4 劇団12ミニッツ 普通になれなくて
(10月25日 浅草九劇)
劇団も初見、浅草九劇も初観賞、そして演者さんも、確か2名を除いて初見、そんなお初ばかりの演劇になぜ足を運んだ?かは、あの蜂巣さんと同い年、1988年生まれのほりゆり。さんこと堀有里さん出演ということで観劇。ちなみにもう一人既知の田中音江さんは、かつて堀さんが「OYUUGIKAI」の初回のときにキャスティングした2001年生まれ(高井千帆・ちぃちゃんと同い年)の役者さんで、彼女の芝居を観るのもひそかな楽しみ。内容は、映画会社の制作部内部の同僚同士が密かに付き合っていて、女性の方が退職を考える中、意に反して新プロジェクトの管理者に抜擢され、男性の方がその部下になる、ということから、両者のすれ違いと、本人達も気づかなかった真の思いに目覚めて、最後は別れてそれぞれの道を進む、なんて内容で、途中に男性の、インターンでの女学生へのセクハラ疑惑や、両者が意気投合したきっかけとなったアイドルグループのファン交流会と、アイドルの炎上話からまさかの事態が起こる、など、現実には起こりうる?とか思えるところはあるが、それはそれとして2時間結構飽きずに観られた。主演の石川恋さんは、昔グラビアとか披露してたことを少し思い出したし、後日、相手役の中尾暢樹さんを、たまたま旅行先のソウルのテレビで発見して、
これが2016年の戦隊モノの韓国内での再放送だと知ったりと、後日談もあるが、堀さんは主役ではなくて、両者の新居を手掛ける不動産業者で、実はその妹が、中尾さん演じる男性と疑惑を持たれた関係だったりと、これも、ややおいおい!ってところだけど、堀さんの久しぶりに観た、現実社会でもいる役を自然と演じていたね。最後に中尾さんと結婚している設定のときの、パパーって呼ぶ声が、これまた30歳中盤のお母さんの声そのもので素敵でした。田中さんは、逆にファン交流会の主催の漫画家で、やや飛んでる40代を20代で上手いこと演じていたし、彼を責めて捨てた後の豹変の冷たさも素敵でした。
5 舞台 Episode 犬紀村
(10月25日 六行会ホール)
もはや芸能社会に戻ることは無い、戻るよりも、長い薬物依存からの治療で更生いただきたいある男性の弟、というだけであることないこと言われてきただろう、田中彪さんの作演出の舞台。その田中さん作品には、トーシロ目で見ても、もはや一にも二にも駆け付ける、的な仲間であると思える図師光博や、これもほぼ作品を共にしている氏家蓮(主演)、そして珍しい?劇団6番シードのオオダイラ隆生さんや、これもかつてグラビアもやっていた平田裕香さんなどが集った作品。内容は、小生にはちょっと難解で、どうやらおとぎ話の「桃太郎」で、桃太郎とともに鬼退治に出掛けた犬、それが氏家さんで、鬼が、実はかつて犬がいた犬の村の王子!?で、氏家さんのお兄さんであるという。その原因となったエピソードだとかで、前作を観ていた方がよさげだったけど、それでも演劇としては重く、ときにコミカルも交えた2時間くらいだったかしら。図師さんが、コミカル担当からは完全に外れて、先代の王、いや主か?あなたの行動がこの悲劇を招いたのよ、的な無力な役を好演していて、コミカル無しの図師さんは貴重だったね。氏家さん他田中芝居の常連も相変わらず殺陣も含めての熱を届ける演劇。もう小生も、これからは、田中彪の記事書くときは、冒頭の、〇〇の・・・は二度と書かないわ。素晴らしい演劇人として紹介しよう。
6 劇団虚幻癖 パラノイアサーカス
(10月30日 中野ザ・ポケット)
虚幻癖は、前回観たのが、木下彩さんが好き勝手なアドリブで笑わせて、高宗歩未さんのオーバーアクションぶりがむしろ抑えめに移るほどのドタバタ劇で、今回もそうしたコメディものでしょう、なんて軽く観劇はじめたのだが!これがこの秋では結構いい意味で予想を裏切られた作品でした。なんかロミジュリ的な敵対関係の国の男女2組が、国の愚策に翻弄されて、最後は4人の死をもって平和が紡がれる、みたいな感じで正直内容は覚えが薄いけど、なにが良かったかってのは、出てるキャストが、木下さんは引き続きと、中山さつきさん(彼女も前作出てた)、結城美優さん、近野莉子さん、とくれば、これはどう考えても堀有里さんや蜂巣さんの顔が頭をかすめるくらいの、コメディエンヌともいえる役者さんでしょ?その人たちが、ほぼほぼアドリブなしで、ただただ悲劇に陥ってゆく市民を演じているのよ。そして中山さんと結城さんがヒロインなんだけど、時にいとおしく、慈しみを持ち、そして冷たく強くと、なんか普段の彼女達じゃなかったのがとにかく素敵だったの。別記事に書くけど、みぃちゃんの「召喚アウトロ―」という舞台でのサイン会で、結城美優に、召喚のことはさておきで、今作の感動を伝えたくらいw。近野莉子も、ダブルキャストで半分出演だったけど、中山さんの幼馴染ながら、嫉妬して憎む表情なんか見せるとか、そんな引き出しあったの!ってものを見せてもらうし、木下さんは元々そういうの出来る方でしょうしという表情するし、そしてもちろん男性が、鵜飼主水さんとくれば、あの美声と殺陣、そして中山さんの相手役とか、中山さんも嬉しかったんじゃなかろうか。役者さんの底力ってもをの魅せてもらえた一日でしたな。
7 舞台 シオンの眠るとき
(10月31日 新宿サンモールスタジオ)
以前6番シードの劇に客演で出たのを観た事がある沢田美佳さんが、他の2名の方と「流星レトリック」という演劇集団を組んでいて、その10回目公演とのこと。縁劇、ということで演じることでつながる縁、みたいなことなんだろうか?はともかく、小生はこのダブルキャストの31日初演組を観劇。6Cの椎名亜音さんと藤堂さん(劇中は夫婦役)、ヒロインに黒木美紗子さん、ほか持田千妃来さん、宮本愛さん、藤野あさひさん等既知の人多数で、その場合小生はいちいち、直近では・・今年は・・・とかまず観劇中に思うのが良くないけどw、未知の方とはなんか安心感が違うのは小生だけ?内容は、死んだ富豪には、藤堂さん演じる作家と妹、のほかに相続人が実は3人いて、その遺産相続人が誰に相応しいかを関係者すべての投票で選べ、という奇抜な催しで起こる人間の表裏の姿や醜さ、そして富豪の真意を知り涙する主人公と、その主人公を慕い庇護するべき甲斐甲斐しく支援する黒木さんのヒロインが、最後に主人公から、君の好きにしたらいい、と言われて抱き合う背に銃口を当てて・・・・というもの。こちらも、宮本愛や藤野あさひという、蜂巣さん作品でのおふざけを抑えて、エージェントや弁護士を演じていてこれも笑うが、やはり椎名さんの、夫のためならば、という表情は素晴らしく、藤堂さんも、他の相続人を憎み切れない優しい人間って表現がやはり素晴らしかった。黒木さんも、前作「終わらない歌を少女は唄う」の時の役同様、いいねってものを見せていたし、やはり既知の人は安定してるってことが言いたいんだろうな俺は。日替わりで栞菜さんが別日だったのが残念だったね。
8 あっとエモーション Be Colorful
(11月2日 上野ストアハウス)
2カ月前の、蜂巣さんの「うんこマン」での赤ヒーロー、その他舞台の裏方でも見かける名倉周さんが所属の演劇集団あとえもは、小生は初見。門野翔さんはあれ?なにで観たっけ?斉藤有希さんは「袴De」「鶏卵衝突」などで観ているかな。そして客演でなんといっても、山﨑悠稀さん。「降臨SOUL」で小生の期待以上にちぃちゃんを手なずけてwww、大いに芝居欲を刺激してくれただろう山﨑さんを目当てで観劇。他に、「降臨SOUL」や「Missing」でのアンサンブルで知った高見彩巳子さんやしばまりこと柴田茉莉さんなども出演。内容は、二人の若者(黒木文貴さんと増本祥子さん(アトエモ)」、男性はしがないフリーター、女性はSNS上で人気が出てきた3人組バンドのボーカル。バンドはドラム(山崎さん)とギター(門野さん)で組んでいるが、親の借金や人気が出るために切られたギターの自殺など、悲劇が襲う。また、実はこの2人が実は姉弟であり、その父親が暴力団幹部で抗争により命を落として離れ離れとなりめぐりあう。父を殺害した対立組織のボスが刑期を終えて街を再び支配しようと企み、その過去の因縁で姉弟をも襲うとするところ、暴力団を泳がせる敢えて汚職を働きながら、組の殲滅を企んでいた刑事(名倉さんとしばまりさん)が危機一髪のところ現れてボスを逮捕する。なんて雑な要約だけど、内容は本当に濃密で素敵な作品。山﨑さんのドラム叩くシーンは、毎度毎度表現が上手いんだけど今回も楽しんで叩くところと、悲しみで叩くところと繊細に違えてるんだね。しばまりさんも、名倉さんの先輩に憎しみを向けつつも、悪の殲滅という目的のためだけには協力する、みたいな表情も良かった。夏陽りんこさんが、コメディリリーフ的にほっと一息の役どころもなかなか素敵。そして組の三下が守上慶人さん。蜂巣さん作品等で道化に目覚めたかw?って感じだったところ、こちらは黒木さんに先輩面ふかしながらおっちょこちょいで気弱なヤクザが良かった。あとは、悪役ボスの大野靖志さん。悪役が憎まれる程良い芝居、という小生的な観方に相応しい、悪い野郎を好演でした。初見だけど、ちょっと顔が、元騎手で現調教師の四位洋文さんに似てるイケメンでした。斉藤有希さん安達優菜さんなど、記憶薄れていても思い出せる好演など、良い舞台でした。
9 END es PRODUCE D -ystopia-
(11月6日 六行会ホール)
リベルテでお馴染みの遠藤巧磨さんと藍澤慶子さんのエンドエスpが六行会ホールで行った本公演の初日観劇。草場愛さんがヒロインで、清水凜さんも出るとあり、ちょうど召喚アウトロ―の稽古時期で、召喚に出るみぃちゃんが、凜ちゃん会いたい!のポストに草場さんが返しをくれたのが、みぃちゃん贔屓筋にはありがたかったが、他にもリベルテ常連の小山修平さんや先述の卯野さん、ニャンこと野崎絵里菜さんなど出演で、ただ、内容は正直小生には難解で、二国の争いの中で、戦いに出た者は死んでゆくという、エンタクさんの作品は結構死が描かれて空しさが残るものが多かったなあそういえば、って感じだった。草場さんは3人主人公の幼馴染で、うち2人が対立して戦うのを嘆くも、結局自身も武器を手に戦う悲劇のヒロインを熱演。降臨での伊達政宗から、あくまで女性らしい声色と敢えてなのか力弱げな動きの表現が印象的でした。悲劇といえば、清水さんの役どころも悲しくて、リベルテなどで受付もよくされる中根大さん演じる王の娘だったか、王の命でいままでは生きていたんだけど、世を救うべく王を裏切るんだけど、結果王に命を奪われてしまうのね。自分だけ唯一武器を持たずに羽があるだけ、みたいに自虐するところとか、清水さんの悲劇芝居は初めてだった(一応降臨SOULでの柴田勝家自爆シーンはあるが)ので新鮮でした。あとは、天然笑いの無い演者・藍澤慶子は、見事でした。
10 舞台 まうしずむ
(11月14日 六行会ホール)
役者・コリオグラファー(振付師)として活動する松本稽古さんがプロデュースでいて、佐藤修幸さん率いる劇団ENGがサポートするという演劇で、松本さん自身のほか、高橋明日香さん、澄華あまねさん、中野裕理さん、エリザベスマリーさん、梅田悠さん、小早川俊輔さん、高田淳さん、などの既知役者さんに囲まれるも、主演は初見の室たつきさんという方。内容は、三日三晩踊れるストリッパーの噂を聞き実際見た作家は彼女と深間になるが、実は両者は80年以上も前の戦時中の出来事にともに因縁ある関係で、彼女はその村の秘薬を受け継いできた一族に連なる者で、その薬こそ3日も踊れる力を出せるのだ。そして作家は、陸軍人の孫で、その陸軍人が、ストリッパーのルーツの村長に薬の調合の秘密を取引で教えるよう画策した人物で、その薬こそ戦争勝利の秘薬として利用しようとする者で、敵対する者同士だった。ストリッパーはその事実に絶望して命を絶つが、警察は作家が殺害したとして逮捕起訴、その弁護士(松本さん)が真相を知ろうと調査して、両者の関係と軍人の秘密を暴いた、みたいな話。1度観ただけではなかなかストーリーが入りきらないけどそれは予算もあり仕方ないw。澄華さんや高橋さんは、薬に翻弄されて死んでしまう悲しい役を見事演じられていた一方、とにかくマリーさんが凄い!踊りはもちろんながら、室さんとのダンスや二人芝居の時の笑いと悲しみの目が素晴らしい。この芝居後に、召喚アウトロ―の振付とかしていただいたんだけど凄いよね。そして小早川さんが任務に抗う軍医を好演していて、彼とこの間の安達さんの芝居の時に、やはりチェキを撮っておくべきだったと後悔w。もう一度、ストーリーの検証も含めて観たい作品でしたね。
11 舞台 爆剣 ~帝国幻想兵団~
(12月19日 CBGKシブゲキ)
人気シリーズという「爆剣」の第4弾ということで、小生は初見。舞川みやこさん一択で観に行ったが、雛形羽衣さん、鵜飼主水さん、黒木文貴さん、門野翔さんに、鶴見萌さんを「降臨SOUL」以外で観るのは初だったかな。内容は、大正時代の日露戦争で名を馳せた軍人の秋山好古は、列強に応戦するには戦国武将を召喚してその力を利用することを思いつき召喚儀式の研究を重ねると、ついにあの織田信長(鵜飼さん)を召喚させるが、同時に他の4人も召喚させてしまう。その4人はそれぞれ信長に抗ったとされる者たちで、現代でも双方戦うことになる。秋山はさらに源頼朝や天草四郎(鶴見さん)を召喚させるが、いつしか秋山は信長に御されてしまい信長は再度第六天魔王として現世を滅ぼし地獄の世界にしようと目論む。召喚された4人は阻もうとするが佐々木小次郎の母(舞川さん)が裏切り内乱、そして何とか信長にたどり着くが、そこで秋山が自分の命を絶つと、彼の体に別人格が宿り、その者は、母を迫害され自暴自棄となり世界を破滅に導こうとした秋山が、自分の死後にその野望を引き継いだ悪魔のような存在で、あわや世界が窮地になったとき、召喚された一人平賀源内が、信長をよみがえらせて、信長は頼朝と四郎とともに悪魔を滅ぼすが、その衝撃で世界が終ろうとしたとき源内は、召喚された自分たちが消えれば防げると言い、皆が消えると、衝撃は関東大震災規模に「抑制」されて、被害は最小限に食い止められた、みたいな話。これも1度観劇だけではなかなかうまく書けないね。鵜飼さんはここでも信長(前回はRock in the 本能寺)で、いやああの時以上に、善悪どちらも備える、神に近い信長を表現されていて、もしかしてあの時代信長って、鵜飼さんみたいだったのではと思わせるのが凄いね。舞川さんは終盤まではのんきな小次郎の母だったが、佐々木家を再興するためなら、と思いつめる目がいってて良かった。平賀源内役の佐藤智弘さんの、ひょうひょうとしながらも、最後に黒木さんに、我らが消えるべき、と強く訴える姿は印象に残ったね。3時間10分の長編ながら、途中で激辛食材を食べたり、アンサンブル役の人たちも巻き込んで即興の一発ギャグをしたりの遊びの場面もあったり、冒頭と最後に講釈師で話す雛形さんが、期待どおりに笑わせてくれるなど、濃密な3時間でした。
12 Poppin'Shower 星空ハーモニー2024
(12月25日 27日 池袋BIG TREE THEATER)
堀有里さん、木下彩さん、蜂巣和紀さんの1988年生まれの3人のプロデュースユニットが、クリスマスに相応しい合唱部を舞台の演劇をプレゼント。再演らしいが小生も初演をぜひとも観てみたかったという後悔も感じる作品でしたな。高校合唱部の姫歌(森岡悠さんと横道侑里さんのダブルキャスト。一部を除きほとんどがダブルの2班制)が、行きつけのプラネタリウムで知り合った龍人(卯野壮馬さんと田中克哉さんのダブルキャスト)が、実はやる気のない合唱部顧問の、さんかく先生こと三角(みつの。藤代海さん単独キャスト)の子供で、三角がやる気なくしたのは実は龍人の突発性難聴で、歌手を目指す龍人に申し訳ないということが原因だったことを知り、龍人には、それでも歌を嫌ってほしくないこと、そして三角にはもう一度顧問として指導してほしいとして、プラネタリウム館長(麻生金三さんと比嘉ニッコさんのダブルキャスト)や路上アーティスト(相澤香純さんの単独キャスト)の力を借りて歌を聴かせて、両者の心を開かせる、という内容。上記は片方班の終演後撮影会のひとコマで、もう一方班は撮影は無かったがお見送りがあったね。双方とも小生的にはもうオールスターって感じで、皆さんに申し分は無い中、一番のヒロインは、熊手萌さんだったかな。1年生部員役で、なぜか雷を落としたり、幽霊のような身のこなしをしたりする役なんだけど、もう、出オチ的に目の下に隈塗ったり、片方ジャージ切ってるしで、こんな笑ったのは久々だったなあってくらい笑わせてもらったけど、感動の合唱では、本当に合唱部員なんだからなあ。サイン会とかあったらMVPですって言いたかった。あとは、これも単独キャストの清水彩さんのピアノ演奏と、藤代さんには、本当にいつも泣かされるんだよね、って芝居と、卯野さんの感情爆発とかも良かったし、波崎彩音さんの、肉まんで色気とかwwww、彼女は虫で舞台そっちのけで泣き叫ぶとかもあったが、笑わせてくるし、それを仕向ける蜂巣和紀の采配なんだろうなw。日替わりの高橋さん、渡邊ひかるさん、年齢を弄られてたけど、なに、生徒役の皆さんも大差ないでしょwwwを言わないフェアさに敬服しましたw。ホント素敵なクリスマスプレゼントでした。
今年も、多くの中小演劇から、笑いと怒りと涙と嬉しさをいただきました。
同時に、体調や精神的な問題で、いくつかの演劇を観ることなく無駄にしました。
本当に申し訳ないです、ごめんなさい。
来年もおそらく、そうした失礼を働くことと思いますが、
なんとか、そうならないようにして、
そして出来れば、ネタバレ解禁後に、
皆さんの素晴らしい表現を書き散らかせるように努めます。
来年もどうぞ、素晴らしい作品を待っています。