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プロローグ

エタノールの匂い
電光掲示板に表示される3桁の数字たちの行進
顔のない人達が座っている真っ白なソファー
一面の向日葵畑に降る雪。偽りの記憶。

その先にあるのは?

私はお手軽に記憶喪失になることが出来る。
嘘です、出来る、といいなと思っている。
何故、私の心臓を突き刺した言葉から溢れ出る鮮血を、私をただ静かに抱きしめてくれた言葉と同じ量で覆えないのか、分からなくて、悔しくて、手洗いうがいをきちんとしています。
だからなのか、風邪を引いたのはいつが最後か忘れてしまっています。

私は私の好きをいつだって疑っている、惰性だけが転がる部屋、君の好意と天気は誤差。
いろんな他人の人生が、Amazonで売られて、星をつけられる世界で、映画はまだ、映画みたいな物語を映し続けてるかだけが気掛かりです。映画と現実のフィクションがすり替わることに、多分誰も気付かず、Amazonにレコメンドされた人生を買っている。

その先にあるのは?

その先にあるのは、多分、誰かの記憶

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